処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

Jazz time ( ジャズ・タイム )

2020-09-11 20:18:54 | ジャズ

 ジャズCD10枚セットのワン・ボックス。収録156曲。

サブタイトルは《 永遠のジャズ・ベスト・コレクション 》

往々にして、この種のコンピレーション企画は、これまでオリジナルの音源で構成されていることは殆どなかったと言っていい。近年ではそうでもないのかな。

案内チラシや広告で、そうは期待できないだろうと思いつつ、選曲が及第点だったので買ってみたのだが、結果的に当たった。大儲けをした感。

詳細を読んだら、制作がワーナー・ミュージック・ジャパン。やはり違うわいと納得。ちなみに販売はユー・キャン。

最近は、ユーチューブやアマゾンで聴くことが多くなっており、いちいちにCDを入れ替えて、サイドメンを確認して、リリースの年月日を頭に入れてと、遠い昔の青春時代に繰り返していた聴き方をしている。実に楽しい。

 

 

登場するプレイヤーはルイ・アームストロングからウィントン・マルサリスなど96名、ただし、これはリーダーとしてクレジットされている数で、トリオやカルテットのユニットのパーソネルの数はカウントしていない。ボーカルにはリー・ワイリーやらブロッサム・ディアリーまでも居る。時代は1930年から80年代にわたる。いわゆるビバップからマイルス・デイビス前後のモダン・ジャズの黄金期がスッポリ入っている。

よく練られている選曲が素晴らしい。同じミュージシャンの同じ曲でも、最高の物を持ってきている。また、歴史上欠かせない一曲を取り上げるなど、編集の努力が垣間見える。注力に感謝したい。

これには、鑑賞ガイドの監修・執筆に当たった小川隆夫氏によるところが大きいと思われる。私の記憶では彼は、今は無きジャズ専門誌『スイング・ジャーナル』の編集長であった。勿論ジャズ評論家としても斯界を牽引してきた得難き人である。

 

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ジャズ・シンガー 冨樫 勝彦

2019-05-16 14:17:58 | ジャズ

古希を過ぎても現役でジャズを歌ってる歌手がいる。冨樫勝彦氏である。

かつては一流どころの勤め先でキッシンジャーなどビッグ・ネームを相手に通訳を生業をしていたが、その後転職、起業や職替えなど辛酸を舐め、還暦を迎えた時に、「残りの人生どうせなら、好きなことをして生きてゆこう」と決意し今に至っている。

 

       

人生の転換を本人から初めて聞いたときは、既にボイス・トレーナーの下に通っていた。決意の固さに驚いたのだった。

ジャズ・ボーカルは超マイナーな世界。しかも男性シンガーは絶滅危惧種というに等しい。本気なのか! 食っていけるのか! 家族は! 大きなお世話であっても、友達なりの不安を抱いたのだった。それがどうだ。もう10年余を数えた。その努力と意志に改めて敬意を表している。

盛り場の小さなライブ会場、売り上げはまず会場費、次に伴奏のミュージシャン、腕のいい連中であればあるほどギャラは高額になる。その残りが自分の取り分。まともな生活はできないのが実情。年金生活の方がはるかに恵まれているだろう。

でも彼は歌う。好きな歌を唄える幸福感に浸って。その姿は一面、同世代には、眩しくもあり羨ましくもある。

彼は、歌の合い間の喋くりが最高。情に溢れた小話やら虚実の判らぬ話やら男と女の話やら、オーディアンスは思わずニッとなる。余程年季が成なければこうは出来まい。まさにエンタテイナーだ。

   

ライブの傍ら、「読売日本テレビ文化センター」では講座を担当している。日本でも近年は高齢の歌手も多くなってきた。彼には本場のジャズ・シンガーのように渋く味のある歌い手になって欲しいと思う。老けたらジャズ・ボーカルは俄然男がいい。シナトラ、ベネット、コモ、クロスビーその他大勢。フレー・フレー!!

彼にはいつも年の初めに年間のライブの案内を戴く。二月に一度位は予定を組むが、ちゃんと実現した試しがない。

今年も既に半年近くが過ぎてしまった。ジャズが好きな人、ちょと冨樫を聞いてみたいという人のために下半期の予定を紹介しよう。なかなか行けないせめて罪滅ぼしに。

 

 ※下記ライブ会場のタイトルは夫々のHPにリンクしています。クリックをどうぞ。

 

「茶会記」(東京・四ツ谷3丁目)

 

 6月24日(月) 13:30

 7月30日(火) 18:30

 8月26日(月) 13:30

10月28日(月) 13:30

12月23日(月) 13:30


 

 

     「羽生の杜」   

    

  

 

「ソーシャル・コミュニティー めぐりや」

                   定食・酒場  23区北部/北区

 12月19日(木)クリスマス・コンサート 夜

 12月20日(金)クリスマス・コンサート 夜

 

 

 

 

 

 

 

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ジャズの100枚 =Jazz for Biginners 15 =

2019-04-20 15:57:37 | ジャズ

ユニバーサル・ミュージック・ジャパンが2015年秋から3回にわたって発売した《ジャズの100枚》シリーズ。

プレイヤー、プレイ、エラ。いずれもよくバランスされたセレクト。日頃からこの100枚に触れていれば、ビギナーどころかもう立派なジャズ通、大御所になること請け合い。

 《究極の入門編》

   

 

 《決定版BEST》

 

 

《premium BEST》

 

 ざっと見たところ、このシリーズではいわゆるモダン・ジャズと呼ばれているものが圧倒的に多い。1950年代後半からのほぼ50年間ということになろうか。

ジャズ発祥のアメリカでいうジャズはもっと年代に幅がある。ルイ・アームストロングが生まれたのが1900年だが、「ニューオリンズ・ジャズ(俗にニューオリ)」や「ディキシー・ランド・ジャズ(ディキシー)」と呼ばれるクラシック・ジャズも含め総称してジャズと呼んでいる 。

演奏の内容、例えば「スウィング・ジャズ」「メイン・ストリーム・ジャズ、」「クール・ジャズ」などと細かくジャンル分けで呼ぶ場合もある。こうした年代や演奏形態などを細かい分類で名付けるのは日本の特徴と言えそうだ。

従って、このシリーズをひと通り聴いたら、次は古い時代に遡って聴くことをお勧めします。

聴けば聴くほど味があります。どうぞ偏愛で聴いてください。ジャズに相応しい聴き方ですから。

今回をもってbiginnersシリーズを終えます。

  

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ザ・ケルン・コンサート=Jazz for Biginnears 14 =

2018-12-11 22:42:55 | ジャズ

式には『キース・ジャレット・ザ・ケルン・コンサート』

1975年にドイツのケルンで録音されたピアニスト・キース・ジャレットによるソロ・アルバム。

体調も楽器も環境もすべて最悪の状況化で演奏された音楽史上に残るであろう最高の一枚。

不謹慎だが、横浜・中華街で流れていたのを耳にしたことがあったが、一瞬、柳琴と思ったほどの音色とフレーズであった。

   

youtube(イメージ映像がうるさいがまあいいか)

ソロって、どういう出来方をするのだろうか。予め決めたコードがあって、それに乗ってのプレイなのか、無の世界に只浮かび上がってくる音をそのまま鍵盤に伝えているのか。流麗なメロディ、滾々と湧き出るイマジネーション、サウンドの強弱、もう神がかりとしか思えない。

これをジャズだと思えない人も多いかもしれない。

この演奏の凄さを知る3点の資料を添えよう。

Wikipedia

小栗勘太郎の『ダイヤモンド・オン・ライン』の記事

広報パーソンのつぶやき

 

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ファンキー! = Jazz for Biginners 13 =

2018-10-28 16:21:57 | ジャズ

 《  FUNKY!  blue note super hits  》

 

    

 

 

このシリーズの流れがちょっと変わるが、名門ブルー・ノートが1994年にリリースしたジャズ・ビギナーには恰好のアルバム。1950~60年代に席巻したファンキー・ジャズの名盤の中から9アルバムを選び、1曲づつチョイスしている。

   1, ALLIGATOR BOGALOO    Lou Donaldson

   2,SONG FOF MY FATHER    Horace Silver

   3,CANTALOUPE ISLAND    Herbie Hancock

   4,MOANIN'    Art Blakey

   5,THE PREACHER    Jimmy Smith

        ※プレヤーは作曲者のホレス・シルヴァー

   6,COOL STRUTTIN'     Sonny Clark

   7,THE SIDEWINDER    Lee Morgan

   8,RECADO BOSSA NOVA    Hank Mobley

   9,JOSHUA FIT DE BATTLE OB JERICHO    Grant Green

        ※タイトル訳「ジェリコの戦い」

   ※ 3,CANTALOUPE ISLANDは音源無し。

 

 

 

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真夏の夜のジャズ = Jazz for Biginners 12 =

2018-09-30 16:20:15 | ジャズ

今回は趣を変えて映画。

  

『真夏の夜のジャズ』。原題は『 Jazz on a Summer's Day』。1958年の〝第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバル”のドキュメント映画である。これは必見。監督がスチール・カメラマンのバート・スターンだけに、その映像の美しいこと。

セレブでファミリーでノスタルジックでスタイリッシュのジャズが五体を打つ。これを観ずしてジャズ・ファンと名乗る莫れ。アマゾン価格6800円。

以下はアマゾン・レビューから。

”コンサート・ドキュメンタリーと、ポップ・カルチャーのタイム・カプセル。バート・スターンの『真夏の夜のジャズ』には、1958年ニューポート・ジャズ・フェスティバルの模様が、まさにその音楽のように、一見リラックスしているが、衝動的ですらあるアプローチで記録されている。スチール・カメラマンのスターンは、ナレーションをかぶせるようなドキュメンタリーのお約束を避け、リッチな色彩の映像でとらえた演奏と観客のセレブなムードを、ヨットのアメリカズ・カップ準備の様子と並列に取り入れながら、意図的にフェスティバルの大舞台と小さな会場のジャムセッションを行き来する。その課程で、アメリカン・ジャズが、その発展の歴史において、最も黄金に輝く瞬間を、彼は記録しているのだ。多様で、冒険心にあふれ、まだ広く受け入れられていた時代のジャズ。60年代に表面化する政治的・社会的混乱を数年後にひかえながらも、人種的偏見などないコミュニティーによって演奏され、まだロックやユース・カルチャーの影響を受けていなかったジャズ。スターンがフィルムを回していたのは、まさにジャズの牧歌的幸福に満ちた時代だったというのは大げさだが、まんざら嘘でもない”

『真夏の夜のジャズ』(動画) ※要注意:切れ切れではなく一挙視聴をお薦めです。

曲順と演奏は次の通り。

①曲と映像の融合が素晴らしい ②このモンクの出来は指折りではなかろうか ④⑤オーディエンスを巻き込む乗りは彼女ならでは ⑧マリガン若いねえ ⑩ギンギンのロックン・ロール ⑪鬼気迫る ⑫~⑮アメリカの至宝 ⑯~⑱神に抱かれて

  1. トレイン・アンド・ザ・リヴァー(ジミー・ジュフリー・スリー)
  2. ブルー・モンク(セロニアス・モンク・トリオ)
  3. ブルース(ソニー・スティット&サル・サルヴァドール)
  4. スウィート・ジョージア・ブラウン(アニタ・オデイ)
  5. 二人でお茶を(アニタ・オデイ)
  6. ロンド(ジョージ・シアリング・クインテット)
  7. オール・オブ・ミー(ダイナ・ワシントン)
  8. アズ・キャッチ・キャン(ジェリー・マリガン・クァルテット)
  9. アイ・エイント・マッド・アット・ユー(ビッグ・メイベル・スミス)
  10. スウィート・リトル・シクスティーン(チャック・ベリー)
  11. ブルー・サンズ(チコ・ハミルトン・クインテット)
  12. レイジー・リヴァー(ルイ・アームストロング・オールスターズ)
  13. タイガー・ラグ(ルイ・アームストロング・オールスターズ)
  14. ロッキン・チェア(ルイ・アームストロング&ジャック・ティーガーデン)
  15. 聖者の行進(ルイ・アームストロング・オールスターズ)
  16. 神の国を歩もう(マヘリア・ジャクソン)
  17. 雨が降ったよ(マヘリア・ジャクソン)
  18. 主の祈り(マヘリア・ジャクソン)
 
  アニタ・オ・ディ
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ラウンド・ミッドナイト = Jazz for Biginners 11 =

2018-09-22 20:23:16 | ジャズ

 ピアニストのセロニアス・モンク作曲の代表曲。いまやジャズのスタンダード・ナンバーとして多くのミュージシャンやファンに愛されている。

ラウンド・ミッドナイト』(youtube)

   

かつては、" ラウンド・アバウト・ミッドナイト” とタイトルされていたが、いつの間にかこう呼称されるようになった。

モンクは、紛れもないジャズの巨人。個性的なプレイがモンクのモンクたる所以である。間の取り方と拍子が他と異なる。一度聴いたら絶対忘れない。フラッと入ったカフェやジャズ喫茶などで流れていればすぐ判る。

大昔、名前は忘れたが、高名なジャズ評論家が、33回転レコードのモンクを45回転で聞くとバド・パウウェルに聴こえた、と評していた。

偉大かつ異形の巨人ゆえ、百人百論。懇切丁寧な評論以下2点。参考にして下さい。

後藤雅洋『「ジャズは個性の音楽」を体現した唯一無二のスタイルと存在感』

ブログ『何故その不思議な音楽が人の心に入り込むのか? 』

  

   イラスト:和田誠

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A列車で行こう = Jazz for Biginners 10 =

2018-09-07 21:43:59 | ジャズ

《 Take the "A" Train 動画

 

    

10回目は、デューク・エリントン・オーケストラ。#デューク・エリントン

カウント・ベイシーと並ぶアメリカを代表するジャズ・オーケストラ。ここでは、代名詞ともいうべき「A列車で行こう」を取り上げた。あまたある動画の中でも冒頭の動画が秀逸。

”デューク”は日本語で公爵のこと、”カウント”は、伯爵を指す。建国浅いアメリカ人には、長い歴史のヨーロッパへの憧れがあり、国王や貴族に対しての尊敬の念が強い。で、こうして自ら貴族を呼称したと、ウソかホントか分らない話を、半世紀も前にバンドの先輩から聞いたことがある。

エリントンのデビューから10数年はアメリカの禁酒法時代に重なる。ハーレムの高級クラブ ”コットン・クラブ”での演奏は人気に人気を呼んだ。蠢くギャングとの関係も想像に難くない。

ジャズは後進国アメリカが世界に誇れる数少ない文化。エリントンはまぎれもないその代表選手。作曲家・ピアニスト・バンドリーダーとしても傑出している。

上記WIKIの「エリントン」に紹介されている代表曲はすべて聴いて欲しいと思う。

 イラスト:和田誠

東京『コットン・クラブ』のエリントン・バンドのブログも。

 

 

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クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス = Jazz For Biginners 9 =

2018-08-10 20:12:03 | ジャズ

 《 Clifford Brown with Strings  》

クリフォード・ブラウン夭折のトランぺッター。彼が25歳で交通事故死しなければ、帝王マイルス・デイヴィスの現在の存在や位置も違ったものになっていたかも知れない。

 

クリフォードのベストとして、この《ウイズ・ストリングス》を挙げるファンはそう多くは無かろうと思う。何しろ、彼は、モダン・ジャズの最隆盛期1950年代後半を牽引したハード・バッパーであるから。

しかし、ストリングスつまりクラシックの弦楽器との競演盤は彼の偉大さを語って余りある。スロー・バラードを艶のある高音で素直に綺麗に奏でる。これは生半の技量で出来ることではない。しかも誰もが知るポップスを。これもジャズです。

下記のURLは、ともに後藤雅洋氏の手になるものです。本業はジャズ喫茶経営。 クリックでお分かりの通り、その店は四谷駅そば、㈱東弘とは斜の背中合わせの位置です。

『アエラ・ドット』'08.1.10

サライ』'15.9.29

なお、以下は当ブログの過去の1ページです。ご参考に。

 『クリフォード・ブラウン・エマーシー・イヤーズ』

 

 

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クレオパトラの夢 = Jazz For Biginners 8 =

2018-08-01 11:07:50 | ジャズ

  Cleopatra's Dream 》

バド・パウエルの代表曲。この曲名気に入っています。テンポは速いがメロディアスで、日本のバド・ファンが多い理由でしょう。

ジャズ・ファンでなくとも一度や二度聞いたことがあると思います。

オリジナル・ナンバー

 パーソネル

  • バド・パウエル(Bud Powell) – ピアノ
  • ポール・チェンバース(Paul Chambers) – ベース
  • アート・テイラー(Art Taylor) – ドラム

 

 

30年ほど前、TBSテレビが深夜番組『リューズ・バー』を放送していました。ホストは作家の村上龍。起用したオープニング・ナンバーがこの曲。番組としては不評だったようですが、何とか都合をつけては観ていたものです。

近年リリースされる復刻版のジャケットは、残念ながらこれではないのですが、シリーズの『シーン・チェンジズ』vol.1の第1曲が「クレオパトラの夢」。相応しい!!

ちなみに、バックの男の子はバドの子供だそうです。

 

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