(冒頭写真は、アンリ・マティス “色彩の魔術師”シリーズより「金魚鉢のある室内」。)
朝日新聞愛読者プレゼント「アンリ・マティス色彩の魔術師シリーズ」もこれが9回目の配布となる。
残すは後3回。 毎月手元にお届けいただきASAには心より御礼申し上げます。 引き続き毎月到着を楽しみにお待ちしております!
今回は、どうやらマティスの“青系作品”のコレクションのようだ。
マティスの金魚を描いた絵画に関しては、既に何ヶ月か前に紹介している。
これがそうだが。 マティスによる「金魚」。
この作品、マティス絵画の中で我が一番のお気に入りだ!
かなり以前に本物の展示が都内であり、観賞しに出かけた。 観賞者多数のため入口で入場制限があり、列を作ってかなり待たされたが。
待った甲斐があって、まさに大きなキャンバスに描かれた大作で感動した。😍
今回届いたマティスの冒頭写真作品「金魚鉢のある室内」の解説を紹介しよう。
1914年に制作された本作には、窓と金魚、アトリエというマティスにとって重要なモチーフが描かれている。 全体は青を基調とした落ち着いた色彩でまとめられ、中央に配された2匹の金魚の赤色が目を引く。 (中略)
構図については、複数の視点が組み合わされている。 しかし、柔らかな日差しを受ける金魚鉢や外に向かって枝を伸ばす植物に見られるように、マティスは内部と外部を巧妙に結びつけることで画面に調和をもたらした。
本作は、第一次世界大戦の勃発によりフランス国内に留まり、65年にフランスの国立近代美術館に収蔵された。
(以上、東京大学大学院 神津有希氏による解説より一部を引用したもの。)
そして、もう一つの作品はこちらの「コリウールのフランス窓」。
この作品を見て、私は全体が「青」一色で塗られた作品を思い出した。
誤っていたらお詫びするが、確か上野の国立西洋美術館で観賞したような気もするが?? 油絵作品だったと記憶しているが、大きなキャンバスを同一色で均一に塗り倒すのも大変な作業であろうなあ、などと素人考えで感心したものだ。
マティスによる上記作品は、中央の黒い部分に元々何らかの光景が描かれていたらしい。 何故マティスがこの部分を黒で塗りつぶしたのかに関しては理由不明のようだ。 マティス本人は後に、黒を光の色として用いた、と述べているそうだ。
本作は、光を黒で表現するようになる転換期に位置すると考えられている。
サインがないことから未完成の可能性もあり、さまざまに語られてきた作品である。
(以上、同じく神津氏による解説より一部を引用したもの。)