原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

理化学研究所本部でストライキがあったの??

2023年04月02日 | 仕事・就職
 (冒頭写真は、ネットより転載した “03.29午後 埼玉県和光市の理化学研究所本部前でストライキを行う職員ら” の写真。)


 いつものように我が愛読新聞である朝日新聞を読んでいて、「声」欄“かたえくぼ”コーナーで、この投稿を見つけた。

          
 こちらは、2023.03.31付朝日新聞「声」欄より転載した “かたえくぼ” への投稿。

 「『理研でストライキ』  計算外でした ー 量子コンピューター 」

 原左都子の感想だが、ウィットに富んだ投稿じゃないか!!


 いや待てよ、理化学研究所和光市本部と言えば。 私が娘を産んだ後に「有期契約の研究系職員」として勤務した研究所だ!

 一体、何が どうしたんだ???
 と思いつつ、早速ネット情報を探って。
 以下の情報を発見した。 引用しよう。
 
 雇い止め巡り理研でスト 有期契約の研究系職員ら
  3/29(水) 21:43配信

 理化学研究所本部前でストライキを行う職員ら=29日午後、埼玉県和光市
 理化学研究所が有期契約で雇用する研究系職員らを多数、今月末で雇い止めにしようとしているとして、対象となる職員を含む十数人が29日、1時間のストライキを実施した。 埼玉県和光市の理研本部前には支援者も集まり「研究を続けさせろ」と声を上げた。  理研の労働組合は昨年7月、雇い止めが危惧される研究系職員が約380人に上ると発表した。その後、理研の人事制度変更で、短期間の雇用継続が決まったケースもあるが、契約打ち切りを言い渡され、今年4月以降は仕事がない職員もいるという。  一部の職員は雇用継続を求めてさいたま地裁に提訴した。

 (以上、ネット情報より引用したもの。)



 原左都子の私事に入ろう。

 私がこの理化学研究所和光研究所に勤務を始めたきっかけとは、朝日新聞の求人欄にてその募集を発見したことに遡る。 (既に本エッセイ集バックナンバーにても述べているが。)
 娘は未だ幼稚園児だが、幼稚園を卒園して小学校へ入学した暁には「学童保育」で夕方まで預かってもらえる。 それを利用して、私も自身の専門を活かせる仕事をしよう。
 と志していたところ、ちょうど朝日新聞に適切な理研の研究助手(実験担当者)募集の広告が出た。
 早速履歴書と共に詳細の医学関連「職務経歴書」を添えて応募したところ、間髪入れずその求人を出した基礎研究者氏より我家に電話が掛かって来た。 
 そしておっしゃるには、「貴方は私が欲していた通りの人材ですので、すぐに仕事をしていただけませんか? とりあえず、明日面談に来てください。」

 それに従って翌日私は理研本部まで面談に出向いた。
 開口一番、「明日から出勤していただけませんか? 今回の朝日新聞紙面での募集に20通程の応募があったのですが、適任者は貴方一人でした。 急いでやっていただきたい実験等々が盛り沢山ありますので、明日から出勤してもらえませんか? 」
 
 随分と急だなあ、と感じつつ、未だ娘が幼稚園児だったためその旨告げて。  「娘が小学生になったら学童保育に入れるので、丸一日の勤務が可能です。」との趣旨の返答をした。
 そうしたところ、「分かりました。とにかく娘さんが幼稚園を卒園するまでは午前中半日勤務で結構ですので、是非明日から勤務して欲しいです。」との快諾の元、私は理研の研究助手業務に入った。

 そうこうしつつ、娘が小3の終わり頃に都内へ引っ越すことになった時点まで、我が理研の研究助手業務が続いた。


 話題を理研のストライキに戻そう。

 一体どうしたのだろう?
 私が有期契約の研究系職員として理研に勤務していた頃には、その職員が決定的に不足していて、理研側としては辞職を引き留めるのに必死状態だった。 私が都内転居のために辞職する旨告げた時にも、「都内から通えないか?」とのオファーを頂いたものだが…  

 上記ネット情報によれば、「有期契約の研究系職員らを多数、今月末で雇い止めにしようとしているとして、対象となる職員を含む十数人が29日、1時間のストライキを実施した」との始末…

 いかなる事情が理研側にあるのかは不明だが。
 (失礼を承知で物申すならば、“不要な研究系職員も理研内に蔓延っている”とのことか???)😖 😵 

 何はともあれ急な解雇は仕事の分野にかかわらず、働き手にとっては生活資金を失うことにもなりかねないため。
 理研も、労働界(労使関係)の常識をわきまえて行動するべきであろう。


労働は苦役か?、喜びか?

2023年04月01日 | 仕事・就職
 (冒頭写真は、2023.04.01付「書評」ページより中山元氏著「労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか」を転載したもの。)


 本日も、朝日新聞「書評」ページより題材を得よう。

 早速、2023.04.01付朝日新聞「書評」ページより、冒頭写真の中山元著「労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか」に対する、朝日新聞文化部記者・有田哲文氏による書評「苦役か喜びか 古代からたどる」の一部を以下に要約引用しよう。

 「やりがい搾取」という言葉をよく聞くようになった。「世の中に役立つ仕事だから」「あなたの成長にプラスになるから」などと言いつつ、安い賃金で濃く使うことだ。 働くのはカネのためだとみなが割り切りれていれば、成立しない行為である。 それほど私たちは、働くことに意味や喜びを求めているのだろう。
 労働は苦役か、喜びか。 昔から宗教家や思想家たちが考え続けてきた。 その軌跡をたどる本書は、いわば労働観の通史である。(途中大幅略)
 19世紀、資本主義勃興期の過酷な労働に向き合ったのが思想家・革命家のマルクスだった。 このマルクスの社会主義思想には、ぎりぎりのところで労働を肯定する発想がある。
 著者によれば、「近代にいたるまでの労働の歴史は、労働にどのようにして肯定的な意味が与えられるかという歴史でもある」。 では現在のサービス業で笑顔や忍耐を切り売りする「感情労働」については、どう考えるべきか。 人工知能に働く場が奪われるなら、どう対処するべきか。 現代人すべてが引き受けるべきといであろう。
 著者は哲学者であり、哲学や社会科学の古典的名著の新訳を次々にものした翻訳家でもある。 本書で登場する顔ぶれは、一見労働話とは縁の薄そうなホッブスやハイデガー、フロイトなども含め、百花繚乱だ。

 (以下略すが、以上朝日新聞「書評」ページより一部を引用したもの。)



 原左都子の私事を語らせて頂いて、恐縮だが。

 去年の年末に我が家にやって来た今は外部で一人暮らしをしている娘が、爆弾発言をするではないか!!

 なんと! 大学卒業後正社員として新卒入社したIT関連企業を退職したい、と言い始めた。
 親の目には娘の仕事は至って順風満帆そうに映っていて、 内心(これは定年まで勤めあげそうだなあ)と喜んでいたのだが。

 そう言えば、3年程前にも一度「退職」を語ったことがあったが、その時は職場の上司に説得されて、退職を思い留まるに至った。

 ところが、今回の娘の退職話はどうも本気度が高そうだ。 娘曰く、「既に他社のネット面談も受けてみた」。😲 
 ただし、娘の場合は現在の職場の契約が1年毎の更新制となっているため、この3月までは勤め上げねばならないとの状況だった。

 
 その3月がやって来て、昨日の31日に娘は8年間正社員として真面目に立派に勤め上げた企業を退社した。
 昨夜 母親の私が早速「長年の勤務ご苦労様でした。とりあえず早めに近くの職安へ行って失業保険取得手続きをしてくるように。」との趣旨のメールを送ると。
 真夜中に娘よりその返信メールが届いたのだが。

 その内容に、ビックリ仰天させられた!!
 な、何と!! 既に次なる就業先が決定している、と書いてあるではないか!?!😱 

 その娘の素早さと、自分自身のIT技術者としての活躍志望の強さに、母親の私は恐れ入ってしまった。

 そんなこんなで。
 我が娘は勤務先こそ新たになるが、今後共“IT技術者”として生きていく覚悟と熱意が十分にある事実を思い知らされた母親の私だ。


 冒頭の書評内にある、「やりがい搾取」「感情労働」等々とは一切無縁に。

 自身が主体的に選択した職業である“IT技術者”として、今後も精進して生きていくであろう我が娘(参考ですが、今年30歳になります)に。
 大いなる安堵と「労働の喜び」感覚をこの年齢になって再び感じさせてもらえた、本日の我が家の嬉しい大騒動だった。😃