著者 北大路 公子
発行 実業之日本社文庫
2014年から3年間にわたる流行りモノのについてのエッセイ集。
この著者にこのテーマで原稿依頼をする編集部の、カケとセンスとコンタンに心からリスペクトを白状する。そしてそれに合っていようがいなかろうが、一生懸命応えてマイペースで書き綴った著者に尊崇の念を抱かずにはおられない。
この作者の著作を読んだのは、これが二冊目。一体全体如何なる作家か? 何か知る手立てはないか? ん? たしか自前のブログが評判になって出版界に引っ張りだされたのではなかったか?
で、ブログを探してみたら、有った。居た。そのタイトルは《趣味は読書ですーひたすら読んだ本たちの記録ー》。つぶさに追う。やっぱりそうか。ただものではなかった。
本書に『走れハロウィン』と題する一章がある。その展開と目配りと表現は、あの太宰の『走れメロス』を模している。というかチャレンジしている感がある。著者は芥川も漱石も春樹も、もっと遡って式部もみんな掌にしているのだ。あの余裕に満ちた生活ぶりと筆致は、ここに由来があったのか。
今日から早速、《趣味は読書ですーひたすら読んだ本たちの記録ー》を【お気に入り】に加えよう。