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旧稿「イラク戦争と国連」   文科系

2020年01月11日 07時51分37秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 米・イランの戦争雲行きが怪しく、フェイクニュースも飛び交っている今、世界が過去の重要な歴史的事実を思い出す必要がある。旧稿を再掲したい。

【 イラク戦争と国連  文科系  2016年07月07日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 イラク戦争開戦前後に国連でどういう論争があったか。そこを振り返っておきたい。次に、この時のアメリカが従来表明してきた国連への立場を大幅に変えたということも観てみたい。近年の日本マスコミからはアメリカ政府の声、立場は大量に発信されるが国連のことはなかなか論じられないと感じてきたので、強調したいことだ。
 以下の出典は、「国連とアメリカ」(最上敏樹・国際基督教大学教授 2005年刊)である。

開戦時の国連総会の立場
『「私たちはいまや大きな岐路に立たされています。国連が創設された1945年にまさるとも劣らない、決定的な瞬間かも知れないのです」
 2003年9月23日、第58回国連総会開会日の冒頭演説で、アナン事務総長はそう述べた。その年の3月にイラクで戦争を始めたアメリカを、名指しではなかったものの厳しく批判した直後である』
『「今日に至るまで、国際の平和と安全に対する幅広い脅威と戦い、自衛を超えた武力行使をすると決める際には、唯一国連だけが与えることの出来る正当性を得なければならないという理解でやってきました」。にもかかわらず、先制攻撃の権利といった根拠で武力を行使する国が現れた──。
 それは「いかに不完全であれ、過去58年間、世界の平和と安定のために頼りにされてきた大原則に根底から挑戦するものなのです」と彼は言う。つまり、「単独主義的で無法な武力行使の先例を作ってしまうもの」なのだと言うのである。アメリカにとっては厳しい批判だが、総会議場は長い拍手に包まれた』
『この事務総長は次第にアメリカに嫌われるようになっていた。特に対イラク戦争への否定的な反応に対してである。開戦時にもあの戦争が国連憲章に合致しない(つまり「国際法違反」ということである)と明言したし、イラクの復興になかなか国連を関与させないアメリカのやり方も批判した。(中略) 機構の原理原則はあくまでも多国間主義なのだから、単独行動主義を阻止することは、むしろ事務総長の(正確には「国連のあらゆる部署の」)責務になるからである。実際、加盟国の単独行動主義にこれほど正面から向き合うことになる事務総長は、これまで例を見なかった』
   
殺されたケネディ大統領の国連観
 以下は、同上書から抜粋したケネディ大統領の国連演説である。1961年9月25日、第16回国連総会におけるものだ。なお、彼が暗殺されたのはこの演説の2年後のことである。
『戦争にとって代わる唯一の方法は国連を発展させることです。・・・・・・国連はこのあと発展し、われわれの時代の課題に応えることになるかもしれないし、あるいは、影響力も実力も尊敬も失い、風と共に消えるかもしれない。だが、もし国連を死なせることになったら──その活力を弱め、力をそぎ落とすことになったら──われわれ自身の未来から一切の希望を奪うに等しいのであります』 】

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米・イラン、どちらかが嘘(2) 文科系

2020年01月11日 07時30分11秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 中東派遣が決まった自衛隊員の家族は、この新聞ニュースを懸命に読んでいることだろう。

 昨日見たウクライナの旅客機墜落事件を巡る両国主張の食い違いが今朝の新聞でも大きく扱われている。中日新聞では『イラン ウクライナ機撃墜か  米欧「ミサイル誤射」 イラン否定』と見だしされた1面記事である。内容をよく読むとアメリカ報道には昨日と同じ「イランがイラクの駐留米軍を攻撃した直後の誤射だった可能性がある」という表現を使っている。誤射と言っても、イランの報復ミサイル発射の5時間後のことだから、ウクライナ機を米反撃と間違えたが誤射ということになるようだ。他方でこんな強い表現も現れた。
『米欧各国は9日、イランのミサイルで同機が撃墜されたとの見方を強めた』

 一方イランの発表はこうだ。
『イラン航空当局は10日、同機はなんらかの異常発生後に60秒~70秒飛行し、空港に戻ろうとしたと説明。「ミサイルが直撃したら、その場で爆発している」と誤射を否定』

 なお、イラン大統領と合同調査を約束し合ったウクライナ大統領の発言はこうだ。
『誤射の可能性は排除しないが、現段階で確証はない』

 さて、イラクと言えば真っ先に思い出すのは、嘘の理由をでっち上げて開戦されたイラク戦争。その結果関連死含めて50万人が亡くなられたというある国際調査結果も出ている。嘘の理由を感づいていたやの国連の懸命な制止にもかかわらず、欧米を中心とした有志国で強行されたものだった。なのにまた、アメリカのニュースを日本でも第一に流すというやり方はいかがなものか。アメリカのイラン司令官暗殺という戦争行為への世界の反感を反らす狙いだと、そんな動機も十分に考えられるのである。

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