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イラク、さらなる地獄に  文科系

2020年01月21日 08時05分56秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 以下はこの1月5日の国会でイラク首相・アブドルマフディーが、トランプの自分へのここまでの仕打ち、言動などについて暴露演説を強行した、その内容である。去年から起こったことを順に記してみたい。

①去年後半、トランプがイラクに「石油利権の半分をよこせ」と要求していた。

②イラク首相はこれを断って、9月末に55人の訪問団で中国を訪れ、一帯一路も関わる石油交渉をした。中国は、今後のイラクの石油輸出関連インフラ整備などを引き受けていく代わりに、その代金としてイラク石油利権の2割を要求して、イラクはこれを呑んだ。

③対するトランプはカンカンになって、こう脅した。「また、デモを組織し続けるし、その時に隠れた米狙撃手がデモ隊狙撃もする予定だから、大混乱になるぞ。対中契約は止めろ」。

④その後案の定、デモが頻発してイラク中が大混乱になったのが、昨年10月から。そこに、この1月3日、サウジ・イラン会談に呼ばれて出てきたイラン代表ガーセム・ソレイマーニーをイラク・バクダッド空港において米ドローンが爆殺するという大事件が起こった。これに怒ったアブドルマフディー首相が、トランプの要請を受けて両国交渉仲介の任に当たり、彼をイラクに招いたのは自分だと暴露しつつ、イラク国会で「外国軍は出ていけ!」という決議を通した。

⑤トランプはこの決議に対してもさらなる脅迫で対した。「イランに対するものよりも遙かに厳しい制裁をイラクに課すことになる」と。これに怒ったアブドルマフディーは、辞表を提出したが、次のなり手がいないので未だに暫定首相であり続けている。


 なお、田中宇の配信ニュースに、アメリカがなぜここまでイランやベネズエラのオイルにまでこだわり続けるかの内実が載っていたので、掲載しておく。田中曰く「ペトロダラー」つまり「石油=ドル」の仕組みの解説である。アメリカは世界産油国の石油輸出収入などの決済全てをニューヨーク連銀で行わせることに成功している。そして、その各国収入からその国の毎月政府支出金をアメリカ連銀がその都度送金する仕組ができあがっている。これがいわゆる「原油代金はドルでというドル基軸通貨体制」を保証してきたわけだ。この仕組に加わっていないベネズエラ、イラン、ロシアなどを敵視するのは、「石油はドル支払いで」というドル基軸通貨体制の仕組を守るためなのである。「そのためにはどんな暴力も辞さず」。こういう宣言こそ、ベネズエラ、イラン、ロシア敵視の正体なのだ。思えば、イラク・フセインやリビア・カダフィの殺害に示されたアメリカの執念も、ここから出ていたのである。両国それぞれが、原油埋蔵量で世界5位と9位の国であり、かつニューヨーク連銀決済に逆らったのである。

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