太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ジーンズがお蔵入り

2023-08-19 07:11:51 | 日記
以前と同じものを食べて、同じように体を動かしているのに、贅肉が下半身に溜まってゆく。
50代半ばぐらいまでは、下腹部は平らだった。
それが、まるで別の生き物のように下腹に脂肪が集まり、さわるとひんやりしていて不気味だ。
体重も、ちょっと前までは、ほんの少し気をつければスルっと元の体重に戻ったのが、今はテコでも動かない。
顔も上半身も変わらないので、それほど太ったようには見えないのがいいんだか、悪いんだか。


私の身体、いったいどうしちゃったんだろう。(年とったんだよ・・・)

仕事でよく動いていてこれだから、仕事を辞めて家にいるようになったらブクブクと肥えていくような気がする。


今日、外出するのに、久々にジーンズを履いてみた。
それは10年前のものに、大人用では私のサイズがみつからずに、ジュニアのセクションで買ったクロップドパンツ丈。
最近履いてなかったのは、贅肉がついているのがわかっていたから、履いてそれを確認するのが怖かったのだ。

案の定、太もものあたりで「ん!」となり、ボタンをしめるときに「んん!」となったが、なんとか押し込んだ。
今日、着ていきたいシャツにはこれが1番合うので、無理して履いて出かけた。
運転していると、血流が止まるんじゃないかと不安になる。
くしゃみでもしたら、ボタンが飛ぶかもしれない。
用事を済ませ、帰宅してそれを脱いだら、下半身の血液がいきなり巡ったような開放感。

引き出しの中に、これを買った時のサイズのジーンズが何本もある。
どれもお気に入りだが、履けない服を後生大事にとっておいてもしょうがない。

でも、もしまた痩せたら?

と、かすかな期待があって、処分できずにいる。


「あたしらの年齢で下半身が痩せるときには、上半身は骨皮で首なんかスジスジで、腕の血管はぼこぼこに浮き出てるんじゃない?」

ホラーのようなことを言って脅すのは同い年の友人。
むろん反論などできようもない。

過去の栄光にすがり、着れなくなったものを無理して着て、窮屈な思いをするよりも、今の自分に合ったものを気分よく着るほうがいいとは思っても、

でも、また痩せるかもしれないし・・

と、そこに戻ってしまう。
大昔、まだ二十代だった頃、デパート内のブティックで働いていた友人から聞いた「9号のオンナ」の話を思い出す。
その人は常連のお客さまなのだが、ちょっとふくよかなのに9号サイズの服しか買わない。
腕回りとかぴちっとしてしまうので、上手に11号の服を勧めるも、
「でも私、9号だから」
の一言で却下。
「小さいサイズを無理して着るより、自分に合ったサイズを着るほうが痩せてみえるんだけどなぁ」
と友人は言っていた。


ああそれなのに、結局履けないジーンズが詰まった引き出しをそっと閉めた。
お蔵入りしたジーンズたちの運命や、いかに。