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書評「習近平と米中衝突」② 、アメリカの姿勢   文科系

2018年11月22日 08時50分38秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 昨日も触れた『習近平と米中衝突 「中華帝国」2021年の野望』(NHK出版新書、近藤大介著)の最終章を要約してみたい。章題は、「冷戦—米中衝突はどこへ向かうか」。この章は、この著作としては珍しく、著者の感覚に属するような断定的表現、命題は極力減らしていて、事実や人の言葉をありのままに伝えていると読める。
 要約の仕方だが、今回言わば喧嘩売ったアメリカ側の言葉などを中心にこの章から拾っていくというやり方を採る。

『そもそも中国が世界第2位の経済大国になたのは、アメリカの投資によるところが大きい。それなのに中国共産党は、関税、割り当て、為替操作、強制的な技術移転、知的財産の窃盗などを行ってきた。中国の安全保障機関も、アメリカの最先端技術の窃盗の黒幕となり、大規模な軍事転用を図ってきた。・・・
 最悪なことに、中国は(トランプ大統領とは)別の大統領を望んでいるのだ。アメリカの民主主義に干渉していることは間違いないのだ。・・・しかし我々の大統領が屈することはない。アメリカ軍はインド太平洋の全域で、アメリカの国益を追求していく。中国の知的財産の窃盗行為が終わる日まで、行動を取り続けていく』
(ペンス副大統領)

『私は以前、中国人とは話せばわかる、中国は発展すれば民主化すると信じて、多くの協力をしてあげた。だが今世紀に入ったある時点から、中国人とは話しても理解し合えないし、中国は民主化しないと悟った。それどころか、中国はアメリカを超えて世界の覇権を握る野望を抱いていて、いま叩かないと大変なことになると確信するようになった
(ペンスが上の演説をした保守系シンクタンクの長。トランプ政権に強い影響力を持っている)
 
 著者は次に、アメリカの国防予算2019年度分(18年10月~19年9月)が7,160億ドルになったと伝えつつ、国防省がこの10月5日に出したレポート「アメリカの製造業と防衛産業基盤、サプライチェーンの弾力性に関する評価と強化」を、こう要約する。
このレポートは一言で言えば「このままではアメリカは中国にやられてしまう」という危機感から作成されたものだった。
 例えば、日本や韓国を含むアメリカのアジアにおける同盟国もしくは準同盟国の8カ国・地域が、どれだけ貿易面で中国に依存し、逆に中国が当該国にどれだけ依存しているかが示されている。そしてアジアにおけるアメリカの同盟地域でさえ、既に中国に相当程度「侵食」されているため、早急に手を打たねば手遅れになると警鐘を鳴らしているのだ

 要約テーマの最後として、最新の日米首脳会談の著者による一種の報告で締めよう。
『こうした中、安倍首相が10月25日から27日まで、日中平和友好条約発効40周年を記念して中国を訪問すると発表されたが、7年ぶりの日本の首相の中国訪問となったものの、華々しい成果はもともと期待薄だった。日中関係を担当する日本政府関係者が明かす。
「安倍首相は訪中に先がけて、9月23日にニューヨークのトランプタワーを2年ぶりに訪れ、トランプ大統領と夕食を共にした。その際、トランプ大統領から、『早ければ来年にも、中国と戦争になるかもしれないのだから、経済協力などは慎んでほしい』と釘を刺された。同盟国のアメリカに背中を引っ張られた格好となり、その時点で派手に日中友好を打ち出せなくなったのだ』


 と言ってもさてこの書発刊の後、米中間選挙では下院過半数が逆転して、この大統領について去年からずっと話題に上がってくる大統領弾劾決議も出せるようになった。度重なる重要閣僚辞任などにも示されてきたように、政権内部ですらがトランプの言動をもてあましてきた政権でもある。国連を通じた世界の多国間主義、つまり世界の民主主義を否定したという意味では、アメリカ民主主義が機能していないという世界にとって深刻過ぎる問題が横たわっている。


(③に続く)


 昨日のアクセスが、ここまで毎日の4分の1か3分の1ほどへと一挙に減っている。この数年無かった数字へと急に少なくなったのは、誰かが手を入れたからと思う以外には無い。文科省記事がどこかの気に障ったのだろう?
コメント (5)
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