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大分シャムスカ監督・劇画のような伝記  文科系

2008年11月04日 17時21分22秒 | スポーツ
隔週発行のスポーツグラフィック「ナンバー」最新号に、大分トリニータ監督・シャムスカの5ページ読み物があった。その面白いこと!! ここのところ2回ばかりシャムスカに触れてきた僕としては、早速ここに要約紹介したいと思い立った。

43歳とまだ若いのに既に劇画を読んでいるような経歴を持った、実に夢のある興味深い人物なのである。ブラジル時代から始まっていたその成功談は、世界サッカー界の立志伝中の人物への大成功途上にあるような人、そんな風格、エピソードに事欠かない。大分には失礼ながら、このチームの器にはとても納まりきるような監督ではないと見たがどうだろう。それとも、この変わり者はここに居続けて、大分をアジアチャンピオンにまで上らせ、ヨーロッパか南米のチャンピオンの一つも破らせてみせるのかな。日本代表監督という道ももう噂されているようだが、その誘いがあったら、さすがに受けるだろう?
そういう人物が今年、日本サッカー界で最高の話題になっているというのは、まー必然のことだったのだなと、初めてあらたに納得できた。

先ず彼は、プロ選手の経歴を持っていない。地方の下部組織でプレーしただけでプロを諦めて地元の私立大学体育学部に進み、そこを卒業して、以前在籍した地方チーム下部組織監督になった。そして95年に29歳でそこのトップチームの監督になっている。この年齢は、ブラジル1部チーム監督としては、歴代の最年少記録らしい。つまりプロ選手としての将来に早く見切りを付けたのが、彼にとっては大成功だったわけだ。

02年には別のチームで、ブラジルカップ戦準優勝、04年には別のブラジル2部チームでこのカップ戦に優勝してしまう。このときの相手が、ジーコを生み出したあのフラメンゴ、決勝の競技場もブラジルサッカーの聖地、あのマラカニアンである。圧倒されるような敵地で、あの名門チーム相手に、2部のチームがよく勝てたものだと、驚く他はなかった。
そして、その次のチーム、名門ボタフォゴの監督契約期間中に大分の引き抜きに応じたのであった。時に05年秋、シャムスカ40歳。その引き抜き劇が、またすこぶる変わっている。

トリニータ側担当者によれば、こんなやりとりや、シャムスカ自身の大変な移籍努力があったということだ。これが、日本1部の最下位をうろついていた九州の田舎チームへの移籍努力なのだから、驚く。
トリニータ側「地方のクラブでカネがありません」
シャムスカ「それはいい。厳しい所で挑戦するのは、私の望むところです」
トリ「目下、最下位ですが」
シャ「ということは、残留させたら自分の価値を大いに上げられますね」
とはいえ、名門ボタフォゴでの05年度契約途中の出来事であって、違約金なども生ずる。それへのブラジル側仲介者による経過報告に、こんな言葉があったと紹介されていた。
「彼、ボタフォゴの会長を自ら説得してるんです。長年、日本で仕事をしたかったから、チャンスを逃したくないと言って。違約金も自分で支払うと言い張っていますよ」
なんと夢のある、興味深い人物ではないか。阪神の監督をやっていて、パリーグの万年最下位チームに移籍希望を出した若手超有望監督。そんな場面を僕は想像してしまった。巨人中心で、かつ序列ばかりで夢がない日本野球界では考えられないような、夢のある人物、話ではないか。
もっとも日本野球界は、選手としての実績だけが監督の条件、世界のサッカー界とは似ても似つかぬ閉じられた世界だ。日本サッカー協会がこのたび、伊達公子や平尾誠二を理事に選んでその経験的知恵を借りようと決意したのだが、こんなことさえ全く考88えられないような世界なのであるが。

(続く)
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「今こそ内需!」の基本的弱点  文科系

2008年11月04日 12時01分02秒 | Weblog
この世界経済困難、打開策模索のなかで、よく「内需拡大」が言われます。この必要は大なり小なり誰もが認めても、行き過ぎたこれは保護主義にも等しくなって、世界の景気回復を著しく遅らせ、倒産、失業者、就職氷河期などなどを招くことになる側面があるというのも明らかでしょう。
このことに関わってあるコメントを書きましたので、一部を補足修正して投稿に格上げします。


内需派が見えていないことがあると思います。
大戦前の世界大恐慌は三つの根深く続いた困難をもたらしました。
①第一が、金融収縮。②次いで、その金詰まりによる生産活動の縮小。③輸入、世界の流通の収縮、分断、つまり保護主義の台頭による地球経済の分裂。
なお以上は、本日(2日付け)毎日新聞は浜矩子同志社大学教授の「時代の風」からの三つの「観点」を抜粋したものです。

さて、「今こそ資本主義の全面否定を」などという新左翼のような議論ならば別として、そうでないならば③「世界経済の一体化」は前提としなければならないのではないでしょうか。この一体化を認めた上で、かと言って無規制、無計画な弱肉強食放置が今のような事態を招いたと見るならば、次の道しかないと思います。現在の世界経済の一体化を認めた上で、これ自身の計画化を進めていくということです。
もっぱら内需中心に戻れと叫ぶようなことは、世界の流通を分断すること、世界の景気回復を10年も20年も遅らせることにしかならないでしょう。
ちょうど、自由競争資本主義から国家金融独占資本主義に移行したときに、後者の害を強調して以前に戻れと言うべきではなく、ケインズがやったように後者の計画化を図るべきというようなものでしょうか。ラッダイド運動(機械打ち壊し運動)が後戻りのできない自然史的過程を無視していたから間違いであったというのと同じことだと思うのです。

幸い、今回のアメリカ経済の根本的行き詰まり、その世界主導権の失墜から、以下に見るように、IMF、世銀、WTOなどともども、米の主導権は大きく見直しを迫られ始めています。証券会社、金融工学の威力を失って世界のお金の集中に失敗し、双子の大赤字だけが残ってしまったアメリカ。かといって、株価10ドルを切ったGMに見るように、物作りも崩壊しているに等しいアメリカ。さらにこういう苦衷の予測に迫られた最後のあがきであったと思われる「テロとの戦い」戦略においても、大失敗を重ねてきたことがもはや明らかなアメリカ。こういう超大国からそれぞれの国々が離れていき、その自主的な発展を図るための絶好の機会が来たとも言えるのだと思います。
歴史的な大英帝国の落日に次ぐアメリカの落日、他諸国の自主的発展模索が始まる時代の到来は、もはや明らかではないでしょうか。
それだけに、日本の役割が重要になっていると思います。
この11月15日からの世界金融サミットは20カ国の参加です。あまりにも頼りないけれど、日本の政府の「自主的貢献」の方向、度合いの欠片でも、ここで見ることはできないものでしょうか。

当ブログでも、人気のある田中宇氏は、最新の配信ニュースでこう述べています。

【 ▼国連でも途上国の反乱

 サルコジやG20の動きと並んで、国連でも注目すべき展開が起きている。国連総会は10月30日、国際金融危機に関する討論会を開いた。そこでは、米国人経済学者のジョセフ・スティグリッツが、現行の国連組織は先進国優先になっており、発展途上国に不利になっているので大改革が必要だと述べた。そして彼は、IMFや世界銀行に代わりうる国連の新たな経済組織として、中国・日本・インド・産油国といった外貨備蓄の多い国々が主導する形の国際基金を作ることを提案した。この会議では、米英による世界支配の道具だったIMF・世銀(ブレトンウッズ機関)を大改革する(潰す?)方向性として「ブレトンウッズ体制の作り直し」が提唱された。
 スティグリッツの意見は、単に学者として発せられたものではない。彼は、国連が今後作る予定の、国際金融制度と国連経済組織(IMFと世銀など)の改革のための専門家組織のトップに就任する予定となっている。彼の構想は、国連としての構想なのである。

 中国・日本・産油国、といった組み合わせは、私にとってピントくるものがある。IMFやアジア開銀といった国連組織が05年春に作った、国際通貨の多極化のための「サーベイランス委員会」が、中国・日本・サウジアラビアとEU、米国という5極体制になっていたからだ。国連は今後、スティグリッツ主導の専門家組織によって、この国際通貨5極体制の実現を目指す可能性が強い。
 従来の国連は、米英が(特に英国が黒幕的に)主導する組織だった。スティグリッツのような人物が騒いでも、米英に潰されて終わるのが国連の常だった。
しかし、今の国連は、従来とは違う。最近の記事「国連を乗っ取る反米諸国」にも書いたように、途上国やBRICの代理人が重要ポストに就き、米英から主導権を奪おうとしている。国連総会の議長は、反米主義のニカラグア左翼政権で外相だったデスコソである。事務総長は、中国と密通していると疑われる韓国のバン・キムン元外相だ。

 こうした国連でのBRICや途上国による米英からの主導権奪取と、サルコジら独仏主導のEUが米英従属から抜け出して多極的な勢力へと転換している感じとが連動し、11月15日のブレトンウッズ2の会議や、国連での改革開始につながっている。】


一国の中でその国の経済(の計画化 当面は資本主義内部の計画化)を語れる時代はとっくの昔に終わっているはずです。国内の国政選挙などのみをにらんで国の政策を批判するというだけでは、日本の政治としていまやもう完全な時代遅れ、大志がなさ過ぎるのではないでしょうか。そういう視点、態度だけでは、先輩庶民たちが営々と築きあげたこの国の可能性(1500兆円の個人金融資産、世界第2位の経済力、平和主義憲法など)に相応しい生産的なものではないと思うのです。飢餓、水不足、環境破壊、そして資本不足など、世界は日本の技術、資本、力をもの凄く必要としているはずです。

食料自給などを含む内需拡大を全面的に否定することなどは当然誤りでしょうが、以上いつも考えてきたことを述べさせていただきました。
コメント (4)
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