新型コロナ・ワクチンの接種が始まったようだが、果たしてそのワクチンには問題や危険がないと言って良いのだろうか?2021年3月「よつばつうしん」119号の「視点 論点」に掲載された天笠啓祐氏の『新型コロナ・ワクチンで知っておくべき事』が指摘している事柄について以下に紹介しよう。
まず、今回接種が進められているワクチンは、これまでのワクチンとはまったく異なる働きをする、誰も接種した経験がないタイプである。従来のワクチンは、ワクチンそのものを製造し接種してきた。しかし今回のワクチンは、遺伝子を身体に入れて、細胞の中でワクチンの基本である抗原(ウイルスの一部)を作らせ、抗体を誘発するものである。これは人間の細胞で遺伝子組み換えを行う事であり、人間の遺伝子組み換えに当たるものである。
新型バイオ・ワクチンには現在、➀DNAワクチン、②mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン、③ウイルスベクター・ワクチンの3種類あり、細胞内で抗原を作らせ、抗体を誘発する事で効果を発揮しようとする点では共通しているという。そして、菅自公政府が購入を契約しているワクチンは、米国のファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチン、英国のアストラゼネカ社のウイルスベクター・ワクチンの3種類である。
接種開始とともに懸念される事は、高齢者や福祉関係施設の関係者、基礎疾患を持つ人などに対し、強制される懸念である。政府は無料での接種を推進し、副反応被害に対して企業責任を免責し、政府が責任を負うとしているが、「因果関係がはっきりしない」などの口実で補償がなされない可能性がある。その前例となる事がHPV(子宮頸がん)ワクチンの被害者への対応で起きている。
新型バイオ・ワクチンの問題点については、開発が優先され、安全性が軽視されている事。これまでワクチン開発は、基礎的研究、動物実験、臨床試験が積み上げられ、有効性と安全性の確認がなされてきており、最低でも10年近くかかる。今回は基礎研究、動物実験、臨床試験が同時並行で行われ、1年にも満たない期間で実用化に至っている。
また、運び屋に用いるウイルスについての問題。ウイルスベクター・ワクチンの場合、ウイルスを用いて遺伝子を体内に入れるが、アストラゼネカ社のワクチンでは、チンパンジー・アデノウイルスを用いている。弱毒化したウイルスを用いるとしても、その毒性が復活する可能性がある。
相次いで効果が報告されているが、いずれも開発メーカーによる試験であり、そのい裏付けは確実とは言えない。
ウイルスの実像でいまだに不明な点が多く、感染者でも急速に免疫反応が衰える事が指摘されており、変異した場合に効果がどうなのか分からない。
効果の持続という点も、分かっていない。特にmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンに用いるmRNAは、大変不安定な物質であるため、効果が持続するか疑問である。
ワクチン自体がこれまでも、一定の割合で、アレルギーや過敏症、自己免疫疾患などの副反応をもたらしてきた。その副反応も多種多様となり、免疫系だけでなく、脳神経系で起きるものでは、脳炎や脳症、ADEM(急性散在性脳脊髄炎)などの中枢神経疾患、その他の重篤な副反応疾患が増えている。最近の報告では、抗体依存性感染増強(ADE)やワクチン関連呼吸器疾患増強(ERD)の発生があり、これらはワクチン接種がウイルスの感染や増殖を強めてしまう現象である。
ワクチンの大量接種で心配される事は、さらに危険な新しいタイプのコロナウイルスを誕生させるのではないかという事である。新型バイオ・ワクチン接種はこれまでに経験のない地球規模での人体実験なのである。以上。
天笠啓祐:日本消費者連盟共同代表、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表、市民バイオテクノロジー情報室代表。
(2021年3月15日投稿)