のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

働くということ

2010年09月18日 23時42分29秒 | 日常生活
久々の結婚式出席。
本日の主役は大学時代の友人。
というわけで、結婚式に出席していた大学時代の友人や教授と
実に10年ぶりの再会を果たしました。

本日の主役、新婦と私は大学時代のゼミが同じだったため
再会できた教授は、私にとっても1年間お世話になったなつかしの恩師です。
当時から学者肌だった教授は、とってもピュアで研究一筋。
それだけにやはりちょっぴり(?)変わり者、突っ込みどころ満載。
熱中しだすと周りが見えなくなるし、興味の赴くままに話を広げていく
というまさに「ザ・研究者」で、ゼミ志望者は私と新婦のみ。
たった2名のゼミ生ということもあって、懇切丁寧なゼミ指導を受けました。

10年ぶりに再会したというのに、教授はまったくお変わりなく
むしろ昔よりも勢い、および研究に対する情熱が増加気味。
月日を感じさせない勢いで研究対象の「石井十次」について
熱く語ってくださいました。その姿が幸せそうで幸せそうで幸せそうで。
2004年には関西学院大学大学院に再入学。
県立大学学科長と関西学院大学の学生という二束の草鞋を履いた話を
楽しそうににこにこしながら話してくださいました。
「3年間が幸せでたまらんかった。
 いろんな人と会えたし、研究の面白さをまた実感したんだよ。
 やっぱり学問は面白いわ!」
と唾飛ばす勢いで話される教授の姿に、
生涯の仕事に出会えた方の幸福を実感しました。
お話を伺っているだけで、私までにこにこしちゃいました。

「学会とかたまには来ればいいよ。今年は県立大であるんだよ。」
とお誘いを受けたので
「でも、ワタクシ、先生にあんなにお世話になっておきながら
 まったく違う業種の仕事についてしまいましたから。。。」
と遠慮したところ、
「いいんだよ!学問は仕事のためだけにするんじゃないんだから。」
と力強くおっしゃってくださいました。

学問は仕事のためだけにするんじゃない。

かっこいい。
そうなんだけど。・・・そうなんだけど!
仕事と直結する学問を提供している大学において
そして、就職率の高さが大学の志望者数と簡単に結びつく昨今の流れにあって
その言葉を軽々と口にできるのはものすごくかっこイイ。
それでこそ、恩師だなぁ、と思いました。

帰り道。大学時代の友人がしみじみと言いました。
「学生時代はわからんかったけど、あの教授は偉大やね。
 あんなに好きなことに没頭し続けられるって
 あんなにも研究対象に継続して興味を持ち続けられるって
 すごいことだよね。そのすごさは社会人を経験したからこそ
 分かるんだろうね。」

うん。納得。納得。
本当に本当に幸せそうな教授の姿に心がほっこりいたしました。
これを機に、恩師と連絡が取り合えたら嬉しいな。
恩師の研究をほんの少し追いかけられたら嬉しいな。と思いました。

もっとも、うっかり
「未だに児童福祉に興味はあるんですよ。文献はたまに読んでいます。」
と教授にお伝えしたところ、
「じゃあ、明日から働くといいよ。今から電話しよっか?
 確か東北の○○園で人探してたよ?」
と携帯電話を取り出されてしまいました。

えっと。。。明日からっつーのはちょっと。
覚悟も準備もまったく整っていません。

ハナミズキ/2010年日本

2010年09月18日 01時10分38秒 | 映画鑑賞
24.ハナミズキ/2010年日本
□監督:土井裕泰
□脚本:吉田紀子
□主題歌:一青窈 『ハナミズキ』
□出演
  新垣結衣、生田斗真、向井理、蓮佛美沙子、小柳友
  徳永えり、金井勇太、ARATA、木村祐一、松重豊、薬師丸ひろ子

□ストーリ
 夢のため、東京の大学受験を目指す紗枝と、漁師の家業を継ぐ予定の
 康平は奇妙な縁から出会い、お互い想い合うようになる。東京に上京した
 紗枝と釧路に残った康平は遠距離恋愛を始めるも、すれ違いから別れを選ぶ。
 それぞれの道を進むふたりは再び出会い・・・。
 ハナミズキが導く10年に渡る愛の行方。

□感想 ☆☆☆
 見終わった後、うーん・・・とうなりました。
 ガッキーは本当にかわいらしい!見ているだけでとっても幸せになります。
 とーまくんも実に男らしくてかっこいい。かっこよさだけでなく、彼の表情や
 カツゼツのよい台詞回しなど、演技そのものが大好きです。
 ふたりを見ているだけで幸せな気持ちになれた2時間でした。
 それなのに、ふたりの恋愛に感情移入することができなかった2時間でも
 ありました。ふたりの10年に共感できず、見終わった後に釈然としない
 気持ちが残ってしまいました。

 10年もの長い間、離れたところで思い会うふたりの姿には心から共感。
 どんなにあきらめなければいけないと分かっていても、あきらめられない
 思いはきっとあると思う。理性ではどうにもならない思いがあると思う。
 そして、どんなに思いあっていても、なぜかうまくいかない縁もあると思う。
 お互いに好き、それだけで全部うまくいく。そう信じられるのは学生時代だけで
 大人になればなるほど、周囲の人の思い、環境に自分の思いまでもが影響を
 受けてしまう。
 なにより、自分にとって大切なものが「恋愛」だけではなくなってしまう。
 好きな人のほかにも大切な人、大切なものが少しずつ増えて、そういった人や
 自分の未来と恋愛を共存させたいと願ってしまう。
 だから「好き」だけではうまくいかなかった二人の恋愛には共感できた。

 もちろん、「それでも貫き通せるだけの思いがあるっしょ」という
 ヒロインの母親の言葉も正しいと思うし、そうありたいと願っている。
 環境に、周囲の人たちの思いに、そしてふたりの距離に、気持ちが
 負けてしまったのは、ふたりの思いがその程度でしかなかったという
 ことなのだ。彼らにはそれだけの覚悟がなかった。だから一度は別れを選んだ。

 ただ、別れで弱っているときに、周囲の人、自分に優しくしてくれる人、
 自分に思いを寄せてくれている誰かを巻き込んではいけないと思う。
 私の抱いた釈然としない思いは、その時点での主人公とヒロインの選択に
 よるものだ。
 別れた後、単身ニューヨークへ渡り、仕事を見つけたヒロインは、
 そこで過去を忘れるため、がむしゃらに働く。その過程で彼女は大学の
 先輩と再会し、彼と少しずつ心を通わせていく。
 一方、主人公はヒロインとの別れに思いを残したまま、自暴自棄になって
 いるとき、自分に思いを寄せてくれる幼馴染に甘え、心を寄り添わせる
 ようになる。
 別れた後、ひとりで一から始めたヒロインと、彼女との別れに心の整理を
 つけられないまま、自分を甘やかしてくれる存在に出会ってしまった主人公。
 この違いがふたりの違いであり、その違いによって、私はヒロインには
 温かい目を注げたのに、主人公には苛立ちを覚えてしまったのだと思う。
 友人の結婚式で再会を果たしたふたりは、今までのことを懐かしみ、
 お互いのこれからについて幸せを願いあう。お互いにとって、大切な存在。
 でも、ふたりにはもう新しい生活があり、その新しい生活の中には
 新たに出会った大切な人が存在する。抑えられない思いはあるけれど
 それらのことを理解し、束の間の再会を終える二人。
 1度目の別れをひとりで乗り越えたヒロインは何もなければ、きっと大学の
 先輩と幸せな未来を歩むことができたと思う。主人公との日々を
 「懐かしい思い出」にできたと思う。
 一方、主人公は彼女との再会によって、今、大切にしなければいけない
 はずの妻に大きな不安を与えてしまう。その不安によって、ふたりの間に
 深い溝が生じ、別れが訪れる。
 この違いになんだかなー、と思ってしまったのだ。絶対に忘れられない
 大切な人のため、悪気なく周囲の人を傷つけてしまう主人公に。
 それでも、周囲の人に甘えずにはいられなかった彼は「いい人」だからこそ、
 一番性質が悪いと思うのだ。

 というわけで、なんだか無理やりなハッピーエンドだなぁ、と思いましたが
 あくまでもフィクションにはハッピーエンドを求める私にとっては非常に
 嬉しいラストでした。
 ただね。ヒロインの幸せを願いすぎたあまり、とーまくんよりも、
 向井さんのほうがよかったんじゃないかなーと思ったのよ。
 彼とのほうが穏やかに未来を築けただろうなぁと思うのよ。
 このヒロインの選択に対するもやもやに覚えがありました。
 なんだっけ?と考えて、あ、「恋空」を見たときとまったく同じ感想だー、
 と思っておりましたが。
 公式サイトに「『恋空』と『涙そうそう』のスタッフが贈るこの夏No.1
 泣けるラブストーリー」と書かれていました。
 なるほどね。うん。ようやく心から納得しました。
 私、このスタッフ陣と「譲れないもの」「恋愛に求めるもの」がことごとく
 違うんだと思うのです。

 それにしても、薬師丸さん!私、彼女の演技が大好きです。
 彼女の演技は特に笑顔が象徴的。彼女の笑顔は悲しみや怒り、悩み、その他
 いろんな感情が飲み込まれたうえであのあたたかさを放っているのだと思う。
 過去のいろんなことをすべて乗り越え、飲み込んできた、その人間的な
 大きさがあの笑顔ににじみ出ている気がしてなりません。
 そして、主人公の友人を演じた小柳友さん。
 彼の演じた役がこの作品の中でもっとも「君と君の好きな人が100年先も
 幸せであるように」と願いに基づいた行動だったと思うよ。
 最初から最後まで自分の幸せより先に、自分の好きな人の幸せがあって
 彼の行動に泣けました。