昨日行われた第58回奨励会三段リーグ戦の15・16回戦で都成竜馬くんが2連勝し、通算14勝2敗で最終日を待たず晴れて四段昇段を決めた。
都成くんが奨励会に入会したのが10歳の時、7年かけて三段リーグ入りするも、そこからさらに9年を要しての四段昇段となった。決して早い昇段ではなかったが、既にプロとして活躍している棋士を向こうに回して新人王戦で優勝するなどその実力は十分だ。4月以降の活躍が待たれる。
有紀さん・くるみさんが小学生の頃通った将棋教室「秀楽」に、都成くんと同じ学年の増本敬くんという逸材がいた。既に小学5,6年生で彼にかなう大人はいなかった。周囲からは当然、奨励会受験の期待があったが、彼はアマの道を歩むことに決める。
その後、中学3年生の時に、第24回全国中学生選抜将棋選手権大会男子の部で準優勝、ちなみに同大会の女子トーナメント決勝の優勝が大阪の室谷早紀さん、準優勝が愛知の室田伊緒さん、そして、早紀さんに敗れた大阪の山口真子さんと、伊緒さんに敗れた有紀さんが3位決定戦を戦い、有紀さんが勝利している。
有紀さんの3年間、続けてくるみさんの3年間の計6年間、8月の3・4・5日と山形県の天童市に通った。多くのみなさんとの交流があった。私にとって大切な思い出の1つである。
さて、高校進学後の敬くんは目覚ましい活躍を見せる。特に2006年は圧巻だった。先ず、2年生で全国高校将棋新人大会で優勝、3年生になり全国高等学校将棋選手権大会で優勝、そして、全国高等学校将棋竜王戦でも優勝し見事、高校三冠という偉業を達成している。
その後、大学に進学しても大学将棋界で大活躍したのは言うまでもない。現在、社会人となり毎日を忙しく過ごしているようだ。たまに会うことがあるが、いつもニコニコと笑顔を絶やさない好青年である。
ところで奨励会三段リーグ、長崎県出身者の佐々木大地くんが土壇場で踏ん張っている。
都成くん同様、昨日2連勝で白星を11と伸ばし、星を伸ばせなかった2番手の子に並んだ。現時点で11勝5敗が4人、勝ち抜けられるのは1人だけだ。
最終日2局が3月5日に指される。勝利の女神はいったい誰にほほ笑むのだろう。天才たちの苛烈な生存競争がいよいよ佳境を迎えている。