太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

誘惑の日本語

2012-10-03 13:09:15 | 英語とか日本語の話
日本語はスバラシイと思う。

日本語がスバラシイのは、私が何の苦もなく操れるからというのもあるが(あるのか・・・)

言葉ひとつが持つ意味や、そこから想像されるものがやたらとたっぷりあるからだと思う。



というのも、

展覧会に出品する作品のタイトルを考えていたとき、夫が「日本語でタイトルつけて、それを訳した英語を横に書くのはどう?」

と提案した。

私は何もそんなめんどくさいことしなくても、と言ったのだが、夫の言い分はこうだ。



「たとえば『桜』というタイトルを、英語でチェリーブラッサムとだけ書いたら、ただの花じゃん。

だけど日本人にとって『桜』というのは、ただの花ではなくて、花見の楽しさ、散るのを惜しむ気持ち、夜に見る桜とか、

いろーんな意味や気持ちがあるわけじゃん。だから日本語はスバラシイんだよ」



おぉー。たまにはいいこと言うじゃないか。


そういわれてみれば、そうかもしれない。

ガイジンの夫に言われて気づいたわけじゃないけど。



日本はもう秋になったそうな。

秋になると、誘惑の日本語が世間に満ちてくるんだよなあ。


チーズがとろ~り


栗がまるごと


ほっかほか


ふっくら


とろける


ふわとろ



なんだ全部食べ物じゃないか、というのはおいといて。



秋風が、コートの襟元をおさえるぐらいに冷えてきた夕暮れ、灯りがつきはじめた街の中で、こんなコピーを見かけたら、

私は引き寄せられるように店に入りたくなる。

こういうタイプの単語は、英語にはない。

温かいとほっかほかは違うし、溶けるととろけるも違う。



英語だとひとことで表現できることも、ピッタリくる日本語がないという単語もあるんだけれど、

どうも軍配はコッチだ。




そんなことを考えだしたら、作品のタイトルどころじゃなくなってしまった。

栗がまるごと入った蒸し羊羹とか、マロンパイ、ほっかほかの中華まんや、焼き芋が食べたーーーーい。








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