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森保は退任すべきだ   文科系

2020年01月14日 07時17分52秒 | スポーツ

 森保ではダメだと、ここで何度も書いてきた。昨年11月の18、20日のここに書いたコロンビア戦とベネズエラ戦との戦評では、「森保解任も視野に入れるべき理由」と書き、12月19日の日韓戦には「闘えていない」と書いて、「これは監督の組織作りの問題である」とも批判してきたところだ。中東勢にできている中盤でボールを組織的に奪い合うという最先端の闘いがさっぱりできていないのである。森保のサッカー観が古い繋ぎのサッカーとしか思えないのである。繋ぎのサッカーは現世界最先端の戦術からしたら古すぎるものだとは、スペインの弱化、名古屋・風間の失墜などから明らかである。チーム組織で意思一致したときにはいつでもボールを奪えるという自信があってこそ、繋ぎにこだわらず大胆な攻撃もできるというもの。それがクロップが世界を引っ張りあげた世界水準の戦い方である。

 ちなみにU23や日本の若手が弱いかと言えば、全くそんなことはないのである。去年のU22トゥーロン国際大会準優勝を見れば分かることだ。個人技に勝る決勝相手ブラジルとも、その組織力でもって互角に闘っていたからこその、1対1、PK戦敗退。あのときの「組織」は一体どこへ行ってしまったのか。あのときの監督の方が森保よりも遙かに良いと言うことだ。


 森保は、すぐに辞めるべきだ。自分から言い出さないなら、協会が首に縄をつけるべきだ。去年のトゥーロン国際大会の監督が秀でていただけに、そう感じてならないのである。

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米の『「民主化革命」という侵略』③アルゼンチンの場合   文科系

2020年01月14日 06時47分37秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 台湾で親米派候補が圧勝した。国民1人当たり購買力平価GDPが世界16位と、31位の日本よりもいつのまにか豊かになった国だ。歴史的圧勝らしいが、「香港民主化運動」の影響が非常に大きかったと、マスコミも解説している。ここで、改めて眺めてみたい旧稿がある。堤未果がずっと提唱、警鐘してきた『「民主化革命」という侵略』だ。これが、今のアメリカにおいて、昔の植民地戦争に代わるものになっているのではないか。ちなみに、堤未果だけでなく外国のマスコミからも『「香港騒乱」は、米英による戦争も同じ』との論調が出始めている。その一例が、この1月3日の拙稿『香港、もう一つの現地報告』だ。
 なお、アメリカのこの『「民主化革命」という植民地戦争』の歴史は長く、古くは1970年代のチリの政権転覆例があるが、冷戦後の中南米では特に普通のことになった。この経験からアメリカがこれを世界に普及し出したのが、「アラブの春」だったと愚考する。イラク戦争の失敗の後に、中南米の経験を世界に生かし始めたわけだ。ただ、シリアでだけはこれが失敗した。そして今、この中東でシリアとイラン、中南米のベネズエラなどが、この侵略適用国になっていると考える。なお、これら一連の世界戦略最大にして究極のターゲットが中国であるとは、ここでずっと述べてきた僕の現世界史観である。
「なんとしても中国を支配下に置かねばならない。さもないと、米金融帝国の維持さえできなくなっていく。この国が貿易黒字分でもって間もなく作っていく世界金融業によって、米唯一の強みGAFAバブルが維持できなくなっていくからだ。今でも、日中資金がアメリカから引き揚げれば、アメリカは終わりだというのに・・・。」


【 「民主化革命」という侵略③ アルゼンチン、米世界帝国から離脱   文科系
2015年10月19日 

 ここまで読んできて、こういうことがご理解いただけたろう。堤未果がこの本で警告しているのは、「ローマの平和」ならぬ「アメリカの平和」の実現。イラク、イラン問題もアラブの春も、日本などへのTPP押し付けも、全てその一環。実体経済で傾きかけた帝国が、その金融覇権(そして、食料・医療・エネルギー覇権も)で世界を統一しようとする野望の道なのだと。その終局の姿は、世界独占企業をアメリカ金融が買い占めることなのだろう。

 それでは、ここから抜け出す道、それを選択した国はないのだろうか。堤は、その道はあるとして、アルゼンチンがとった方向を解説する。2度の国家デフォルトにもかかわらず、21世紀になっていったん減った中産階級を急激に増やした国なのである。
 日本で言えば、小沢一郎、鳩山由紀夫、孫崎享らが目指そうとした道は間違いなくこれだと僕は観ている。なんとなれば、チョムスキーも述べているように今の世界には「覇権か生存か」という二つの道しかないのだから。

 では、その解説を。堤のこの本の中でこの解説をしているのは、ローラ・ガルシアという人物である。彼女は、国連婦人開発基金で堤未果が働いていたころの同僚で、アルゼンチン人。

『(2003年5月)ネストル・キルチネルが大統領に選出され、〈IMFがもたらした新自由主義の呪縛〉から抜け出ることを最優先事項とした。彼は対外債務をデフォルトし、IMFの下で民営化された企業と年金基金を再国有化し、銀行に介入した。貧困撲滅のために予算を投じ、経済再生に向けて社会的支出を倍増し、製造向けの投資を拡大することで一般の消費拡大を狙ったのだ。
 また、ネストル大統領は一連の緊急公的就職プログラムを開始し、労働人口の約半数を占める失業者への支払いを確約したのだ。さらに、軍の権限を弱め、軍事予算を削減し、基礎年金を倍増させ、税収を雇用増大プログラムや教育、社会福祉、生産的投資を通した経済成長プログラムにあてた。
 その結果、2003年末までにマイナスからプラス8%に成長したアルゼンチン経済は、2011年までに90%の成長を遂げた。貧困撲滅プログラムへの大規模な支出によって、2001年に50%だった貧困率は、2011年の時点で15%以下へと減少した』

『2007年、クリスティナ・フェルナンデス大統領(前記ネストルの妻です)は一般教書演説でこう述べている。
「海外の債権者たちは、しきりに『負債を返済するためには、IMFと協定を結ばなければだめだ』と言ってくるが、アルゼンチンはこう答える。『我が国は主権国家だ。負債はお返ししたいが、金輪際、IMFと協定を結ぶつもりはない』と」』

『同時期、南米ではアルゼンチンの後に続く国が続出した。ブラジルはIMFとの融資協定更新を拒否し、ベネズエラはIMFと世界銀行の両方からの脱退を宣言し、ニカラグアはIMFからの脱退交渉を開始した。
 ボリビアのモラレス大統領は、多国籍企業が自らの利益を守るために各国政府を提訴することの出来る世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターからの脱退を、こんな風に発表している。「ラテンアメリカ諸国、そして私の見るところ世界中のどの国の政府も、ISFD条項における裁判に勝ったためしはない。勝のはいつも多国籍企業の方だ」』

 以上は、180~183ページからの抜粋であるが、別の所にはこんな記述もあった。
『1990年代のアジア危機で、IMF介入を受け入れた韓国、インドネシア、タイといった国々は、金融機関をはじめ国内の主要セクターが民営化され、総数2400万人の失業者とともに2000万人が貧困層に転落したからだ。同地域から中産階級を消滅させたのは、危機そのものではなく、IMFによる介入だった。
 韓国では企業による大量解雇を禁じる「労働者保護法」がIMFに撤廃させられ、国民の6割以上いた中産階級がわずか3年で4割以下に激減した』(171ページ)

 アジア通貨危機は、空売りによって累積貿易黒字などを日米が強引に収奪した事件として知られているが、それに加えてさらにIMFによる「緊縮財政プログラム」で借金返済を巻き上げやすくして結果的にもっと疲弊させると、そんな仕組が見えてくるのである。今では、同じ事が話題になったギリシャによって、既に世界お馴染みになっているやり方である。金融競争で敗者を作って借金漬けにした上に国家の社会資本まで奪うと、こんな事を世界あちこちで繰り返せば結局世界の購買力は落ちていく一方であろう。今の世界主流戦略の一体どこに、人類の未来があるかと思う。

 さてそれにしても、ここで僕としては、アルゼンチンなどの上記巻き返し経過とその現在とを詳しく調べてみようという宿題が新たに生まれたわけだ。
 
(終わり)】

 

 この記事を今読むと、その後の中南米激変に驚く。アメリカの「民主革命という植民地戦争」のなすがままのようにも。このアルゼンチンでもその後二転三転があったし、ボリビアのモラレスはアメリカ主導クーデターにあって、国を追い出され、現在は70年代のチリのように旧政権派の虐殺が続いているはずだ。ベネズエラは相変わらず、イランと並ぶアメリカ当面の政権打倒目標であり続けている。

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