のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

秋の風物詩と包丁と母上の睡魔と幸せについて

2010年09月28日 21時26分29秒 | 日常生活
高校時代の友人とご飯を食べて帰宅したところ、
我が家の居間で母上が包丁を手に持って食卓につっぷしていました。

・・・光景がシュールすぎる。
というか、完全にホラー映画だよ。
こういう場面、「ミザリー」にありそうですよ。

と、思いつつ、食卓に散乱している膨大な量の栗の皮と
まだ渋皮がついたままの栗の実を確認。
そうです。栗の季節です。
毎度、おなじみ秋の風物詩です。
美味しいのに面倒。面倒だけど美味しい。
美味しいんだけどやっぱり面倒!

・・・うん。面倒。
栗の実は大量にあるし、その大部分にまだ渋皮ついてるけど。
でもって、母上は机につっぷしてるし、完全に意識ないけど。
でも、見なかったことにしようかな。
気付かなかったことにして寝ちゃおうかな。
だって、もう23時だし。
アタシの肌は今年、絶不調だし。絶不調の肌に夜更かしは鬼門だし。

と、ほんの一瞬、逡巡した後、目にした光景をすっぱり忘れることにし
まずは顔を洗うために洗面台へ向かいました。
化粧を落としてさっぱりし、寝るための準備をなんやかんやしていると
母上の意識がこちらの世界に戻ってきた模様。

「いつ帰ってきたん?
 ちょうどよかった。これだけむいてしまわんと寝れんのよ。手伝って。」

ち。作戦失敗。
散乱している栗なんて見なかったことにする予定だったのに。
すぐに睡眠に入る予定だったのに。
でもまあ、録画していた番組を楽しみながらすればいいか。
あとは渋皮むくだけだし、ほんの少しだよね。

と、包丁を手に取った5分後。
母上が「やっぱりもうだめー。ほんの少し寝かせてー。」
と床に崩れ落ちました。
・・・ほんの少しも何も、アナタ、さっきも机の上につっぷしてましたよ。
あれは完全に眠りに落ちてましたよ。

でも、まあ、お疲れだもの。
しょうがないよね。
聞けば、夕方16時から延々と栗さんと向き合ってたんだとか。
そりゃ疲れるわねぇ。
と珍しく母上にほろりと同情してしまったのが運の尽きでした。
テレビ見ながらすればいいやー、と軽く考えたのも運の尽きでした。
録画していた2時間スペシャルの番組を余裕で見終えてしまいましたとも。

栗のやつめー!
なんでこんなに手間暇かかるかー!
あんた、これでほくほくの栗ご飯にならんかったら承知せんけんねー!

夜中の変なテンションでぶつぶつ栗に文句たれながら
栗の皮をむき終えました。栗ご飯の準備をし終えました。
でもって今朝。
美味しいほくほくの栗ご飯が炊きあがりました。
あまーいっ!おいしいーっ!!ほくほくーっ!
さすが秋の味覚ー!

昨晩は散々ぶうたれてしまったけれど、やっぱり栗ご飯は美味しいのです。
秋の味覚の中でも最強だと思うのです。
松茸なんて目じゃないやい。
ただねー、も少し扱いやすい子だったらもっともっとかわいいのにねぇ、
と金色に輝く栗さんの姿をうっとり確認した秋の朝。

そういえば、昨年も散々、栗さんに苦しめられたっけ
・・・というよりも。
昨年も母上は包丁を抱えて眠り込んだのね。
去年も今年も季節の風物詩に無事巡り会え、
同じような反応を示しつつ、例年通り美味しいものを口にできている。
恵まれた人生を送っているのねー、としみじみしました。

それにしても栗ご飯さんてば美味しい。
結局のところ、アタシはこの子達のことが大好きなのです。
今年、も一回ぐらいだったら栗さんと再会しても冷静に対処できるなぁ。
むしろも一回ぐらいは栗さんと再会を果たしたいなー。
秋の味覚バンザイ!