永六輔さんが亡くなって、今度は大橋巨泉さんです。
大きな星が相次いで消えてしまったことに、なんともいえない思いを感じています。
私は昭和32年生まれの次女です。4人家族で、母は専業主婦でした。といっても、実家の八百屋が隣で、母はよく手伝っていました。私も、母の実家の風呂焚きを手伝って50円をもらっていました。当時は段ボールではなく、木の箱に食材が入っていたので、それを斧やくぎ抜きで分解して、風呂焚きの薪を作っていました。けっこうな重労働だったと思います。
私は大学まで、家族と一緒に住んでいました。姉は、大学の寮から下宿と、先に家を出ていました。
学生時代、大学の授業とは別に、六本木の放送作家教室に通っていました。テレビの仕事に興味があり、できれば放送作家になりたいと思っていました。そんな中、永六輔さんのNHKのテレビファソラシドというバラエティの収録の観客動員で、教室から何人か参加したのです。当時、新人アナウンサーだった頼近美津子さんが、ものすごく美しくて、びっくりしました。
永さんに続いて、大橋巨泉さんの訃報に、テレビの一時代の大御所が、相次いで亡くなったことに、呆然としています。
テレビと民衆、それは、政権とは真逆に対峙している存在なのですよ。どうかどうか、政権に迎合することなく、丸め込まれることなく、自主性と自由を最後まで守ってもらいたいと思っています。
テレビという存在の原点を、今、携わっている人たちは、この巨星を失って今一度、考えてほしいと思います。