本日の中日新聞6面経済欄にこんな記事があって、目が吸い寄せられた。
見出しが『大手5銀行18%増収 本業伸びず国債売買益が貢献 9月中間』と。
三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井住友トラストの5つのことなのだ。この5グループがこの並び順に儲けたのだそうだが、最大が三菱UFJで9000億、最小が三井住友トラスト1800億円ということだった。そして、来期それぞれの計画がこう書いてある。
『十二年三月期の純利益は、みずほを除く四グループが上方修正、五グループ合計で25.3%増の二兆二千百億円を見込む』
この記事で、最も目がいった部分はこんな記述だ。
『本業の貸し出しが伸びず、貸出金利と調達金利の差に当たる利ざやも縮小。国債の売買に収益源を求めざるを得ない現状に、りそなホールディングスの細谷英二会長は「銀行経営からすれば、国債に代わる商品はなかなかない」と苦しい胸の内を明かした』
『各グループが保有するギリシャやイタリアなど欧州債務国五カ国向けの国債や貸し出しなどの投資残高(九月末時点)は約二兆円。欧州問題への警戒感は強く、今後も推移を見守る姿勢を示した』
これへの印象はこんなところ。
この不景気の中、大投資銀行は結構儲けているものだな。それも、ギリシャ、イタリア、スペインなど欧州の国債関連で儲けていることもはっきりしているようだ、と。としたらやっぱり、空売りで儲けているのだ、と。この内容についてまず、こう言える。僕がこの間ここで最も問題にしてきた国際経済予測が不幸にも当たっていたということが示された。10月13日に「ギリシャ危機、空売りは?」、および11月3日「ギリシャに想う」などのことだ。とするとつまり、「腐ったギリシャ」という国際的大々的ニュース報道は、空売りで儲けることにつながったスピーチという役割、側面をも、客観的には持っていたことになる、な。
「この勢力にとってはTPPは絶対善なのだろうな」とかも、頭にちらついたものだ。こうして最も心配なことはこれ。
「儲ける人の背後には、損する人がいる。この銀行の利益って結局、ギリシャ、イタリア国民などに付けが回される?」
「それにしても、他国のどん底の不幸が、唯一金儲けのチャンスになる社会って?」
「利ざやや投資自身で儲けられないって、銀行以外の企業はほとんど悪いってことだろう?」
みなさんの感想は いかが?
08年以降、韓国ウォンが円に対して四割も安くなっています。中国も不自然なほどの元安をキープしています(この不自然な元安が世界経済の歪みを大きくしているのではないか、という論調も存在します)。
そして近年、原油や小麦などの値段が上昇傾向にあることもまた、確かなことですよね?
その割には韓国や中国の国民が、いかんともしがたいハイパーインフレによって大いに苦しんでいる、なんて話は聞いたことがありません(インフレで生活が苦しいという愚痴のような話は聞いたことがありますが)。
結局のところ、今の日本の状況を見て、それでも「円安は駄目だ、ハイパーインフレが日本を襲うぞ」なんて論調を述べている人たちは、経済のイもロもハもわかっていないということなのでしょうか?
バランスをとるのは難しいですね……。
日本の原発は、アメリカ主導で、アメリカの技術を導入し、こういう結果になったわけです。
本当に他国との関係――バランスをとること――即ち外交――は難しいですね。かといって、中国や韓国あたりにおもねっても仕方がないですからね。
あの高利貸しだった武富士をやっつけた
論理です。
これを国際社会に応用して
借金棒引き(?)に成功した国が
エクアドル。
NHKのドキュメンタリーで知ったことです。
中世の徳政令、って現代国際社会でも
有効なんだ・・・・
国民は法に反した不道徳な融資による
債務は払う責任はないという論理。
ロシアの学者が言い出したことだそうです。
金融が支配する経済・・・
魑魅魍魎が跋扈する世界で、
しかも情報が公開されていない。
粉飾決算がまかりとっていますよね。
なにも日本だけじゃない、
あのアメリカのエンロンも。
こういう経済のカラクリを教えてくれる人が
欲しいな・・・
なお、外交はおもねってはバカにされるだけ。
日本政府はアメリカにリップ・サービスを
うけても、腹の中ではバカにされていますよ。
「福島原発周辺住民、内部被爆量は限度以下。京大など調査」「食事や呼吸で体内に取り込んだ放射性セシウムの量…最大に見積もって計0.16ミリシーベルトで一般市民の年間線量限度1ミリシーベルトを下回った」少しホッとしたニュースでした。
しかしそれはそれとして……「1ミリシーベルト以上は除染(2ch)」民主党の連中はどこまで愚かなんだ!!
これ実施したら100兆円はかかるだろ(まあ、いずれかの時点で方針転換するとは思うが……年間5ミリシーベルト以上とかに)。
(自然の)大地放射線量 平均値と最高値
ラムサール(イラン)10.2 260
ガラパリ(ブラジル)5.5 35
ケララ(インド)3.8 35
陽江(中国)3.5 5.4
香港0.67 1.0
日本0.43 1.26
ギリシャ国民も、“強いユーロ”を頼りに、20倍のレバレッジをかけて投資にかまけていた“庶民”も少なからずいたという報道もありましたね……。
金銭経済を阻害する働きをして
弊害とされました。
しかし金銭が神のようになった現段階では、
また違った働きを果たすかも?
デフレさんが指摘する
契約は両者が了解してのもののはずだった
という前提に不平等があったらという
ことが言いたいわけですが・・・
つまり時代が正当とすることを
疑う目を持ったら?という提案です。
これはとても難しいことで
ある程度の年齢と挫折経験が必要ですが。
目についた最も本質的なことから、順に答えたいと思います。10年単位程度の細かいことは今あまり関心がありません。また、僕は相手を質問攻めにするだけの論議は嫌いですし、今までも割と誠実につきあうやり方できました。今日はまず、ここから。
「儲けている奴らは悪で、貧しい人々は善?――というのはリベラルというよりは左翼思想の名残(なごり)ではないでしょうか」
他人の話を単純化しすぎですし、以下のように語る左翼が誤りだとも、ならないはずだ。僕がここで常にやってきた「人間疎外」の論理は、カール・マルクスの資本論序言にあるこんな言葉の考え方です。
「この本の中で資本家というものを決してバラ色には描いていない。が、それは、彼ら個人について(悪辣だとかを)語っているのではなく、そういう仕組みについて告発しているだけである」
今の「社会」を20~30年スパンで見れば、悪いことだらけと言えませんか。
まず、世界の99%が貧乏になっている。よって有効需要をどんどん失わざるをえないから資本がだぶついて、実業の資本になるべきものがマネーゲームに走ってきた。マネーゲームは、実体経済を発展させることができないどころか、何よりも雇用を作らず、これらを破壊している側面さえ多いのではないか。なんせ、空売りのために健全なものでさえこれを貶めたり、不健全なものを健全とスピーチ画策することさえあるのだから。
こういう指摘は、正しいものでしょう。これは、経済学の世界で150年近く言われ続けてきた命題でもあるし。「自由主義経済」、「夜警国家」というものが人間にとって本質的に不幸な側面があるから、やがてまたいつか人が現実的なものと認めなくなる、と。経済学では、これが正しいという証明などどこにも存在しないはずだとも言われてきました。金がある奴がますます金を集め、ますます有効需要がなくなって、ますます景気が悪くなるだけのシステムということでしょう。
5%程度の見せ金で20倍ものギャンブルをやって溺れた国家をさらに水に突き落とすような行為が、いつまでも許されるものだとは到底思えないのです。また、国債とか株とかが値下がりしても空売りでそれに賭けて儲けられるというシステムも、本質的にこういうものと言いたいです。人と人とを命を賭けるようにして対立させる仕組みであって、いつまでも人々が認めるところではないと。
こうして、今の時代、こう表現すればよろしい。上のようなことが許されるマネーゲームという国境を越えた新しい「新自由主義」に、それに相応しい国際的規制がまだ存在しないだけの時代だと。経済に限らず新しい現実、事態は常に発生するわけであって、制度はいつもこれに遅れて出来ていくもの。単に「そういう世界的過渡期」というだけのことだと思います。
こうして僕は、単なる「現実」だけでなく、人間にとっての正義をも常に語りたいのです。人類が歴史的にこういうことを現にやってこなかったとしたら、法律や制度が事実(弊害、大不幸)の後から、いつも押っ取り刀で追いかけてきたなどと言うことは起こりようがなかったはずです。今は、国連がイニシアティブをいつか抜本的に取らねばならぬという時代なのでしょう。
現実とその調整だけがすべてならば、法などは生まれるわけがない。今で言えば、国連など、そこに求められている役割を果たしていくように発展などしていくわけがない。プラグマティズムです。
よみ始めましたが、なかなか難しくて・・・
頭がついて行きません。
金融化が人間らしさを喪失させる方向に
人を引っ張っているようです。
経営者が社会のことを考慮せず
利益のことだけに価値を置く。
これが金融化の引き起こした一つの結果らしいです。
昔のコトバでいえば金の亡者ですね。
だから余計、日米がTPPを急ぐのでしょう。人件費が高くて輸出が上手く行かない国は、ファンドで世界の現物経済を支配し、外貨を稼ぐ道があるということだと思います。ますます現物経済に強くなっているBRICSをもこうやって支配しようという狙いでしょう。
日本政府・官僚はこうして、単にアメリカにせっつかれているというのではなく、もっと主体的だと思います。金融帝国主義の道と言うべきと考えます。
が、とにもかくにも、このエントリーほど現代世界を正しく見るのに大切なものはないと僕は考えている。世界を動かす99%のそのまた中核人物たちが行うマネーゲーム(の馬鹿正直な告白)が中心テーマなのだからだ。今現在で言えば、以下の全ての情勢にその震源地として関わっているはずだ。
シリア、ウクライナ、ベネズエラ、アルゼンチンそして以下のちょっと前から始まった情勢にも。
「アメリカが金融緩和を引き締め始めたから、『新興工業国からマネーが引き始めた』」
これらは、ブラジルなどブリックス諸国に加えて、トルコ、南ア、アルゼンチンなどが含まれているはずだ。
これらにはすべて、日米と欧州の金融が時に連携して関わっているはずだ。近く特には、ウクライナを通じてロシアが要注意であると言いたい。安倍政権が何かしきりに露西亜に向けて怪しげな動きをしているらしいから、日本の銀行が何かの画策を図っているのだろう。こういう事を通じて、安倍政権念願の「北方領土」を進めたいのかも知れないし。斎木(外務次官)だったかまで、ロシアに出かけたらしい。
「PIGSのためにユーロは崩壊する!」
そして今、このユーロと日米とどちらが正しかったのか、それが分かるような気がするのである。それぞれ双方に異質勢力は存在するにせよ、対立するこんな世界の流れのような。「99%と1%とがさらに進んで世界が破滅に至る道」か、「新発見世界商品開発も含んで、現物経済を重視して職業と中間層を世界的に増やしていく道」か。そういう歴史の検証がしばらく続いていくように、今の僕には思われるのである。EUが政治統合を当面の日程に上げつつ、金融規制をかなり抜本的に強化し始めて、国連でもアメリカの反対に抗しつつそのように活動し始めているからこそ、そう思うのである。民主主義誕生の地が、世界恐慌を原因とした二つの世界大戦・世界的大量虐殺悲劇の痛苦から学んだのだろうと、そう信じたいものである。
そういう目線、観点から先日書いたこのエントリーなどをお読み頂ければ嬉しい。
『「アジア力の世紀」の要約と書評 文科系
2014年05月08日 』
① 先ずは安倍内閣でさえが「賃金上げてくれ」(安倍首相の演説)だとか、「内部留保が多いのに賃金を上げぬ会社は守銭奴だ」(麻生財務相の言葉)とかを、大々的に言い出した。この論で行けば、上に書いた若者失業30%とかのPIGS諸国は日本なども主体的にどん底に落とし込んだのと違うのかな。また、安倍政権のこの賃上げ論は、これがなければ景気もデフレ回避もできないと認めたことだ。
ならば、金融本位経済を現物本位経済に変えるように、国連がイニシアティブでも取るべきだろう。そうでないと、世界の現物経済は好転しないし、その分世界の有効需要は減っていくだけだ。スティグリッツ国連報告にもあるような世界的金融規制を急ぐべきなのである。
② そして、このエントリー内容を支持するはずの論議が最近もう一つ現れた。トマ・ピケティである。株主とか土地持ちとかの資産保護中心ではなく、99%の所得を第1に考えなければ、世界経済はどうしようもないと読める。
③ ギリシャとならんで上に書いたウクライナ情勢も、ここで書いた通りの絡みがどうもあるようだ。アメリカがウクライナに大量破壊兵器を売りたくて仕方ないようで、それをEUが必死に止めている構図である。米国流のEU揺さぶりなのだろうが。
シャルリ事件を活用したフランス原子力空母のアラブ爆撃参加も急すぎて、何が何だか分からない。まー深い陰謀があるのだろう。
政府が最近ゼロ金利を決めて以降、銀行に有り余るカネをどう使えと言うのだろうかという疑問である。ひょっとしてこういうことかとも? 実業ではなかなか儲けられないはずだから、もっと投資ファンド的に稼げよと国が強制している? 国債、通貨、空売り利食い、バブル創りその他、何でもありで行けよとも?
だから恐慌時代は怖いのである。
①恐慌とは、古来こういうもの。過剰な資本供給に対して、世界の需要が慢性的に追いつかない状況のどん詰まり。これはつまり、「資本」主義の宿命とも言もの。
②この時には史上常に、こんなことが起こった。激しい競争。それが高じて、失業者の群を背景にした賃下げや、違法、脱法何でもありの出し抜き合いや、経済の軍事化。
③そうした競争、対立の果て、国家ぐるみ経済の果てである、戦争も起こる。実際の戦争だけではなく、今は通貨戦争もある。相手の貨幣価値をとことんたたき落とすことによってだけ儲けようという、そんなやり方である。
世界的金融規制ほど今必要なものはない。新時代には新時代の法律が要るように、世界新時代には世界新時代法が要るのだと愚考する。
というように、日米政府自身が阿漕な国際金融商売をやってきたからこそ、IMFもアジア開発銀行も嫌われてきた。それで、AIIB、アジア・インフラ開発銀行が今や参加90か国。日本が総裁のアジア開発銀行は60か国台。なのに。商売本位のトランプ・アメリカがここに加入したら、安倍は一体どうするのだろう。
「中国さん、入れて下さい」ってか?
大歓迎はしてくれるだろうが、そうなったらアジア開発銀行って、存続できるのかね? それはそれで日本政府の面子丸つぶれだが・・・。本質論議が苦手な安倍には、蛙の面にションベンなのだろう。
名義貸しばかりで、金の集まらないAIIBなんて。
サヨ達、どう?
前者が67国で、後者77か国。そして、後者はまだまだ伸びるでしょう。
歴史と伝統がある前者がいかに役に立っていなかったかの証明になる数字だと思います。前者の出資要件が厳し過ぎて、本当に貧困な国には役に立っていなかったのではないでしょうか。さらには、中国の出資枠を増やしてくれと言っても、日米が連んで歯牙にもかけなかったという歴史が重なっている。
日米の世界向け失政が招いた、身から出た錆ということ。最貧国からも、最富裕国が金を儲けようとしていたという、情けない話なんですよね。