ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

目白バロック音楽祭最終日!

2006年06月26日 12時18分22秒 | 音楽

 昨日、夫と一緒に、目白バロック音楽祭最終日のコンサート「ラス・フォリアス~フランシスコ・ザビエル時代のスペイン音楽」というのを聴いてきました。またあの、立教大学第一食堂が会場でした。今回は縦長の椅子の配置ではなくて、部屋の中央側面にステージを儲けたので、椅子はステージ中央と脇に分かれ、私たちの席はL列8、9だったのですが幸運にも、ステージ脇の最前列で見ることができたんです。それも、チェンバロ側なので天才フィゲイレドの姿がよく見えるの!
 テーマのザビエル時代のスペイン音楽というのは、今回のコンサート内容とは違うような気がしましたが、私はかまわず音楽に乗って鑑賞していました。夫は不満のようでしたが・・・。だから、ステージの向こうにも、ものすごく強面でご不満のおじさまが、楽しい演奏に乗り切れていなかったのもそういった理由だったのでしょうか。
 だいたい、コンサートのプログラム自体、よく理解できなかったし、歌詞大意という別刷りの紙も、一体どの曲に対応して入るのかわけがわからず(あとで、前半部分の歌詞大意が配られたのでした)すぐにそれを読むのを断念。ただただ、演奏を見て聴いて楽しみました。アントネッロの今回のメンバーは、濱田芳通(コルネット、リコーダー)西山まりえ(バロック・ハープ、チェンバロ)石川かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)に春日保人(バリトン)わだみつひろ(パーカッション)でした。春日さんは、2週間前のコンサートにもバリトンで出ていたはずです。ハンサムなフィゲイレドときれいな女性陣を除くと、それはなんとも、見た目も面白い(といっては失礼ですね)ステージでした。乗りに乗った春日保人氏は、見た目はお笑い芸人「藤井隆」によく似ています。そして、いつもホストみたいなかっこうの濱田さんのファッションセンスのなさ(でも顔はいいほう)、パーカッションのわだ氏は真面目くさった加藤茶みたいに見えるのです。ユニークでしょう!音楽もかなり楽しいものでした。ただ、天才チェンバリストのフィゲイレドと西山まりえさんとのリストのフォリアス「スペインのラプソディー」の連弾、見事でしたが、ザビエル時代では全くないわけだし・・・。こういう曲をチェンバロ連弾で聴けるのは、まず最初で最後かもしれません。その意味で、面白い企画に拍手。本当に信長が聴いた音楽だとはとても思えませんでしたが、純然クラシックや時代考証にこだわっても、音楽祭という冒険的な娯楽として成功したほうがいいわけですものね。
 時代考証といえば、忘れもしない、ちょっと感動しながら見ていた映画「エリザベス」で、最後のクライマックスシーンになんとモーツァルトのレクイエムが流れたときには私は唖然として椅子から滑り落ちそうになりました。そこまでひどいのは論外だけど。
 夫はあとで、あのテーマであの演奏はちょっと、と文句を言っていました。でも、私は天才チェンバロ奏者フィゲイレドをどうしても見たかったからこのチケットを買ったので、その目的は充分果たせたわけです。本当にすごい人でした。夫が心配していました。西山まりえさん、彼と結婚しちゃわないかなーって。女性が結婚しても第一線で演奏活動するのはものすごく難しいのです。彼女には、これからも「音楽活動」を一番に優先してほしい。といっても、プライベートな部分は全く知らないのでした。
 この最終日のコンサートの後、同じ第一食堂の2階テラスで、クロージングパーティーがあるとか。でも、我が家には猫も待っているし、演奏家と歓談なんて、とてもとても恐れ多くて、さっさと帰ってきてしまいました。要は、4千円の料金払ってそれだけの楽しさがあるかというと疑問だし、我々はただのケチですもの。お金ではかえられないもの、それはコンサートで得た感動。それがあればもう充分。
 目白バロック音楽祭、今年で2回目ですが、目白という地域性をアピールした、実にユニークな企画です。来年もぜひ、楽しみにしたいです。

コメント
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