表題の結論から説明すると。
子ども時代はともかく大人になって以降は、「友」とは“作る”ものではなく“自然発生的に出来上がる”性質のものではなかろうか??
少し前に亡くなられた脚本家・劇作家の橋田壽賀子氏は、生前どうやら「友達を作らない」主義であったらしい。
それに関するネット情報の一部を以下に引用しよう。
橋田さんは生前「友達をつくらない」と語った理由をこう明かしていた。
「かつて『友達や家族など人間関係ができればそこに執着するし、期待してしまう。後から、もっとああすればよかったと後悔も生まれる。それが煩わしいから』とおっしゃっていました。だからピン子さんと一緒にクルーズ船旅行をしたときも、船室は別々。橋田さん流の“線引きの美学”があったから、ピン子さんが橋田さんの入れ歯を見たのはあんなに一緒にいたのに臨終のときが初めてだったそうです」(TBS関係者)
シニア生活文化研究所代表の小谷みどりさんはこうした人間関係が今後ますます理想となってくると予測する。
「いま、ひとり暮らしの高齢者は増加の一途を辿っています。結婚していても子供がいなかったり、90代になれば子供に先立たれていることも少なくない。
つまり、いま家族がいる、いないにかかわらず、最期はひとりになる人が爆発的に増えていくということ。人生の最期にいい関係を築けるのは、必ずしも血縁とは限らないのです」
線引きされた人間関係を築きながら、終活にもぬかりなかった。特にこだわったのは、自宅で最期を迎えたいという願望だ。
《もちろん自宅で死にたい。私は病院が嫌いなんです。家の中で倒れても救急車は呼ばないで、と周囲にも伝えています》
(以上、ネット情報の一部を引用したもの。)
上記ネット情報を読むと、橋田氏は決して天涯孤独だったわけではなく、一緒にクルーズ船旅行に出られる友はいたようだ。
ただ、船室は別々だったとのこと。
原左都子の私事だが、もの凄く分かる!!
私にも一緒に海外(知人の職業上の所用のお供役だったが)へ出かけられる知人女性がいて、(旅費は2人で二分の上で)インドやブエノスアイレスへお供した。
(知人女性をH氏とするが)、H氏はどうも“怖がり”で、我が「シングル2部屋でお願いしたい!」との訴えを退け、「どうしてもホテルはツインを予約して同室にしたい!!」、と嘆願する。
実際問題、彼氏と旅に出るならばともかく、友人・知人関係に於いて何で一つの部屋で一夜を共にせねばならないのか!?! 一人マイペースで寛ぎたい私としては苦渋の同意だったものだ。
旅程が長くなる程にストレスが溜まり最終日には怒りが爆発しそうになったが。 世界を舞台に活躍するH氏との関係を今後長く続行したい思いが我が根底にあり、何とかこらえた。
余談だが、我が娘と2人旅行の際に、私は一度シングル2部屋を予約したことがある。 娘の自立教育も兼ねての実践だったが、これは良き結果が出た。
我が予想よりも娘はずっと自立心旺盛だったようで、何らの問題も無くシングル部屋ライフを過してくれた。
どうやらその種の分野では“超越”している娘であることに助けられる。(私が死んだ後もこの娘、一人でこの世を生き抜けるかも???)
橋田氏に話題を戻すが。
『線引きされた人間関係を築きながら終活にもぬかりなかった。特にこだわったのは自宅で最期を迎えたいという願望。 もちろん自宅で死にたい。私は病院が嫌い。家の中で倒れても救急車は呼ばないで、と周囲にも伝えている。』
とのことのようだが。
まさにこの原左都子も全く同様の考えだ。
橋田氏の場合、それを伝えられる人物が周囲に複数おられて幸せだったのだろう…
たかが庶民の私の場合、それを娘に伝えてどうなるか?? との課題もある。 終活に関しては既に確固とした我が思想があるが、実際如何にそれを実行するかに於いては今後に持ち越す宿題だ。
表題にテーマを戻そう。
現代の世に於いては、「友達がいない…」と嘆く高齢者が量産されている様子だ。
そんな事案を嘆く以前の問題として、今後のご自身の生き様がどうあるべきかを分析・考慮・実行してみては如何か? とアドバイスしたくもなる。
確かに子ども時代とは誰しも、「仲良くしよう!」とのかけ声と共にすぐに友達が出来たことであろう。
「友達100人できるかな…♪♪ 」なる歌も存在することが物語っているが、子ども時代の友達とはそれで事が済んだであろう。
それが大人になるにつれ、その様相が変化してくるのが誰しも自然だったのではなかろうか。
この私も特に若き時代を通り過ぎて後は、自身の諸活動を実施する中で自然発生的に合意・同意出来る相手とまさに自然と近づけたように振り返る。
その“近づける”人数が自然と減りつつ、人は年老いて行くのではあるまいか?