原 題 LA MIGRIORE OFFERTA
( 米題 THE BEST OFFER )
制 作 国 イタリア
上映時間 131分
監 督 ジュゼッペ・トルナトーレ
『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』のジュゼッペ・トルナトーレ監督作品。
ジェフリー・ラッシュなくしてこの映画は成り立たない。それほどに孤高と名声と自信に満ちた鑑定士は素晴らしい。この俳優についての自身の不明を恥じる。
欲を言えば、依頼人クレアはミス・キャスト。もっとミステリアスな登場のシナリオも出来たはず。
以下は、ジュゼッペ・トルナトーレ監督のインタビューから。
「この作品は死者が出なければ、犯人も刑事もいない。ミステリーとして成立するための条件は足りないのです。でも、私は恋のプロセスはある意味ミステリーだと思うんです。恋のドラマツルギーというものが、ミステリーのように感じられたことから、この作品に結びつきました」
トルナトーレ監督は、「思春期の少年が性に目覚め、異性に対じするときの欲望と相反するフラストレーションのような恐怖に近い感情を、年老いた男に抱かせたらどうだろうか」という点に狙いを定め、美術品と日常的に接する機会を持つ鑑定士へとたどり着いたと言う。
一見の価値ある極上のサスペンス映画である。