私たちの国で、男女共同参画社会基本法が施行されて早15年が経つ。
2006年以降、毎年公表されている世界各国の男女間の格差の度合いを指数化した世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数」、その2015年版を見てみると調査対象145か国の内、日本は101位と男女間の格差の改善が相変わらず進んでいないという実態が明らかとなっている。
女性の労働参加率や管理職が少なく経済分野が106位、政治参加では女性議員が少なく104位、教育分野では84位にとどまっている。
政府は、男女共同参画計画の策定を素っ飛ばしてまでもと、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、いわゆる「女性活躍推進法」を昨年8月参議院本会議で可決した。
これにより、今年の4月1日から従業員301人以上の企業と、国及び地方公共団体には女性の活躍推進に向けた行動計画の策定と公表が義務付けされる。また、300人以下の企業にも努力義務として課される。各企業・各地方公共団体は、その策定に向けて急ぎ取り組んでいることだろう。
日本は、中国に抜かれたとはいえGDP世界第3位を誇る。それに引き換え、ずっと100位台の「ジェンダー・ギャップ指数」のこの不名誉な順位は、政府にとって頭の痛い問題だろう。何としてでも改善せねばとの思いは安倍総理を始め、総理周辺には相当強いものがあるのは想像に難くない。
それが突然の「女性活躍推進法」の制定や、女性閣僚の登用に見て取れる。
ところがである。このところの自民党女性閣僚の失言・放言・失態はあまりにも酷い。しかし、実はそれは無理もないことなのだ。
自民党の国会議員は406名、そのうち女性国会議員は、わずか1割の41人しかいない。「女性活躍推進法」の下、無理して男女平等を装ってはみたものの、所詮世界104位なのだ。
肝要なのは、体裁を整えることではなく、じっくりと男女間の格差を埋める息の長い真摯な取り組みだろう。