朝、起きた時に身体が痛い、と夫が言い出したのは今年に入ってからだ。
5年前、目に見える大きなダニがベッドマットや枕に発生し、マットレスを捨てて買い直した。
祝日セールを狙って、ホノルルのベッドマットの店に行き、いくつも試した中で、その店で1番固いマットを購入した。
そのお値段、約4000ドル(55万円ぐらい)。しかもセールで。
ベッド本体じゃなく、マットだけ。
ローテーションしながら使えば最低10年はもちますよ、と店員は言ったけれど、あれから5年しかたってないじゃないか。
実は私はマットが柔らかくなったことをまったく感じない。
私は昔から体の凝りとか張りを感じないタイプで、マッサージに行くと決まって
「机を押しているみたいだ」
とか
「こんな指が入らない背中は見たことがない。内臓は大丈夫ですか」
などと言われてきた。
そんなことを言われても、わからないのだから仕方がない。
私の肉体は相当我慢強くできているようなのだ。
だから、私は別に今のマットでも構わないのだが、夫がしつこく言うので買いかえることにした。
最近、我が村にもベッドマットの専門店ができ、そこに行った。
9月にある祝日のセールが始まっているので、それ狙いだ。
ショールームに並ぶ、たくさんのベッド。
「この店で1番固いのはどれ?」
単刀直入に聞き、2つに絞って横たわってみる。
「どう?」
夫が私に聞く。
「うん、いいネ」
夫が店員と話している間に、私は他のベッドにも寝てみたが、何が違うかよくわからない。
柔らかいかと言われれば、そうみたいだし、固いかと言われたら、そうかもしれない。
私に聞かずに自分が気に入ったのを買ってくれ、と思う。
5分ほどで、夫が決めた。
恐る恐る値段を聞いてみた。4000ドル以下であるように祈る。
「1500ドルちょっとになりますねー」
え?安い!
安くないのかもしれないけど、4000ドルに比べたら激安。
いいじゃんいいじゃん、これなら2つ買えるじゃん。(いらないけど)
マットを保護するカバーは、今使っているものがサイズが微妙に合わないこともあるかもしれないが、なんとか押し込んでみよう、と話していたのだが、
「保護カバーも、どうせならいいやつを買おう」
つい調子に乗って、私はそんなことまで言う。
来週、新しいマットが届く。
10年もつのか。