太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

シニアディスカウントの醍醐味

2023-08-08 07:41:59 | 日記
火曜日をシニアディスカウントの日にしている店がいくつかあって、隔週に1度、火曜が休みのスケジュールになったとき、私は喜んだ。
シニアの基準は、60歳の店もあるが、ハワイはだいたい55歳からだ。
ワイケレのアウトレットも、火曜日に55歳からシニアディスカウントがあるが、遠いし、ブランドものには興味がないので、私はもっぱらROSSに行く。

ROSSはもとから手頃価格で、それから10%(いや、5%だったか)安くしてもらうのは気が引ける気はするのだが、ディスカウントが私の目的ではないのだ。

この前の火曜日。
火曜日は村中のジジババが行くので、店が混む。なので早めに行く。
レジで会計するときに、

「シニアディスカウントにしてくれる?」

と言うとレジ担当の女性が、

「えー!まさか!ほんとに?いや、全然みえない。だから聞かなかったの」

と言う。
これこれ、これが聞きたかった。

「だって私、もうすぐ60になるよ」

得意になって言うと、

「そんなぁ!私、先週53になったけど、私のほうが年寄りに見えるわ・・」

ああもう、なんていい人なんだ。

「なんならID見ます?」

さらにつけあがった私は、そんなことも言う。

「いえいえ、IDは見せなくってもいいのよ。あー、でも驚いた」

たとえそれが営業の一環だとしても、だ。
いつだったか、レジ担当が20代の女性で、同僚とペチャクチャおしゃべりしながらレジを打ち(アメリカでは珍しくもないが)
「シニアディスカウントで」
と私が言っても返事もなく、聞いているんだかいないんだかわからなかったので、
「シニアディスカウント」
ともう1度言ったら、
「もう(ディスカウントを)してあるよ」
と、レシートを差し出した。
目的を果たせなかった私は、とても腹立たしくなった。


教訓。
シニアディスカウントのレジ担当は、同年代に限る。


その話を友人にしたら、

「アンタそんなことで喜んでんのー」

と笑われた。
そんなこととはなんだ、そんなこととは。
年をとると、髪は染めねばならぬし、指がしびれたりもするし、あちこち垂れてくるし、全体に締まりがなくなるわで、いいことなんかあまりない。
このぐらいのいいことがあったって、バチは当たらんだろうが。

「そうやねえ。ま、それが通用するのは日本以外だからだし、年々老けていくわけだから、ここ数年ってとこやね」

友人とは、言いにくいことも言って現実に向き合わせてくれるもの。
確かにその通りで、ぐうの音も出ない。
それでもいいのさ、姑息と言われようと笑われようとも、こんなことで加齢の鬱憤の留飲を下げられるなら、かわいいもんじゃないか。
60になれば、ドン・キホーテでシニアディスカウントが受けられる。
今から楽しみである。