原題 MIDNIGHT IN PARIS
制作 スペイン、アメリカ
時間 94分
ウディ・アレンは鼻持ちならないところがあるが、インテリであることは疑いない。当たり外れはあるものの映画をよく知る才人監督である。
この最新作は、パリのオマージュ。実に良くできた大人のファンタジー。ぞくぞくするほどに楽しい。
『船上のピアニスト』のエイドリアン・ブロディのダリ、『エディット・ピアフ』のマリオン・コティアールがピカソのパートナーのアドリアナに、『ミザリー』のキャシーベーツがガートルード・スタイン役と、シネマディクトにはこたえられない。
冒頭のアルト・サックスはシドニー・ベシェー。30年代からニューオリーンズで活躍、人生後半はパリに居を移し、ヨーロッパにジャズを知らしめ、その後のジャズ・ミュージシャンのパリ永住の先駆者となったことで知られる。あの艶のあるサウンドと強引とも言える強烈な節回しは追随を許さない。
彼は確か、「ブルー・ノート」レーベルが第一号に起用したプレイヤー。
シドニー・ベシェー
また、全編に流れているギターはジャンゴ・ラインハルト。あるいは、ジャンゴをなぞった某のプレイ。ここはジャンゴ・ラインハルトでなければならない。彼の曲しかない。そこにぴたりと嵌めてくるウディ・アレン。彼は誰よりも最も自分がこの映画を楽しんでいる。
ジャンゴ・ラインハルト
昔と違って、今は映画のサウンド・トラックのCDというのは、流通していないのかしら。ネットで探したが見つからない。DVDはあるのに。
エンド・ロールのクレジットで、曲名とプレイヤーを確認したが、目が追いつかない。
2745円、DVD買うか。
公式サイト