3月初旬、日本で一番大きな村の十津川村を訪ねた。
旅行ガイドのネットのキャッチは ”静響の宿 ”と謳っている。採ったルートは新大阪駅からの車。3時間半かかった。奈良の最南部、和歌山・三重の県境。
山間の渓谷とそれに沿った道路は、8年前の集注豪雨の惨禍が未だに癒えず、彼処で修復が行われていた。到着は18時前、エンジンを止めると、いきなり静寂の世界。聞こえるのは裏手を流れる川瀬の音だけ。みる間に闇が濃くなっていった。
入宿の手続きは初老のおじさん、オーナーかな。食事は食事処で。他に泊り客は西欧人カップルと工事関係者らしき一人。
食事は思いのほか豪華。料理長が、一品毎に卓側に来て説明。勿論郷土の食材が誇りを帯びて出される。
4人が一部屋一人。一人分は20畳もありそう。オフ・シーズンにしても随分と贅沢。エアコンに加え石油ストーブの備えも。なるほど夜中に点けたのだった。
部屋の中は、一つ一つが、オールド・ファッション。時代に置いて行かれた物々。
風呂は、廊下の突き当たりの階段をおりる。脇の戸口を出たところには家族風呂もある。
まあ、風情のあること。料理と湯、温泉宿の本筋で二重丸。
翌日が今回の遠出出張の本番。一村を対象の《希望の種子展》の開会式。会場は廃校中学の体育館、村長はじめ村の名士が参列、アット・ホームに進行。
仕事を終えての帰路、谷瀬のつり橋で肝試し。我ら同行4人全員アウトでした。意気地のないこと。
出張での鄙びた温泉宿の泊りは二度目になった。