経済活動が世界的規模で広がりを見せる中、さまざまな分野で企業の合併統合が相次いでいる。
1日、国内鉄鋼最大手の新日鉄住金が4位の日新製鋼を買収したと一昨日の新聞が伝えていた。
この合併で一部製品の国内シェアが100%近くなるらしい。そのことで当然ながら価格の決定力が強まりすぎる恐れが出てくることから、今回の買収に際しては、公正取引委員会の承認が必要とされているという。
種々の難しい問題を内包しながら、それでもグローバリゼーションは進むのだろう。だが、政治的な領域でのグローバリゼーションとしての欧州統合の例からしてもその前途は多難と言わざるを得ない。
さて、近所のコンビニが今週いっぱいで閉店することになった。
店舗が老朽化し、トイレ等の設備が古くなり、それが客離れにつながっているとの見方から店舗の改装を考えられたそうだが、諸事情を考慮され閉店を決断された。
その影響をもろに受けるのが、私の暮らす西町町内会始め、近隣の町内会の特に車を持たない高齢者のみなさんだ。
かつては町内会に1つや2つは食料品・鮮魚を扱う店があった。それが、いつしか大資本に淘汰されてしまった。私の暮らす佐々町、それに佐世保市とも「イオン」とその系列店、それに複数店舗を持つ地場の大手スーパーでしか食料品を求めることが出来なくなった。それらはたいてい街の中心か広い駐車場を確保するため郊外に店舗を構える。
これも、グローバリゼーションの余波か。いつだって、しわ寄せは弱い立場の人々の元へ来る。
そんな中にあって、コンビニの存在は、いわゆる「買い物難民」にとってはありがたい存在となっている。
ところがだ、その頼りにしていたコンビニが閉店する。これで、先に記した町内会の高齢者のみなさんは、歩いて食料品を買いに行ける店を無くしてしまった。これは、決して私たちの地域の問題にとどまらず今日的な社会問題となっている。
しかし、1人の優れたイノベーターの出現により、四国・徳島発の素晴らしい取り組みが始まっている。「とくし丸」という移動スーパー方式が全国的に広がりを見せているのだ。大いに期待している。
身近な社会問題は、国とか大企業とか大きなところ、大きなものに頼っても決して解決しない。身近な社会問題を解決できるのは、身近にいる、身近にある小さなところ、小さなものだけのように思う。
近いうちに私たちの町にも「とくし丸」は必ずやって来る。