原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

羽田新ルート、都市部に轟音と落下物不安を撒き散らし既に1年…

2021年04月05日 | 時事論評
 (冒頭写真は、昨年4月頃に撮影した集合住宅上階の我が家のすぐ上空を通過し、羽田空港へ向かう航空機。)


 早速、ネット情報より“羽田空港新ルート”に関するニュースを引用しよう。

 コロナ影響で運用伸びず=相次ぐ苦情、経路変更も模索―羽田新ルート1年

 2021/03/29 

 東京都心を低空飛行する羽田空港の新ルート運用が始まり、29日で1年。新型コロナウイルスの影響で航空需要は落ち込み、当初想定に比べ運用は伸び悩んでいる。一方、騒音などの苦情は6000件近く寄せられ、国はルート変更も含めた騒音軽減対策を検討している。
 「ゴオオオ」。3月下旬の夕方、JR大井町駅(品川区)周辺では、航空機がごう音を立てながら住宅街や商業施設の真上を通過していった。300メートルほど上空を飛び、車輪や主翼の機体記号が肉眼でも見えるほどだ。
 ルート真下に住む女性(68)は「低く飛ぶので圧迫感があり、うるさい。テレビの音も聞こえない」と苦言を呈する。取材中もたびたび飛来し、至近距離の会話がかき消されるほどだった。
 新ルートは国際便の受け入れ体制強化のため、昨年3月に運用が始まった。南風が吹く午後3~7時の間の約3時間、羽田空港を離着陸する航空機が品川区や渋谷区、川崎市などの上空を低高度で飛ぶ。国土交通省によると当初、この時間帯は1日当たり約130便の着陸、約60便の離陸が想定されていた。
 しかし、新型コロナの影響による航空各社の減便のため、昨年12月の運用状況は着陸が想定の約6割、離陸が約8割で、大半が国内線だった。同省の担当者は「国際競争力の強化と騒音負担を首都圏全体で共有する必要があり、引き続き運用していく」と話している。
 ルート下の住民の騒音や落下物への懸念は強く、国交省には計5947件(昨年12月時点)の苦情が寄せられた。都内や川崎市の住民計29人は昨年6月、運用取り消しを求めて東京地裁に提訴。原告団の須永知男さん(73)は「部品が落ちただけでも甚大な被害が予想される。一刻も早く運用をやめるべきだ」と訴える。
 川崎市東部では、パチンコ店内を超える最大94デシベルが記録されたこともある。国交省は騒音軽減に向けた有識者会議を立ち上げ、都心上空を飛ぶ距離の短縮などが技術面で可能か、議論を進めている。

 (以上、2021.03のネット情報を引用したもの。)



 私は、ちょうど1年程前の2020.04.04に当該「羽田新ルート」に関するエッセイを公開している。 
  以下に再掲載させて頂こう。

 羽田空港の新たな飛行ルート 都心上空を旅客機が初飛行
 2020年4月3日 20時24分

 羽田空港の国際線を増便するため、新たな飛行ルートの運用が始まり、3日午後3時すぎ、旅客機が初めて新宿や渋谷などの都心の上空を飛行した。
 羽田空港では、都心上空を通過する新たな飛行ルートで国際線の発着枠をおよそ1.7倍拡大し、これによって1日当たり50便増えることになっている。
都心の上空を通過するのは、南風が吹いた時の午後3時から夜7時にかけてで、想定される高度は、新宿で900m以上、渋谷で750m以上、品川で450m以上などとなっている。
 3日は、先月29日に運用が始まって以降、初めて南風の条件となり、午後3時すぎに旅客機が新宿や渋谷などの都心上空を飛行した。
 その後、午後6時前まで旅客機が相次いで都心上空を通過し、国土交通省によると、3日の飛行でトラブルはなかったという。
 新ルートをめぐっては、旅客機の騒音や機体からの部品落下などへの懸念から、反対する住民グループがルートの撤回を求めている。 
 新たに設けられたルートは主に2本あるが、都心上空を通過するルートは南風が吹いた時に到着機が使用する。 想定される旅客機の高度は、新宿がおよそ900メートル以上、渋谷がおよそ750メートル以上、品川がおよそ450メートル以上などとなっている。
 運用時間帯は国際線の発着が集中する午後3時から午後7時までの間で、管制の切り替えなどを除くと、実質3時間程度になる。  
 騒音や落下物は 国土交通省にると、ことし2月までに行われた旅客機による飛行確認の騒音の測定では、いずれも最大で、新宿区で78デシベル、渋谷区で79デシベル、大井町駅周辺で81デシベルを計測した。  れは掃除機の音や、車が往来する幹線道路の脇、それに騒々しい街頭に相当するということで、国土交通省は「おおむね想定どおりだった」としたうえで、引き続き必要な対策を進めていくということです。
 もう一つ気になるのが航空機からの落下物。
 国土交通省によると、飛行後の点検で、航空機から部品が無くなっていることが確認されたケースは、平成30年度の1年間で合わせて489件に上る。
 成田空港の周辺では落下したバネや機体からはがれた氷の塊などで、農業用ハウスや屋根瓦が壊れるなどの被害が平成30年度までの10年間で23件確認されている。 
 こうした状況をうけて、これまで外国の航空会社については落下物の報告義務はなかったが、3年前の11月から国際線が多く就航する羽田を含む7つの空港については、すべての航空機に対して部品の脱落を報告するよう求めた。
 また、航空会社に対して落下物の防止対策を求めるとともに、国による機体の抜き打ち検査を強化するほか、違反がある場合には航空会社への処分を行うことにしている。

 (以上、ネット情報より一部を引用したもの。)

 私見だが。

 まったくもって、「新型コロナウィルス肺炎感染」が特に東京等大都市部に於いて感染爆発寸前とも言えるこの時期に。
 しかも、コロナウィルス騒動に世界中が震撼させられ、各国が国境を閉鎖し空路の減便も相次いでいる今。

 何故敢えてこの時期に、航空機を大都市東京市街部上空を飛行させねばならないのか??
 今回の「羽田低空新ルート」は、早い話が2020東京五輪時に航空便が大幅増便されるに際し、新たに設けられたルートだと見聞している。
 その2020東京五輪は来年夏に延期となったではないか!!
 にもかかわらず、何故それに合わせて「羽田低空新ルート」本格運用も1年延期措置がとれないのか?!?

 落下物に関しても、実際自宅の上空を飛行される住民にとっては“空恐ろしい”ものがある。  上記情報を読めば、要するに現時点に於いて落下物対策は一切採られていないと解釈可能だ。
 東京五輪が1年延期されたのを好機として、どうして政府はこの1年をその検証期間に当てず、今大都市上空に航空機を飛ばすのか!??
 
 せめてここは是非とも政府には、“新型コロナウィルス感染爆発”を回避出来る見通しが立つまで。
 航空便を東京上空を飛ばすよりも従来の海を飛ばす案に戻し、東京都民の命を守る事に専念してもらえないものだろうか…  😷 😟 😰

 (以上、本エッセイ集2020.04バックナンバーを引用したもの。)



 2021.04時点での我が家の実態を記そう。

 この“羽田新ルート便”は、その後も絶え間なく我が家の上空を飛び続けている。
 これが不可思議と当時から今に至って感じていたが。

 その一つの理由が、本日接したネット情報より理解出来た。
 ANAの経営努力により「顧客便」を「物品運搬便」として有効利用の下に現在も飛ばし続けているとの報道だ。
 それらの“実質貨物便”も、要するに我が家上空を平常通りに運航しているとの事であろう。

 我が家など、新宿超高層ビル群より直線距離でせいぜい4,5㎞であるが故に。
 品川や川崎市に比すと、おそらく「羽田新ルート便」による騒音被害の程は大したことが無い(と政府は判断しているのであろう。)
 その立場にしても、この羽田便を大都市上空を飛ばして平然としている政府政権の“常識”の程を問いたくもなる!
 
 ここはどうか、冒頭ネット情報に書かれている通り。
 政府国交省は騒音軽減に向けた有識者会議を立ち上げ、都心上空を飛ぶ距離の短縮などが技術面で可能か否か。
 
 早急に議論を進めるべきだ!