処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

特別展 仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護

2011-01-31 23:51:02 | 美術・絵

文化財保護法制定60周年記念の同展に出掛けた。

会場は国立博物館の平成館。

    

平山郁夫といえば、「西域」「敦煌」或いは「西安」シリーズなど、大作・名作をものした芸術家として、また日中両国の友好に生涯をかけた大物文化人として我が国の歴史にその名を刻印した。

大作もさることながら、これらの下絵、スケッチ類の水彩の小作品群がとても気に入った。

        

     

          

         絵葉書からの三作品

 

奈良・薬師寺の壁画(襖絵)は、平山らしからぬ濃彩色の巨大な作品。実物大で陳列されていたが、ヒマラヤを描いたものは、当薬師寺では本尊とされて、日夜の拝礼の対象になっているという。これも宗教なのである。

敦煌、バーミヤン、アンコール・ワットは、平山が国内外に積極的に働きかけ、自らもおもむき、保護運動に東奔西走した世界の遺跡である。その甲斐あって修復・復興が進んでいる。芸術家もその世界だけに生きるのではない。芸大の学長にまでなった政治力があればこそである。

        

 

1時間後、観終わって外は黄昏時。17時の閉館は、文化国家といえるかどうか。我が国の予算に占める文化予算は、赤面するほど少ないし。

       

                   

気が付けば、薄暮の中にスカイツリーが顔を見せていた。なるほどこれは側で見上げれば高かろう。そう思わせる堂々たる威容ではあった。

       

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北陸行

2011-01-24 20:20:54 | 出張

一泊の金沢・富山出張。

今年初の寒気の襲来で九州・山陰・新潟・北海道などが大雪に覆われる。雪の影響により新幹線が10分から20分遅延のアナウンスがあり、米原乗り換えを心配したが、結果オーライ。

   

                                                      新幹線から

 

   

                                      北陸本線 ”しらさぎ” から。福井付近

 

宿泊は、ダイワロネットホテル金沢。全国に展開するチェーンだ。初めての利用だが、アメニティが過不足なくまとめられており、使い勝手がいい。朝食つき7300円。

   

 

金沢から富山へは陸路。前夜の久し振りの降雪も、その名残は無く移動はスムーズ。

晴天で富山空港のビルからは立山連邦真白き威容を望むことが出来た

 

   

富山からの羽田への空路。眼下の冬山は、暫し見とれていた。

   

いつもなのだが、残念なのは、着陸態勢に入ってからのランドスケープ。今回、東京上空は厚い雲に覆われていたのだが、その雲を突き破って、彼方に夕陽をバックにした富士山が、周りの茜色の雲海に浮かんでいた光景。撮りたかったなあ。

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紀尾井坂

2011-01-16 23:13:44 | 身辺雑記

畏友が逝いて2ヶ月。現今の長寿国日本にあっては、実に急ぎ過ぎの生涯ではあった。

社会も人も精神も萎み続ける昨今の日本。もうしばらくはその中に身を置いて貰いたかった。そして何を見てどう動いて如何に変えたか、彼のその軌跡を目の当たりにしたかった。

           

七七日を終えて、夫人がお世話になった方々に認めた感謝状に添えられた歌である。

結婚後多忙ゆえ共に過ごす時間が必ずしも多くはなかった二人の、学生時代の至極の場所・紀尾井坂。青春と哀切と慕情を鮮やかに切り取っている。

 

   

     

呑むほどに酔うほどにカラオケより議論。その彼が初めて歌ったのは『黒の舟歌』。

「これ知っている?」 「面白いから読んでみる?」 と渡されたのが分厚い斎藤龍鳳の『なにが粋かよ』。

太宰治の情死をイメージした「武蔵野情話」が収録されたみなみらんぼうの『途上にて』も彼から知った。想い出は尽きない。

息を引きとる直前の未明に、携帯で連絡を取ろうとしたらしいと夫人。結果、果たせなかった。不実を詫びるしかない。一体、彼は何を語ろうとしたのだろうか。

「先に行くから・・・」、「やりたいことは全部やった・・・」、「ちょっと早すぎたかな・・・」果たして。

合掌。

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人生万歳!

2011-01-14 21:35:13 | 映画

原     題 WHATEVER WORKS

製  作 国  アメリカ

上映時間  91分

 

   

ウディ・アレン監督の40作目。ニューヨーク物は7年ぶり。彼のピーク時70年代の『アニー・ホール』や『マンハッタン』を彷彿とさせる軽妙洒脱なロマンティック・コメディだ。

主人公は、ノーベル物理学賞を獲り損なった落ち目の天才物理学者と家出をして田舎から出てきた高校出の若い娘。大きな年齢差を乗り越えての結婚生活。この娘を追ってNYへ出てきた両親の前衛芸術、ゲイの目覚めへの激変と狂騒。

ドタバタの末、登場の皆さんが、落ち着くべきところに落ち着くという実生活ではありえない物語、大人のメルヘンである。

監督は、インタビューで「僕のロマンチックな映画はすべてNYが舞台で、NYという都市を登場人物の一人だと僕は考えているんだ。NYが舞台の映画をあと50本作ることができるよ。NYそのものが想像をかき立てる存在なんだ」と語っている通り、ウディにはニュー・ヨークが良く似合う。

そして、ニュー・ヨークのニュー・ヨークらしさは、ウディが最も引き出せる。

 

オフィシャル・サイト 

 

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新幹線

2011-01-11 22:38:08 | ちょっといい話

先日の朝日新聞「声」の欄に、”新幹線”が特集されていた。

いずれも、市井の生活と文化と歴史が投影された胸打つ小エッセイ特集となっている。

         

 ◎学校創立以来の全国大会出場で、ご褒美に教え子と初めて新幹

  線に乗って、車窓の富士山に歓声を上げた教師(77歳)

◎16歳、東海道新幹線開業初日に、蒸気機関車で始発の新大阪に行

  き、”39・10・1”の”001”番の入場券をラッキーにも入手した会社員

  (62歳)

◎静岡に住むおばあちゃんの家にいく度に利用して、”京都の八橋”

 ”名古屋のういろう” ”静岡の安倍川もち、お茶”など各地の名産を覚

  えた主婦(37歳)

◎小学6年生の修学旅行で、クラスメートと車両の自動扉が「閉まらん、

  閉まらん」と興 じた主婦(52歳)

◎ 明石海峡を渡る中学の修学旅行で、新幹線に乗ることになり、出発

  前に、校庭に白線で描かれたホームや新幹線の座席の図で何度も

  乗り降りを練習した主婦(46歳)

◎次女の結婚式を終え、帰路乗った新幹線の中で読んだ次女からの手

  紙。妻と二人で涙しながら読んだという 父(67歳)

◎脳内出血で倒れた母を見舞に月2,3回、5年に渡り通った主婦(77

  歳)

 

         

開業からやがて50年、日本の文化と歴史となった新幹線。今やそのシステムを世界に売り込めと大いなる大合唱が巻き起こっている。大いに稼いで貰いたい。そして国々の新しい文化となってくれたら嬉しいのだが。

   

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大七 純米 生もと

2011-01-03 00:19:47 | 

2011年新春お正月の我が家のお酒は《大七純米生もと》

    

デパートの年2回のワインの頒布会で、掘り出し物を教えてくれる酒類コーナーのお姉さんが、わざわざ確保しておいてくれた福島県二本松市の蔵元の酒。

「熱燗でもいけるし、とにかく一遍呑んでみて」と薦められた。燗する前に冷やでひと口、そのままドンドンいってしまった。とろみが何とも言えない。仄かな香りが後を引く。得難い酔い心地。

一体如何なるものかと、ネットで探ってみたところ、日経新聞の土曜版NIKKEIプラス1『何でもランキング』で、“おせち料理によく合ってお燗にすると美味しい日本酒”の第一位。二位以下に2倍以上の点差をつけてに選ばれていた。審査員は「しっかりした味わいとコク」、「サーモンのハラスなど脂ののった食べ物に合う」と評していた。大七酒造も大したものでした。 無知を反省。

こいつは春から縁起がいいわい。

 

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