太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

シンガポールのマニラ

2023-08-03 13:14:22 | 日記
作家の内田百閒。
最近、氏の随筆を読んだのだが、私は正真正銘、目からウロコが落ちた。
私は今の今までずっと、

内田百聞(うちだひゃくぶん)

と読んでいた。
ところが、巻末の著者名のところを何気なく見たら、内田百閒(ひゃっけん)が正しかった。
百聞は一見に如かずの百聞ではなく、門構えの中に「月」が入るのだった。

歌の歌詞にしても、人の名前にしても、勝手に思い込んで理解したつもりでいることはよくある。
が、私の場合、人よりそれが多いような気がする。
それに、思い込む以前の、普通は知っているはずのことを知らないということも多い。
成人したあとで、梅干しは梅の実が熟して梅干しになる、と言い放ち、それを聞いた時の母の顔といったら、目の前に宇宙人が立っているかのようで、

「お願いだから、よそで思ったことをそのまま口にしないでくれる?」

と懇願された。

シンガポールのマニラ、と言って、夫を凍り付かせたこともあるし、
佐渡島は無人島だと言って、新潟県民を敵に回したこともあった。
私のいった学校の同窓生のために言っておくが、一応名前の通った進学校を落第もせずに卒業している。

興味のあること以外はどうしても頭に残らない。
そして、興味のあることの範囲が狭いときている。
もう半世紀以上も生きてしまった今、今さらどうにかしようとも思わないし、無理だと思う。

余談だが、昔の作家の作品を読んでいると、読めない漢字がけっこうある。
画数が多すぎて、虫眼鏡で見ないとわからないような字も多い。仕方がないから、前後の内容から想像して勝手に読んでいる。
知らないまま人生を終えてしまう漢字は、いったいどのぐらいあるのだろう。
私の場合、漢字だけじゃなく、一般教養も多くを知らないままなのかと思うと、大変残念である。