つれづれなるままに心痛むあれこれ

知る事は幸福度を高める

日本テレビ番組でアイヌ民族差別発言:学びが根付かず継承されない体制の改革こそ必要

2021-04-10 17:50:09 | アイヌ問題

 2021年3月12日、日本テレビは同局系の情報番組「スッキリ」において、アイヌ民族に対する差別発言を放送した事により、お詫びした。問題の差別発言はどのようにして発せられたのかというと、アイヌ女性のドキュメンタリー「Future is MINE ーアイヌ、私の声」の紹介後、お笑い芸人である脳みそ夫氏が「この作品とかけまして動物を見つけた時と解く。その心は、あ、犬」と謎かけをしたという事である。これは間違いなくアイヌ民族を「差別」する発言となっているといえる

 北海道大学アイヌ・先住民研究センターの北原モコットゥナㇱ准教授が言われるように、昔からある差別発言と同じで、民族名に「」という言葉をかけて侮辱するものと見做す事ができるからである。

 今回の件にそっくりな事件として1986年には、東京都新宿区市谷砂土原町の「さ・え・ら書房」が同年4月に出版した教育漫画「社会科まんが・日本のんびり旅行1(北海道・東北地方)」に、アイヌ民族を犬扱いした差別記事を載せていたため、北海道ウタリ協会理事の小川隆吉会長が札幌法務局に人権侵犯事案として申し立て問題となった事があるのである。問題となった記述は、男の子が犬に石を投げ、犬に当たったところ「あっイヌだ!あイヌ アイヌ……そうだ!アイヌコタンへいこう」というものであった。

 日本テレビには番組制作体制放送前チェック体制に問題が存在しているようだ。人件費など経営体質とも絡んだ構造的な欠陥が背景に存在して起きた問題といって良い。この事が改革されない限り、再び同じような事が起きるだろう。

(2021年3月13日投稿)

  


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新型コロナ・ワクチン(アス... | トップ | はじまりを歩く(朝日新聞be... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アイヌ問題」カテゴリの最新記事