初めてパソコンを持ったのは、三十代だった。
今ほど、どの家にもあるというものではなかった。
デスクトップの分厚いコンピューターで、Wi-Fiはあったのかもしれないが、家庭にはまだ普及していなかった。
電源を入れて、知りたいことを検索すれば、なんだってその場で知ることができる。
相手の都合を気にせず、Eメールで連絡を取り合うことができる。
なんと便利なものができたのだろうと思った。
それまでは、わからないことは辞書を引くとか、図書館で本を探すしかなかった。
知りたいことは、相手先に電話をするしかなかった。
それしかないから、とくに不便だとは思ったこともなかった。
数年後、携帯電話が普及し始めて、あれよというまにスマートフォンになり、
家のコンピューターの前に行かなくとも、出先でなんでも済ませることができる。
あの俳優の名前、なんだっけ?
その店、何時にオープン?
今、あの人に連絡してみよう
Calculatorの発音はどうだったっけ?
なんだってその場で知ることができる。
英語のスペルがあいまいな時は、アレクサさんに聞けば一発だ。
なんでこんな話かというと、
美味しいパウンドケーキが食べたいなあと思ったのだ。
こういうシンプルなのね
何年かぶりに自作なんかしたりしちゃってみる?
うっかりそんなことを思ってしまい、冷蔵庫をあけてみた。
小麦粉、卵、バター、砂糖はある。ミルクは義両親の家からもらってくるとして
膨らし粉(ベーキングパウダーというのね)がない。
ベーキングソーダ(重曹)なら、ある。
重曹と膨らし粉と何が違う?
確か何年も前に調べたような気がしたけど、すっかり忘れている。
で、調べてみた。
ベーキングパウダーは、炭酸水素ナトリウム99%以上
重曹は 第一リン酸カルシウム 42%
炭酸水素ナトリウム 32%
コーンスターチ 26%
ベーキングパウダーを、重曹の代用にするには、3分の2の分量にする。
重曹をベーキングパウダーの代用にするには、2分の3の分量にする。
ちなみに、重曹を使うと、色が濃くなり、多少の苦みがでるらしい。
なるほど!!!
しっとりふっくらにするにはベーキングパウダーのほうがいいのか。
じゃ、それは買ってこないとなあ。
あー、でも今日は仕事の日だし。
思いついたのが昨日とかおとといだったら時間たっぷりあったのになあ。
結局、調べてナルホドと思っただけで終了。
絶賛増量中でもあるし、(その辺の記事はコチラ)
思っただけで実行はしない自信がある。
まあ、恐ろしいもの(どんどん口の中が砂漠になってゆく、恐怖のオカラケーキとか)を
いくつも作った過去があるので、その方が賢明なのではある。