バターは内か外か

バターは当然、冷蔵庫の中に入れておくものだと思っていたが、

それは私が日本人だからで、日本の外に出てみれば当然でもなんでもなかった。




夫の両親の家のキッチンにあるバター。




冷蔵庫に入れ忘れたのだと思い、私が冷蔵庫に入れると、いつのまにか外に出ている。

そんなことを繰り返したあと、シュートメが言った。

「冷蔵庫に入れてくれてありがとう。でもバターは出しておいていいのヨ」

へー！そうだったのか！！と思ったのが４年前。

私はよその家にお邪魔するたびに、バターがどこにあるかをチェックするようになった（変人）。

アメリカ人の家庭は、１００％外に出してある。

日本人の家庭は、１００％冷蔵庫にある。

主婦が日本人の場合も、同じで冷蔵庫。


確かに、バターを外に置いておけば、トーストにバターを塗りやすい。

それに、室温だとバターの味がいいような気もする。



でもこんな、密閉されていないバター入れ。

虫とか大丈夫なのかと思うけど、こっちで売っているバター入れはたいていこんなふう。

これを、夜中も出したまま。

せせらぎ（注・ゴのつく虫をせせらぎと呼んでいる）が夜中に押し寄せているんじゃないかと私は恐れる。



友人のジュディスに聞いたら、イギリスでもバターは外で、

カナダに住んでいた時も外に出していたと言った。

「でもなんでバターを冷蔵庫に入れるの？パンを食べないから？」

と聞かれてしまった。

日本の夏は暑すぎて、バターを外に出しておいたらドロドロになるか、すぐに傷むのかも。

日本人だってパンは食べるけど、固いバターをナイフの背でパンに押し付けながら塗る。

あるいは、もうすぐ焼けるパンの上にバターを乗せ、トースターの熱で溶かす。

丁寧な人は、パンを食べる１時間前に、塗る分だけ外に出すかもしれない。



ちなみにうちのバターは　冷凍庫　である。

普段はパンを食べないし、バターを使うことは滅多にない。

バターひとつとっても、文化があるもんだ。














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