トルコ大統領選挙について、日本マスコミの扱いがどうにもおかしいと思う。「酷い政権!」と描き、明らかに「エルドアン、負けろ!」という論調なのだ。敢えて言えばこれは、「G7に特有の偏った政治観」なのではないか。エルドアンは例えばウクライナ戦争について、誰もできなかった良いことを二つやっている。
・まず、マウリポリの製鉄所にこもったアゾフ大隊(ロシアが「ネオナチ」と呼んできた典型的な集団である。その初めは、米ロの軍隊会社のように私兵集団としてスタートしていた。どこから金が出ていたのか?)が壊滅させられたときに、実質人間の盾のようになっていた一般人らに「生還の道」を創ってみせた功績。
・次いで、ウクライナとロシアの農産物を黒海経由で積み荷として輸出させる道を作った功績。
・この二つの功績はともに国連の下で行われることになったのだが、国連介入があったからこそ現に起こったいくつかの妨害を廃して成功することができたのである。そして、国連をそこまで動かしたのが、このエルドアンだった。つまり、エルドアンがいなかったら、この二つは実現しなかった。そして、この二つともが悲しいことが多いウクライナ戦争下では、嬉しいという意味で非常にユニークな出来事ではなかったか。
さて、こんなエルドアンが日本マスコミによってどうして悪人、悪政とだけ描かれるのだろう。G7や、トルコも属するEUとは違うユニークな動きがアメリカの気に入らぬという事、それに日本が迎合しているところから発しているだけのやり方ではないのか。ちなみに、この度のトルコ大統領選挙投票率は9割近く、そのほとんど50%をエルドアンが獲得しているのだ。投票率が5割で、そのうちの比較多数と言うだけの日本の自民党よりも遙かに国民の支持も厚いのである。普通選挙が民主主義の徴表だとすれば、日本よりもトルコのほうがはるかに民主主義度が高いと言える。ちなみに、国としてのこのトルコは歴史的成り立ちからして東西文化の交差点として文化度の高い国であった。確か世界の三大料理の一つはトルコ料理で、僕が旅行をした印象だが多様なスープがとても美味く、非常に親日の国である。
最後になるが、このエルドアンについては、アメリカ在住のある宗教要人による政権打倒(未遂)という大事件が起こり、政治家とか軍人とかの多数の要人が逮捕されたと世界の話題になったことがあった。また、この国の悪評の一つ、超インフレも、過去に何回もこれが起こったアルゼンチンのそれと同じで、外交的に仕掛けられたものと僕は推察している。
マスコミは、G7の視点からだけの「勧善懲悪報道」をやるべきではない。
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