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せんたく議連? ネット虫

2008年03月09日 11時47分59秒 | 国内政治・経済・社会問題
★話題になった「せんたく議連」について田畑光永 (ジャーナリスト)が「リベラル21」に次のように書いている、まったく同感であるので紹介したい。
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 「せんたく議連」なるものが3月2日に発足した。日本を「洗濯する」のと「選択する」のとを引っ掛けた命名だそうだが、なんとこれに自民、民主、公明、国民新の各党から合わせて107人もの議員が参加したという。
 超党派の議員連盟そのものは珍しくない。政党所属議員の政治活動は政党の枠に縛られるものだが、特定の問題に関心を持つ議員が「日中友好議連」といったふうに党派を越えて活動するための組織を作ることは昔からあった。
 しかし、この「せんたく議連」はちょっと様子がちがう。「洗濯」とか「選択」とか言っても抽象的で、それにどんな意味を託すかは人それぞれでさまざまであろう。もともとは北川正恭前三重県知事らが結成した「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合(せんたく)」というものがあり、それと連携して「マニフェスト(政権公約)」の定着を目指すのだそうであるが、いまひとつ分からない。
 共同代表の民主党・野田佳彦氏は「次期衆院選を歴史的な政権選択の選挙にするのが大目的」と強調したそうだが、衆院選は常に政権選択の選挙であったわけで、これまでも政権公約はどの党も掲げてきた。それに「マニフェスト」という片仮名文字をつけるようになったのは比較的最近のことだが、それによって選挙がなにか変わったかといえば、特段の変化は見えない。
 だから「マニフェスト」が定着すれば、「歴史的な政権選択の選挙」になるという論理がぴんと来ないのだが、それに100人を越える議員が参加したというのは考えるに値する問題である。自民党からの参加者は51人、その中には共同代表の河村元文科相をはじめ多数の閣僚経験者が含まれているし、民主党からの47人の中には岡田、前原といった党代表経験者の顔も見える。

 そういう人達がなにか共通の政治目標があるわけではない議連に加わるというのは、どう考えたらいいのか。それはやはり今の政界に渦巻くフラストレーションのしからしむるところという以外にないのではないか。じつは明確な対立軸もないのに、政権の取り合いという次元で対立を演出している政界、さらにはっきり言ってしまえば、かたや小沢一郎という人物の権勢欲とそれにぶら下がっていれば権力に近づけると計算する人たち、かたや既得権益を渡すものかと身を硬くする人たちとの間の対立に振り回される政界がフラストレーションの元であろう。
 大連立などという選挙民、つまり国民を馬鹿にした話がなかなか消えないのは、対立が擬似対立であることをなによりも物語る。たまたま昨年の参院選に自民党が安倍晋三というピエロを立てて臨んだために「ねじれ国会」が誕生し、「対立」が現実味を帯びたのだが、しょせん擬似は擬似である。
 そこから生まれた「せんたく議連」である。これが「政界再編の起爆剤になる可能性を秘めている」(『産経』)と見るか、「国会の形骸化に拍車」(『東京』)と見るか、見方はいろいろあろうが、どんな形にもせよ擬似対立の殻を破って、政治を液状化、流動化するのに役立つならば悪くない。望むらくはこの107人がそれぞれの党を離れて、しかも新党などを作らずそれぞれが無所属議員となることだ。そうなれば議会の運営は「一寸先は闇」となり、議論は真剣なものとなるだろう。そういう議会を見たい。
 それにしてもこの議連に共産、社民両党からの参加者がいないことは当然といえば当然だが、同時にこの両党の存在感の稀薄さをあらためて感じさせる。自民、民主に対して対立軸を提示すべき両党がここまで稀薄なのはやはり異常だ。それは国民のせいなのか、それとも両党のせいなのか。
コメント (5)
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