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イラクの悲惨な現状             へそ曲がり

2008年03月05日 22時03分30秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
◎体力回復のため入院された「へそ曲がりさん」から投稿の依頼がありフロッピーを預かりましたので機会を見て紹介します。 (管理人)

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 ☆イラク 米軍がもたらした子どもたちの悲惨☆(週刊金曜日 2月8日号 国際短信より)

 ユニセフ(国際連合児童基金)このほど発表した調査結果によれば、米軍の侵略によって、イラクの子どもたちは多くの困難に直面している。
 それによると、200万人の子どもたちが栄養失調や病気、学習の途絶といった悲惨な環境に直面。実に5分間で1人の子どもが、戦争の犠牲になって殺されている。 
 しかも負傷しても医療サービスが崩壊してまともな手当てが受けられず、死ぬまで放置される例も多発している。
 一方、国際的人道救援団体・オックスファムなどの調査では、米軍の空爆によって水道設備が破壊され、国民の70%が清潔な飲料水を入手するのが困難となっており、それが原因で伝染病などが発生した場合、抵抗力のない子どもたちが真っ先に犠牲になるケースが多発。
 さらに米軍が使用する放射能を撒き散らす劣化ウラン弾や化学兵器が国内の居住環境の悪化をもたらし、ガンなどの病気や先天的障害に苦しむ新生児を数多く生み出す結果となっている。
 同時に懸念されているのは子どもたちがほとんどまともな教育を受けられない点だ。イラクの心理学協会の昨年の発表では、調査した1,000人の児童のうち、実に92%が戦争や治安悪化などで学校に通えず、学習の機会が奪われている。
 かつて中東随一の工業力を誇ったイラクは、今後数世代にわたって巨大な人材の空白が生じるのは確実だ。

★ますます凶暴化する米軍の住民虐殺★

侵略が開始されて5年を迎えようとしているイラクでは、米軍の無差別住民虐殺がさらにエスカレートしている。1月10日にはバグダッド南部の村アラブ・ジャブルに対し、F16戦闘爆撃機のみならずB1戦略爆撃機までも動員し、約10分間で合計38発、21トンもの爆弾を投下した。
 米軍側は「アルカイダが40か所に潜んでいたので、武装集団数10人を殺した」と発表しているが、現地の情報では、死者の大部分が女性と子どもたちで、家族10人が皆殺しにされた例もあるという。
 現地住民は、瓦礫の山と化した住宅地での国際的な救援活動を要請すると共に、この大量虐殺に何の抗議もしない「親米政権」に抗議の声を上げている。
 もともと同村は米軍が昨年12月、「「アルカイダを一掃した」と宣言し、一時避難していた住民が戻ってきた経緯がある。
 ところが3週間ほどで「40か所」もの「アルカイダの隠れ家」ができたということになり、しかも住民の犠牲を承知で大規模空爆を行なったのは、改めて米軍のデタラメぶりと残忍性を示す結果となった。
 なお、米軍を中心とした多国籍軍がイラクで昨年実施した空爆は1447回で、前年の6倍以上にも達し一般住民の死者も激増。この背景には、兵士の死者を出したくないブッシュセス件が、交戦を避けて空爆に頼らざるを得ない事情がある。
 
  





コメント (3)
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シドニー滞在記(7) 多人種国と言語  文科系

2008年03月05日 11時00分22秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
                  
 シドニー滞在旅行で最も強烈な印象を与えられたのが、その国際化である。まず、多少とも親しくなった人々を例にとってみよう。最初の居住地で知り合ったテイクアウト食品の経営者兼店員さんがアラブ系の若者。次のホームステー家主がイギリス帰化人と日本人妻とのお嬢さん。お向かいのランニング仲間がニュージーランドからの帰化人で、奥さんがフィリピン人。一日ツアーのガイドで後に相互に訪問しあったマーク君がイギリスの大学を出て来豪し、帰化二年の二十九歳。日本語教師をしている連れ合いの教え子で、シティー中華街の安くて美味しい「飲茶」に案内してくれたことを機縁にメール交換などのおつきあいが始まったYちゃんが、十七歳の広東からの留学生。名古屋市北区から来豪され、帰化十五年ほどという四十代の元日本人ご夫婦とも、パーティーで親しく語り合う機会もあった。

 国民構成がこうだからここの外国語教育はもの凄い。現在フランス語が筆頭で、二番目の日本語、ドイツ語でも七割近くの中学、高校で選択できるという。他にも中国語、韓国語、イタリア語、ベトナム語、アラビヤ語、ロシア語、チェコ語、ラテン語なども教えているという。高校までほとんど英語しかない日本人としては口をあんぐりというようなものだ。こんな環境で考えたのは当然、言語のこと、まず「漢字」のことである。
 日本人をその昔、初めに文明人らしくしたのが中国人だとつくづく再認識した。彼らとは漢字である程度の会話ができるのである。英単語の意味を漢字に直せる限りの会話は通じることが多くて嬉しかったし、相互の地名の発音は通じなくても漢字で書けばすぐに伝わった。漢文が好きだった僕の「五月五日は日本では『男の子』の節句だが、これは楚の屈原の誕生日だと言われている」という話とか、僕が中国の歴代諸国家、王朝の名前を順になんとか書き上げられたこととかは、Yちゃんにはほめてもらえた。白楽天が楊貴妃を歌った長恨歌も半分くらい暗唱できるので、共通の話題として花が咲いたものだ。
 逆に、天皇がいるのだから日本は昔のままの帝国主義国家なのだと信じ込んでいる節があったYちゃんに、今は違うとも信じてもらえた。この時、日本とのサッカー試合で騒いだ中国人の圧倒的多数がこう信じていたのではないだろうか、それも無理はないななどと、考え込んでしまったものだ。この誤解を解くのはなんせ難しかったから。彼女から、税金をかなり使うらしい昔ながらの特別な一族がマスコミにいつも華やかに登場しているという事実をあれこれ指摘された時、民主主義国家としてはやはり難しい説明にならざるをえなかったのである。こんなことから始まって、「中国は古代日本の先生だったんだよ」と僕が心から伝えた時、Yちゃんが「ありがとう」と顔をほころばせたものだが、きっとこれは彼女の今後の生き方を通じて大きな日中友好に繋がってくれるのだろう。そしてつくづくと考え込んでいたことがある。漢字伝来以降の日本人は元来、今流行のバイリンガルなのだと。
 ちなみに加藤周一のこんな言葉を思い出す。「夏目漱石、森鴎外は漢文の素養の他にそれぞれ英語、ドイツ語の感性も加えて文章を書いた」と。三つの言語に通じるということは単にその言葉を読み書きできるというだけではなく、万物、世界について三つの感じ方を持つということだ、とも。これらの言葉を今やっと僕も本当に分かるような気がした。なんせ、全く違った国で生まれ育った十七歳のしかも初対面の女の子と一日付き合って、ある漢字が持つ感覚、意味を共有しているという発見がいっぱいあったのだから。

 次いで英語のことだ。最近まで長く家庭教師をしていた経験から得た単語だけで、結構会話は通じる。だから、英和・和英辞典付き電子手帳持参なら、買い物や街角にもまー不安なく出かけることもできる。ところで、十数年前名古屋から来てオーストラリア人に帰化されコンピューター関連の仕事をされているある方がこんな話をしてくれたけれど、本当に聞くべき話だと思った。「現地人でも簡単な単語が書けない人、しっかりした英文というものがない人は意外に多いものです。日本の英文法教育は大したものですよ。中学三年間のそれをしっかり身につけていれば、半年もこっちにいたらある種の現地人よりもしっかりした文章が書ける。コンピューターの難しい仕様書などは文法がないと分かりませんしね」。最近の速攻実用主義英語風潮に抵抗を感じていた僕は、すぐになるほどと思ったものだ。辞書を脇に置いてかなり時間はかかるのだが、できたばかりのこちらの友人たちと結構複雑なテーマの会話でもなんとかメール交換できているのだから。中学生の家庭教師を続けてきたおかげだとつくづく感じたものだ。「読み書きこそ高等な言葉の土台」ということなのだろう。読み書きはできても聞けない、喋れないという日本人の古い英語教育が間違いというわけではないということでもあろうか。負け惜しみでなく、現在はそう思える。

 さて、Yちゃんとのことで劇画のような後日談が生じた。ここまで書いたあとの昨日、僕宛に長い返信メールがあった。期末テストで二週間ぶりの返信だが、不得意だった日本語が劇的に向上したと言う。すぐに連れ合いに確認したが、主任の先生も名指しで驚かれていたほどの成績を取ったらしい。若さの力にちょっと震えたので、メールの一部を翻訳する。
「お二人は私をとても喜ばせてくれた。そして、親切、丁寧に日本語を教えてくれた。だから私の日本語がすごく進歩した。この進歩は全てお二人の援助のお陰なのだ。(中略)私は日本に行ってお宅を訪問するとお約束する。そして、もし中国に来られるならその時は知らせて欲しい。大歓迎したい。(後略)」
なにかと話題になる隣国・日本からの旅人への「青い感傷」を差し引いてさえ、嬉しいメールだった。ずっとメールを交換し続け、一人っ子の彼女の広東の家庭がもし迎えてくれるならば、近い内に必ず訪問しようと心に決めた。
コメント (2)
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