九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

朝鮮日報より   らくせき

2015年06月20日 10時15分58秒 | Weblog
北朝鮮で100年ぶりの大干ばつが発生し、大きな被害が出ていることがわかった。中国や日本など周辺国などのメディアも関心を示し、特に干ばつが北朝鮮政府に及ぼす影響について鋭意注視している。


 北朝鮮の朝鮮中央通信は16日「朝鮮各地の農村では、100年ぶりの干ばつで大きな被害が発生している」と報じ、その深刻さを訴えた。同通信は「8日に集計された資料によると、すでに田植えを終えた44万1560町歩以上の水田のうち、13万6200町歩以上で稲が枯れている」「穀倉地帯の黄海南道では水田の80%、黄海北道でも58%が干上がっている」などと伝えた。北朝鮮が国営通信を通じて海外にこのような現状を伝えるのは異例だ。


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新聞の片隅に載ったニュースから(番外編ⅩⅧ 2015.6.19)   大西五郎

2015年06月19日 19時09分15秒 | Weblog
番外編ⅩⅦにつづいて新聞の投書の紹介です。埼玉県の61歳の非常勤地方公務員の方の自分を日本国憲法に例えて、憲法改正の動きを批判するユニーク筆法の投書と、新聞の投書こそ民の声で、国・地方の議員はちゃんと読んで欲しいという投書です。

私の名前は日本国憲法です 埼玉県非常勤地方公務員61歳(朝日新聞 2015.6.17)

私の名前は日本国憲法です。今年で68歳になりました。物心つく頃から「日本生まれではない」と批判する人がいました。それでも命は命。順風満帆とは言えないけれども、他人との争い事を極力避けて、穏やかな生活を営んできました。
ところが最近、私に「治療しないと生命に危険が及ぶぞ」と恫喝まがいの忠告をする人が増えてきました。病気でもないのに、とりわけ心臓部に当たる9条に腫瘍があると言って治療を勧めたり、米国製のバイパスを付けた方がいいんじゃないかと言ったり、いらぬお世話をする人々がいます。
バイパスなど付けてしまえば、穏やかな生活が崩れてしまうかもしれません。それなのに、専門知識のない輩が、騒ぎ立てるのは変です。
先日、私は3人の専門医の検診を受けました。先生方は3人とも、バイパスを付けるのはおかしいと断言なさいました。本当に病気で手術が必要なら、きちんとした手続きを踏むべきだともおっしゃいました。
素人は勝手な思い込みを捨て、専門家の意見に真摯に耳を傾ける姿勢を持つべきでしょう。

庶民の声のありどころ 熊本市無職79歳(毎日新聞 2015.6.17)

「みんなの広場」(註:毎日新聞の投書欄)今月5日に掲載された投書デスクのコメントが目に留まりました。5月の一般投書は1674通(1日54通)とのこと。読むだけでも大変だと思います。
私たちは一応「言論の自由」という社会に生きております。しかし、自分の思いを述べるところはまことに少なく、新聞に投稿し、取り上げて掲載していただくならば、幸甚というものです。
ゆえに私は「みんなの広場」をよく読みます。「ああ、こんな考えもあったのだ・・・・」と感心することが多く、勉強になります。
ところで忙しい議員の諸氏は、新聞は見出しだけ、とても投書欄に目を通す余裕はないというのが現実だと思います。しかし、投書欄には一般庶民の切実な声が掲載されています。寸暇を割いてでも読んでいただき、国、地方の政治に生かしていただきたいと思います。
庶民の声は魅力的ではないけれども、地に足の着いたすばらしい声があります。

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

埼玉県の非常勤地方公務員の方の投書はユーモアの中に鋭い指摘があって、安倍さんが読んだらドキッとするのではないでしょうか。いやあの人にはそう感じる柔軟性を持っていないかもしれませんね。熊本市の79歳の方のご意見には私も同感です。皆さんも、そういう心算で投書欄を読んでいただくといろいろ感ずるところがあるのではないでしょうか。
                                   大西 五郎
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東海放送人九条の会<ものみやぐら>より

2015年06月18日 09時37分09秒 | Weblog
NNN調査で集団的自衛権行使反対62.5%  安倍内閣支持率は41.1%と誕生以来最低
                              2015.6.15 代表委員 大西 五郎

NNN(日本TV News Network・この地方では中京TVが加盟)が6月12~14日に新安全保障法制や安倍内閣について世論調査を行い、その結果を14日夜のNNNニュースで発表しました。
国民の間には、法案が憲法に違反しているという疑念や安倍内閣の審議の進め方に強い不満があることが覗える結果でした。このため安倍内閣への支持率も内閣結成いらい最低となりました。
以下各質問項目に添って回答内容を見ていきましょう。
[集団的自衛権の行使反対62.5%]
Q 安全保障関連法案のなかには、憲法の解釈を変えることによって、同盟国などが攻撃を受けた場合、日本が攻撃をされたことと見なして、反撃することができる集団的自衛権の行使を、実際に行なえる内容が含まれています。あなたは、実際に、集団的自衛権を行使できるようにすることでよいと思いますか、思いませんか。
(1)思う          23.8%
(2)思わない        62.5%
(3)わからない、答えない  13.7%
[集団的自衛権の行使は憲法に違反する51.7%]
Q 衆議院の憲法調査会での審議で、出席した3人の憲法学者全員が、法案に含まれている集団的自
衛権の行使について、憲法違反にあたると表明しました。これに対して安倍内閣は、これまでの憲法解釈の範囲内にあり合憲だと説明しています。あなたはこの法案には、日本国憲法に違反する内容が含まれていると思いますか、思いませんか。
(1)思う          51.7%
(2)思わない        16.8%
(3)わからない、答えない  31.6%
[安倍内閣は法案の内容を国民に十分説明していない78.7%]
Q あなたは、安倍内閣が、この法案の内容について、国民に十分に説明していると思いますか、思いませんか
(1)思う          12.5%
(2)思わない        78.7%
(3)わからない、答えない   8.8%
[今国会での法案成立はよくない63.7%]
Q あなたはこの法案を、今の国会で成立させることでよいと思いますか、思いませんか。
(1)思う          19.4%
(2)思わない        63.7%
(3)わからない、答えない   8.8%
 
※なお、NNNの調査はこれ以外にも質問がありますが、インターネットで「NNN世論調査」を検索しますと、読むことができます。
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新聞の片隅に載ったニュースから(番外編ⅩⅦ 2015.6.17)   大西五郎

2015年06月18日 09時31分40秒 | Weblog
6月17日の朝日新聞に作家の森村誠一さんが安保法制問題についての安倍首相の手法を批判する投書が掲載されていますので、紹介します。

最高責任者こそが明白な危険 作家 森村 誠一(朝日新聞 2015.6.17)

開いた口が塞がらないとは、このことでしょう。3人の憲法学者が衆院憲法審査会に呼ばれて、安全保障関連法案を「違憲」としたのに対し、政府は「行政府による憲法解釈として裁量の範囲内」と反論しました。学者は黙れと言わんばかりです。
ところが、中谷元・防衛相は2年前、雑誌の対談で「(憲法の)解釈のテクニックでだましたくない」と述べています。
そもそも不戦憲法は米国製ではなく、人間性を否定する戦争にうんざりした日本国民の総意によって生まれたものです。戦争は、敵に殺される前に国家によって国民の人生が破壊されるものです。
安倍政権は、戦争可能な国家に改造しようとしていますが、相手国と話し合うのが順序です。
憲法の解釈を閣議で決定するのは、同族会社の会議のようなもの。百家争鳴になっても、一番偉い社長や会長の鶴の一声で決議されてしまうのと同じです。
現在、国の存立と国民の権利にかかわる明白な危険とは何か。それは一番偉い最高責任者であると言っても過言ではありません。

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

安倍首相が、憲法学者たちから「憲法違反だ」と言われている安全保障関連法案について「行政府による憲法解釈として裁量の範囲内だ」と言っていることに、森村さんは驚いて「開いた口が塞がらない」と言っています。
口ぐせのように「総理大臣は私です」「私が最高責任者です」と言う安倍首相が「戦後レジームからの脱却」を唱え、「今の憲法は占領軍の押し付け憲法だから改正しなければならない」と言っていることに「平和憲法は国民の総意だ」と言っています。そして「戦争可能な国を目指して、閣議で「集団的自衛権の行使は憲法違反に当たらない」と解釈改憲を強行しようとしていることを「最高責任者こそが明白な危険だ」と言っておられるのだと思います。私もその通りだと思います。
この他きょうの朝日新聞には、「安保法制 こうしてはいられない」という鹿児島県の73歳の男性や「国旗国歌の要請は行き過ぎ」という愛知県の72歳男性は「日の丸・君が代の問題点は、先の戦争を鼓舞する役割を果したことだ」と指摘しておられます。またきょうの毎日新聞にも「安保法案引っ込めるべきだ」(福岡県66歳女性)や「戦争体験者の声 謙虚に聞け」(大阪市50歳男性)という投書も載っています。
2~3日前の中日新聞には「憲法勝手に変えないで」という愛知県弥富市の14歳中学生の投書も載っていましたが、この中学生は「私はいままで『戦争は嫌いだ』と言いながら「憲法で決まっているし、絶対に戦争するわけない」と思っていました。でも最近、新聞で憲法改正に関するさまざまな記事を読み、なんとなく不安な気持になりました。」と言っています。
新聞の投書には世の中の人々が考えていることを知ることができて、不謹慎な言い方かもしれませんが、それなりに面白いです。                                        大西 五郎
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中央日報より     らくせき

2015年06月17日 09時47分45秒 | Weblog

「慰安婦問題に相当な進展があり、交渉の最終段階にある」 (朴槿恵大統領、12日のワシントンポストとのインタビュー)

「容易でない交渉なのでゆっくり行っているが、最近になって少し意味のある進展がある」 (尹炳世外交部長官、15日のワシントン特派員懇談会)

政府が旧日本軍慰安婦被害問題の解決に向けた韓日間協議に関し、相次いで「進展」に言及した。朴大統領が「相当な進展」と発言してから3日後、尹長官は「意味のある進展」と語った。尹長官は「適切な時期に協議がアップグレードされる必要がある」とも述べた。現在の局長級協議をさらに高位級に格上げする必要があるという意味だ。政府が慰安婦交渉に楽観論を展開したのは異例だ。

一方、日本は韓国と温度差がある。菅義偉官房長官は15日の定例会見で、「(朴大統領の発言)趣旨が明らかではないので言及を避けたい」と述べた。慰安婦問題が1965年の韓日請求権協定で解決済みという日本の従来の立場も再確認した。

「進展」に対する解釈の違いは、現在、両国が最後の“綱引き”中であることを示唆している。外交部の当局者は「9つ解いても残りの1つが解けなければ妥結にならない」とし「悪魔は細部に宿るという言葉もある」と述べた。日本の外交消息筋も「密度のある協議が進行中だが、時間がかかりそうだ」と述べた。

交渉に関与している当局者の言葉を総合すると、両国は謝罪の主体と方式、金銭的賠償または補償方法などをめぐる隔たりを狭めていきつつあるという。交渉に参考となるのは、いわゆる「佐々江案」だ。2012年に当時の佐々江賢一郎外務事務次官(現在は駐米日本大使)が訪韓して提示した案だ。日本首相の謝罪の手紙を駐韓日本大使が被害者に伝え、日本政府の予算で人道的措置のための資金を支援するのが骨子だ。

韓国の基本の立場は「佐々江案+アルファ」だ。謝罪の表現で日本政府が明らかにしてきたものより進展した内容を要求しているという。

両国間の交渉で最大の難題は日本の国家的責任を認める点だ。法的賠償問題とも直結するため、日本は譲歩できないという態度を見せている。韓国側は、いかなる方法であれ旧日本軍または日本政府が組織的に慰安婦を動員したという事実が含まれるべきだと主張している。

両国が外交的に合意するとしてもそれで終わるわけではない。さらに難しい自国内の世論説得が残っている。政府は日本と交渉を始める時から「慰安婦被害者と国民が受け入れることができるレベル」が基準だと強調してきた。韓国挺身隊問題対策協議会のユン・ミヒャン代表は「河野談話で慰安婦の強制性は認めたが、日本軍の計画のもとでしたという内容はない。今回は日本政府が計画的、強制的に慰安婦を動員したという内容が入るべきだ」と述べた。国民大の李元徳(イ・ウォンドク)日本学研究所長は「両国指導者が政治的な決断をしなければいけない問題」とし「今回、朴大統領がそのような意志があることを見せたということ」と話した。

尹長官が日本に行く案を前向きに検討しているのも、韓日関係改善の意志があるという信号を送ろうというものだと、政府当局者は話した。

東西大の趙世暎(チョ・セヨン)特任教授(元外交部北東アジア局長)は「尹長官が50周年記念式に出席し、外相会談を通じて意見を交換すれば、それ自体でも成果」と述べた。 .


興味深いひとつは、この記事を読んだ感想です。

【今日の感想】この記事を読んで・・・興味深い(4件)悲しい(2件)すっきり(0件)腹立つ(1203件)役に立つ(1件)..


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朝鮮日報より    らくせき

2015年06月15日 09時36分17秒 | Weblog
日本の初代首相を務めた伊藤博文は1887年、当時小学生だった皇太子にかばんを一つ贈った。帝国主義日本陸軍の歩兵が背負っていたかばんを模した、ランドセルだった。この皇太子は、およそ20年後、大正天皇(在位1912-26)になった。ランドセルの由来は、日本軍国主義の精神を小学生に教えるところから来ているわけだ。日本のあるバラエティー番組では、革で作った丈夫なランドセルの横に付いている、靴の袋を提げるための環が、もともとは手りゅう弾をつるすためのものだったと説明していた。2015年の今も、日本の小学生はランドセルを背負って学校に通っている。ランドセルを背負った日本の子どもたちを見るたび、軍国主義が重なって見えてどうにも困る。


 こんなランドセルが、SKテレコムのテレビコマーシャルに登場した。SKテレコムは、子どもが手首に付ける小型スマートフォン(多機能携帯電話端末)「キッズフォン」を宣伝するコマーシャルの中で、子役がランドセルを背負って出てくる場面を映し出した。ランドセルをコマーシャルに出した理由は単純だ。ランドセルが、このごろ小学生の間で最も人気あるアイテムだと判断し、そのイメージをキッズフォンに重ねようとしたのだ。SKテレコムのキッズフォンは、教育熱が高い地域の母親によく売れる人気商品になった。


 日本が誇る伝統文化にしてユネスコ(国連教育科学文化機関)が指定する世界無形文化遺産でもある歌舞伎は、一時、公演禁止で廃止の瀬戸際にまで追い詰められたことがあった。70年前、日本が第2次大戦で米国に敗れた後、占領軍としてやって来たマッカーサー元帥が、軍国主義の残滓を一掃するという観点から下した措置だった。「日本の美意識の精髄」だった歌舞伎さえ、マッカーサーの目には軍国主義の精髄みなぎる演劇と映ったのだ。2年後に解禁された歌舞伎は、高度経済成長期やバブル期を経て再び最高の人気を博するようになったが、最近では徐々に若者の関心の外に追いやられつつある。


 今では日本のドラマにほとんど登場しない歌舞伎の用語が、KBS放送の人気ドラマに出てきた。KBSの金・土ドラマ『プロデューサー』で、主人公が何度も「さんまい」「にまい」という言葉を口にしたため、意味が気になった視聴者がNAVERに質問を書き込んだ。さんまいは「三枚目」、にまいは「二枚目」という歌舞伎用語から来ていた。歌舞伎の舞台の横には、主な俳優8人の名前が掲げられる。2枚目には美男役の男優の名前、3枚目には道化役の俳優の名前が書かれた。KBSの制作陣は、テレビ放送局が背景になっているドラマの現場の雰囲気を生かそうと考えて、こういう単語を使ったのだろう。


 韓国の若者の傍らには、まだこのように、韓国人が知らない日本軍国主義の残滓がある。SKテレコムがランドセルの由来を知ったら、テレビの画面に日本軍国主義の象徴を映すことはなかっただろう。2カ月後には、光復(日本の植民地支配からの解放)70周年を迎える。日本と日本人の軍国主義について、韓国人が何を知らずにいるのか、一度考えてみるのはどうだろう。例えば、第2次大戦のA級戦犯として死刑になった東条英機元首相が、日本の法律では「戦犯」に分類されていない、というようなことを。


コラムのタイトルは、韓国に今なお存在する日本軍国主義の残滓です。


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ハリルジャパン(10) 3連勝、イラク戦  文科系

2015年06月13日 07時20分57秒 | スポーツ
 一日遅れながら、イラク戦記を書く。ほとんど、ゲーム当日には書いてあったものだが、昨日はランニング日誌のほうを優先してしまった。好きなお人には、許されたいと申し上げておいて、さて。


 4対0の完勝、これで監督交代以降ずっと3連勝である。得点も2対0、5対1、4対0と、ほぼ文句なし。そしてこのイラク戦は、ハリルになって改善された点がさらに良くなっていると観ていた。以下のように。

①敵陣にある相手ボールへなど、守備が凄く良い。敵選手に対して、マークやプレスが組織的かつ厳しくなったかして、イラクはボールをなかなか前へとつないでいけないという場面が多く観られた。これでは、味方DFラインの練習にはならないというほどに。ただ、⑤で書くように、ホームで序盤2得点もすれば、こういうゲームになることも多いという典型だと思う。この点はちょっと残念。

②それでボールを奪うと即、多数がゴールへと走ること走ること。ボール保持者が前を向けば、パスコースが何本も見えるという場面が多かった。この「前と中盤の信頼関係」が、このゲーム最大の特徴であろう。その内一本のコースに通せば、そこでまた次へのコースが多数! 岡崎の3得点目などは何本のパスが通った結果だったか。この場面の最後はとにかく、柴崎・宇佐美・岡崎と繋がっていった。「ゴールに対してダイレクトに!」という指導がこれほど徹底した代表ゲームも珍しいのではないか。

③こうしてシュート数比較では、おそらく25対5ほどではなかったかな。(後で新聞で確認したが20対3だった)

④柴崎と宇佐美が文句なしに良かった。
 柴崎は本田と岡崎の得点について、起点になった。以前よりもさらに視野が広くなっているのではないだろうか。1得点目の本田へのスルーなどは、敵と全速力で競り合っている本田に難なく通していたし、3得点目の宇佐美へのパスも、敵味方入り乱れたゴール前でかなり難しい場面のはずを、やはりダッシュしている宇佐美にぴたりと合わせた。
 宇佐美は彼としては珍しいほどにダッシュを繰り返していた。言われた通りに、身体を絞りつくしてきたのだろう。それでこそ持ち前の技術が光るというもの。特に、パスが多い日本にあって香川とともにゴール前方のドリブルが光っていた。3得点目の岡崎へのパスは、自分でも打てたけど出したと語っていたようだが、岡崎が絶賛していたものである。

⑤ただ、日本のホームだし、初めに2得点も取ればこういうゲームになりやすいことは確かだろう。日本が最も弱いディフェンス陣の組織的闘争を観たかったのだが、全く観られなかったのはとても残念だった。まー、本番になって緊張した場面がくれば、どんどん観られるだろう。DF陣のラインコントロールは槙野がするようになったらしいが、今後楽しみなことだ。浦和のDFを高評価して、森重から槙野へとセンターバック先発を替えたということだろうが、その可否をもっと観たかった。浦和守備陣の健闘からすれば、妥当な線ではあると思う。


⑥このゲーム、ちょっと歴史的なものになったと予言しておきたい。柴崎、宇佐美、そして槙野がレギュラー先発を取ったのではないか。
A 柴崎の技術は定評のあるところだが、それを使う視野がさらに広くなり、ゴールへの直結度も研ぎ澄まされてきた。まだ22歳。ヒデ、俊輔、小野、遠藤という日本が唯一世界に誇って来られた攻撃的中盤に、ヒデ以来の逸材がとうとう現れたと言いたい。先輩たちの長所が全て詰まった遠藤を、徹底的に研究したのだろう。宇佐美、香川、本田と良いパスの受け手が3人も居るのだから、彼の成長はもっと期待できるはずだ。ヒデなみの頭脳を持っているのではないか。

B 宇佐美が化けた! 「体脂肪率を減らせ!」というハリルの厳命がよほど効いたらしい。身体が絞れたとは聞いていたが、あんなにダッシュを繰り返えせる宇佐美は初めて観た。敵が2~3人周りにいてもお構いなしというゴール前のドリブルもどんどん繰り返せるようになったはずだ。香川と2人、全くタイプの違ったドリブラーが居ては、敵もさぞかしマークが難しいだろう。

C 槙野のラインコントロールが早くみたい。また、彼の潰しの能力も噂通りのものかどうか、楽しみである。
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新聞の片隅に載ったニュースから(202)     大西五郎

2015年06月12日 16時09分26秒 | Weblog
憲法、平和、戦争、原発、秘密保護法―後援拒否が倍増(15.6.10 毎日新聞)

毎日新聞が4~5月、「憲法」「平和・戦争」「原発」「特定秘密保護法」の四つをテーマとするイベントについて2010年~14年度に後援申請を断った件数を自治体に尋ねたところ、5年間で倍増していた。
対象は都道府県と政令市、東京23区、人口が10万人以上の市の計337自治体で、回答は約8割の282自治体からあった。申請を断ったのは65自治体で計154件。11年の福島第1原発事故で申請が増えたとみられる「原発」が64件、「憲法」55件、「平和・戦争」33件、「秘密保護法」2件。年度別では、10年度19件、11年度も23件と横ばいだったが、13年度42件、14年度36件と10年度からほぼ倍増した。
以前に応じていた後援を断るようになったケースは10件。うち「憲法」が6件と過半数を占め、「平和・戦争」「原発」が各2件だった。
千葉市は14年1月に内規を見直し「論点が分かれているとされる事実などについて主観的考えを主張すると認められる時は後援しない」という要件を追加した。市は「後援すれば主張にお墨付き与えたと取られかねない。どこで中立性を線引きするか、各自治体も悩んでいるのではないか」と話す。

□ □――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

前掲の文章は、毎日新聞が10日から連載を開始した「不寛容の時代第2部 萎縮する社会」第1回の記事の一部です。「不寛容の時代」は「意見の分かれる政治課題や歴史認識、社会問題に対し、口をつぐむことが社会に強いられている」という「不寛容の時代」の現状と問題点を探ろうという企画です。
最近は後援の拒否だけでなく、イベントや展示の会場の使用を不許可にすることが日本中に広がっています。この「新聞の片隅・・」でも紹介しましたが、埼玉県の新座市は市民団体が行おうとした従軍慰安婦についての展示会に市の施設の使用を断ったり、東京・杉並区の中学校ではだしのゲンの英語版翻訳者の講演が決まっていましたが、前日に校長が断ってきたということもありました。この時校長は講演会を中止する理由について「近頃の事情」と言ったそうです。
この地方でも津島市と津島市教育委員会がそれまで毎年行っていたつしま九条の会の講演会への後援を昨年は断ったりしています。しかしつしま九条の会は津島市教育委員会・津島市と話し合う会を開くなどして、九条の会は戦争に反対し、平和憲法を守ろうと活動していることを説明すると、教育委員会・津島市も「つしま九条の会が尊い活動をしていることを理解しました」と、今年7月に行う10周年の集いでの川口肇さんの講演会の後援を復活することになりました。
最近リビジョニストと言われる人たちが「日本の過去は正しかった」という自分たちの考えを一方的に押し付ける風潮が高まっています。それに対して攻撃を恐れて口をつぐめば、再び「いつか来た道」に戻ることになります。つしま九条の会の経験は、当局側を非難するだけでなく、粘り強く説得する話し合いが必要なことを教えてくれています。
                                               大西 五郎
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「よたよたランナーの手記」(120)  無事ラン、これ極楽  文科系

2015年06月12日 09時43分39秒 | Weblog
 5月31日に前回を書いてから、久しぶりだ。あのとき書いたみぞおちの不快感は慢性胃炎からだと診断。数年前に除去したピロリ菌が、長年痛めつけてきた胃の持病なのである。普段は自覚症状がないのだが。
 この胃の不快感や名古屋市の特定健康診断関連の絶食1日などであまり走れなかったその結果は、老いの身にはてきめん。走るのが間遠になった。1日8.5キロ、4日9.1キロ、8日にサイクリングで、10日9.3キロ、11日9.7キロである。ちなみに、このランのほとんどは70分走行の距離である。4日以来のランになる10日などはへろへろになって、事後の疲労感も相当なもん。筋肉も弱っているとはっきりと感じられた。14日から一週間台湾旅行に行くから、12,13日もしっかり走っておこうと目論んでいる。本日11日の感じでは、あと2日続けて走り込めば、僕の平常状態が戻ってくるだろう。ただし、右アキレス腱と左膝にごくごく軽い痛みも出るようだから、要注意である。

そんなことから最近はよくウエートトレーニングにも時間を割いてきた。仰向けになった腹筋台で目を閉じてゆっくりと30回ほどの上体起こしをしていると、いろんなことが思い浮かぶ。〈へろへろになった昨日。それが今日、これだけの回復・・・まだまだラン極楽を続けていける。そう言えば、激しく走った後のこの小休止も、極楽、極楽! 目を開けてみよう。真上の強い明かり・・・ちょっとまぶしいな・・・好きな眺めだよな!〉
 そして、こんなことにも考え及んでいく。
〈これからは現状維持の苦労がどんどん増えていくばかりだろう。1~2日置きで走らないと維持できないというだけではなく、怪我の心配も出てくるというように。うっかりしているとすぐに筋肉が衰えて、怪我が増えていく。これはとても怖いことだ。年を取ったらとにかくこれ。『無事、これ、名馬』。そして、この無事の楽しさのためにも、鍛錬が必要になっていくということだろう。楽しむために、それでこそ、頑張れるというものだ。〉
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憲法曲解賛成法学者の共通点   文科系

2015年06月11日 09時55分51秒 | 国内政治・経済・社会問題
 管官房長官の「政権憲法解釈に賛成の学者はたくさん」とは、どうやら10人ほどのようです。そして、その共通性がこの2~3日で見えてきた思いがします。大山鳴動ネズミ一匹で、こういうもののようです。日本国憲法よりも、国連憲章の集団的自衛権を上に置く人々、だから当然、日本国憲法を改悪したい人。そういうことのようです。

 でもこれ、誤りですよね。日本国憲法を正規の手続きでちゃんとそう変えてから「集団的自衛権が・・・」と語ってほしい。そうでないならどう言い張り、どう転んでも、こうにしかならないはずだ。
「現実の国際情勢は、集団的自衛権を日本に要求しているが、現憲法にはこれは許されていない」

 憲法に明記してない権利を必要と語るのならば、憲法を作り替えるしかないということです。ましてや、現政権が同じことを望んでいるのだから、こんな憲法学者の意見を通すのは立憲主義を踏みにじる前例を認めさせることになる。許せるわけがないはずです。

 さらには、今は口でなんと言いくるめようとも、自衛隊の若者が地球の裏側まで出かけて行き戦いに巻き込まれることになるわけですから、大変なことのはず。ましてや、戦後から今まで国連を無視して世界の憲兵を名乗ってきたアメリカが受けてきた世界各地の恨みをも同時に日本自衛隊も背負っていくことにもなっていく。チリやアルゼンチン、ニカラグァなどの中南米からも、ユーゴやイスラエルに蹂躙させてきたアラブ、特にイラク、イランからも。これからこんな積年の憎しみが転嫁されてくる自衛隊員に対しては、詐欺みたいなことにもなっていくはずだ。
 国民の息子たちの命を、口から出任せで軽く扱っているようで、我慢がなりません。
 
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随筆  自分の身体は自分で守る!  文科系

2015年06月11日 05時15分55秒 | 文芸作品
 僕は所属同人誌の自作、他の人の作をこのブログにどんどん載せてきた。随筆も小説も。14年1月1~3日には、「死に因んで」という自作小説を連載させていただいたが、その中心モデルお二人が今年相次いで亡くなった。青天の霹靂、この小説を書いたときには何の想像も出来なかった、それこそあっという間の出来事だ。そこの名前で、吉田君と堀君なのである。二人とも癌。
 吉田君については14年8月18日のここに「こんな死に方も」という随筆を書かせていただいているから、皆さんにはこういう個性的な死に方もあると是非知っておいていただきたい。そう、先ず申し上げておきたい。今振り返れば、この「死に因んで」を載せた同人誌を彼らを含んだ常連飲み仲間全員にお渡しした去年2月例会では、吉田は皆には黙ったまま死を覚悟していたのだ。なんと言って良いのか、とにかく万感胸に迫るというやつ。その後は何回も彼のホスピスに通ったものだった。と申し上げて、その上で・・・・

 堀の告別式が昨日あった。堀も吉田も、高校3年間をともにして、この6年ほどは8人の定期的飲み会の仲間でありつづけてきた友人だ。2か月に1度ほど開いて確認電話など無くとも誰一人欠かさず全員出席だったから、お互い相当に気が合った仲良しになりあっていたということだろう。それが去年からこうなった。吉田が春から、堀が同初夏の頃から、欠席に。吉田は肺がんが腰骨などにも転移していて、一昨年の暮れにはもう彼流の死を受け入れていたのだ。堀は7年前に喉頭癌をやって、昨春に胃がんが発覚。既に末期であって、全身のリンパ腺にも病気が広がっていた。そこで皆が疑問に思ったのがこのこと。どうしてここまでなる前に何も気づかなかったのだろうと。結論はこうだ。一度癌になっても、自分から調べなければ医者は何も指示してくれないということ。堀の場合は特に、生涯独身とあって、生活を脇から観ていてくれている人もいなかったのである。そう言えば、吉田も数年前にお連れあいさんを大腸癌でなくしている。「男ヤモメにウジがわく」とは昔からよく聞いた言葉だが、彼らの死からそんなことわざを連想していた。

 堀は自営業の長男。兄弟も多い。両親を看取って、兄弟の子らの面倒もよくみていたと聞いてきた。甥らしい青年複数がかなりの涙を流していたので、彼のこの面倒見の良さが偲ばれたものだった。

 みなさん、癌の定期検診はしましょうね。先ず、胃がんとそれ以上に多くなりつつあるといわれ始めた大腸癌。いずれも内視鏡検査が一番良い。肝臓も腎臓も、そして前立腺などにも超音波検査があります。これら全部をやっても保険が利いて、何も異常がなければ先ず1万円ちょっとで済みます。名古屋市在住高齢者は毎年6月には全員特定健診連絡がかならずあるはずで、そのついでに僕はこの全部をやってきました。ピロリ菌による慢性胃炎に、前立腺肥大もあるからですし、お酒を飲んできたからガンマーGTPがちょっと高くって肝臓への注意もいる。なお、数年前僕はピロリ菌を除去しました。胃がんの90%以上はピロリ菌原因という説まで出て来たからです。だけどこのピロリ菌、居ると分かった人にも医者は積極的には教えてくれないようだったし、除去にも熱心じゃないとずーっと感じてきましたね。これが巣くっていても知らない人が多いはずです。そもそも、内視鏡検査をしたことがない人にはその有無が分からないのだから。胃がんはもう激減させることが可能なのに、これをする意志が厚生省に感じられないとさえ僕は観ています。ピロリ菌除去が健康保険適用になったのも、つい最近のことでした。

 僕はとにかく、活動年齢を延ばしたいのです。これを含めて、自分の身体は自分で守る。当たり前のことですが、吉田、堀両君の死で改めてそう決意したことでした。

 僕らの飲み会、8人が6人になって、とても寂しくなりました。5月には、吉田の黙祷。7月も堀の黙祷から始まるはずです。最後の2人は誰だろうとか、2人になってもやろうなとか、そんなことも言い合わせているこの頃なんです。
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暴力政権、例二つ  文科系

2015年06月09日 20時29分34秒 | Weblog
 今日の中日新聞夕刊にもこんな記事が二つあったので、全国に拡散したい。二つとも、表記のように「暴力政権、面目躍如」というところ。

 一つはこれ『政治的アート展示問題 狭まる「表現の自由」』。
 昨年2月に東京都美術館である政治的アートが撤去や手直しを求められて、アート作品自身の一部張り紙を剥がさざるを得なくなった問題。今年は同じような作品が認められたので、違いは何かと問うたところ、前回は「現政権とその政策を具体的に批判していたので館の要綱に抵触する」と答えたようだ。
 さて、今年のことだが、去年と同じ作品をドイツのベルリンで、あるNPOが展示したという。「こんな作品が日本では展示要綱違反?」と、大騒ぎになったようだ。
 長野だったかの文芸作品無断不掲載とか、この政権になってからのこういう事件はかなり酷い。第一次安倍内閣がNHKにこっそりイチャモンをつけたのも、今では有名な話。文教族が多い安倍の属する森派が、都道府県の教育委員会を文科省の上意下達でどんどん締め付け強化してきたのだと推察してきた。
 教育の政府からの独立性こそ、戦後新生日本の象徴だったはずだ。この教育委員会の独立性も今や、自治体首長の介入強化によって骨抜きにされようとしている。
 国の将来を左右する教育を短期視点で上意下達体制に変える戦前型暴力政権に近づいていると言える。そういえば、大学の人文科学系、社会科学系を縮小しようとの動きもあるし、大学に日の丸を掲げさせようとも策動しているようだ。ただでさえ人文科学系が弱く、社会科学系はノーベル賞ゼロなのに、この上弱くなったらどうなるのだろう。数十年後に禍根を残すような後悔を招く近視眼的にねじ曲がった仕打ちである。

 もう一つは、こんな見出しの記事だ。
『「学者の言うとおりで平和が保てたか」 高村氏「違憲」に反論』
 この発言の骨子、肝はここだろう。
『60年前に自衛隊ができたときに、ほとんどの憲法学者が憲法違反だと言っていた。学者の言う通りにしていたら自衛隊も日米安全保障条約もない。日本の平和と安全が保たれたか極めて疑わしい』
 この話自身が全く仮定の論法であって、まず、保たれなかったという証明ではない。ついで、こういうアヤフヤな反論で、ほとんどの法律学者と、彼らの「立憲主義を無視している」から法体系根幹を揺るがすという重大批判とに反論できていると目論んでいるというのが、僕には滑稽にすら映る。つまり、味噌も糞も一緒にした非構造的思考という、トロサの極地と見えるのである。こんな断片的論理で立憲主義を踏みにじったら、憲法などいくつあっても足りないだろう。つまり憲法など無いと同じになって、法律とは現政権の考えだけで独行するものというように、数の暴力を次々と強行していく粗暴そのものとなろう。いや、狂暴ということになる。
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新聞の片隅に載ったニュースから(201)  大西五郎

2015年06月07日 13時58分43秒 | Weblog
「立憲主義の危機」シンポに1400人 憲法学者批判続々(15.6.7 毎日新聞)

安全保障関連法案の衆院審議が続く中、京都大学名誉教授で憲法学者の佐藤幸治氏が6日、東京都内で講演し、「憲法の個別的事柄に修正すべきことがあることは否定しないが、根幹を変えてしまう発想は英米独にはない。日本ではいつまでぐだぐだ(根幹を揺るがすようなことを)云うのか、腹立たしい」と述べ、憲法を巡る現状へのいらだちをあらわにした。法案を巡っては4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦の参考人・長谷部恭男氏を含む憲法学者3人全員が憲法9条違反だと批判。自民は当初佐藤氏に参考人を要請したが断られ、長谷部氏を選んでいた。
佐藤氏は「(憲法という)土台がどう変わるか分らないところで、政治と司法が立派な建物を築くことはできない」とも語り、憲法の解釈変更で安保法制の整備を進める安倍政権への不信感をにじませた。
講演は「立憲主義の危機」と題するシンポジウムで行われた。続く討論で安保法制について、樋口陽一・東京大名誉教授が「(関連法案の国会への)出され方そのものが(憲法を軽んじる)非立憲の典型だ」と、また石川健治・東京大教授が「憲法9条の論理的限界を超えている」と、憲法学の立場から政府のやり方を厳しく批判した。
会場の東京・本郷の東京大構内では、開始前に700人収容の会場から人があふれ、急きょインターネット中継を利用して300人収容の別会場が用意された。だが、そこも満員で立ち見が出る盛況ぶりで、最終的に約1400人が詰めかけた。開始20分前に付き、別会場に誘導された埼玉県入間市の日本語教師の男性(66)は、「安保法制の進め方は民主主義とは違うと感じていた。それが確かめられ、すっきりした」と満足そうに話した。
主催した「立憲デモクラシーの会」は昨年4月に設立され、樋口、石川両氏のほかノーベル賞を受けた理論物理学の益川敏英氏など日本の代表的知識人約60人が呼びかけ人に名を連ねている。

□ □――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

政府が国会に提案した安全保障関連法案について、日本の憲法学の第一人者の人たちが「憲法違反」と批判しています。また3日には愛敬浩二名大教授らが呼びかけ人となって「安保法の廃案を求める声明」を発表しましたが、170人を超える学者が賛同を表明しています。昨日のシンポジウムへの市民の参加状況を見ても、多くの国民が政府の強引なやり方を批判していることが分ります。
きょう(7日)の中日新聞は「『行使基準』から『違憲性』へ安保法案審議の焦点移る」として、これまではどういう状況なら集団的自衛権の行使がゆるされるかの基準に議論が集中していたが、法案の違憲性に論議の潮目が変わった。政府側は「憲法解釈は行政府の裁量の範囲内と反論しているが、この説明は「政府が合憲と判断したから合憲だ」と主張するに等しいと政府を批判しています。国会の審議状況を監視していきましょう。
                                              大西 五郎
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今ひとつ、安倍政権の愚かさを   文科系

2015年06月07日 07時03分22秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日のコメントを改めてエントリーにしたい。安倍政権の得手勝手さ、愚かさの証明として。管官房長官のある言動についてなのだが、「日本に3人しかいない?アベ憲法解釈への賛成法学者」を「たくさんいる」と強弁した管さんの、面目躍如たる発言である。こんな態度では、ヘイトスピーチも無くなるわけがないし、日韓関係は永久にうまくいかず、その責任はあげて日本側にあるということにしかならないだろう。


【 興味のある方は・・・ (文科系)2015-06-05 14:10:05
 この日韓(憎悪)関係のことを去年の5月15,17,18,23日とここに4回連載している。その3回目に「韓国義士 安重根」のことを書いた文章があるから、抜粋させていただく。

『 こういう(対朝鮮制圧)諸事件の一つの結末が、1910年の朝鮮併合である。韓国ではこの併合のことを普通に、その年の呼び名を付けて「庚戌国恥」と呼んでいる。安重根事件はその前年のこと。1909年にハルピンで日本朝鮮総統・伊藤博文を暗殺したのである。記念館パンフレットではこれを「ハルピン義挙」と記していた。

 さて、この「義挙」に関わってこの1月、日本でこんな出来事があった。伊藤博文暗殺の現地・ハルピンに中国が安重根記念館を開館して韓国が謝意を表したという問題で、菅官房長官が「テロリストに対してなんたることか!」と反発意見を表明したのである。正式抗議もしたようだ。どっちも理ありとも見えてなかなか理解の難しい問題のようだが、安倍政権のこの態度を以下のように批判したい。

 当時の「法律」から見たら当然テロリストだろうし、今の法でも為政者殺しは当然そうなろう。が、35年かけて無数の抵抗者を殺した末にその国を植民地にしたという自覚を日本側が多少とも持つべきであろうに、公然と「テロリスト」と反論・抗議するこの神経は、僕にはどうにも理解しがたい。これで言えば、前回に書いた日本による江華島事件などはどう批判したらよいのか。国際法に違反して一方的に首都近くまで艦砲砲撃を進め、城や民家を焼いて35人を殺しているのである。これだけでも安重根の罪よりもはるかに重いはずだ。前にもここで述べたことだが、安重根テロリスト論はさらに、こんなふうに批判できると思う。

 さて次に起こるはずのこの理解はどうか。
「ならば、向こうは『愛国者』で、こちらは『テロリスト』と言い続けるしかないのである」
 僕は、こういう理解にも賛成しかねる。
 今が民主主義の世界になっているのだから、やはり植民地は悪いことだったのである。「その時代時代の法定主義」観点という形式論理思考だけというのならいざ知らず、現代世界の道義から理解する観点がどうでもよいことだとはならないはずだ。「テロリスト」という言い方は、こういう現代的道義(的観点)を全く欠落させていると言いたい。当時の法で当時のことを解釈してだけ相手国に対するとは、言ってみるならば今なお相手を植民地のように扱うことにならざるをえないはずだと、どうして気づかないのだろうか。僕にはこれが不思議でならないのである。
 こんな論理で言えば、南米で原住民の無差別大量殺人を行ったピサロを殺しても、スパルタカスがローマ総督を殺しても、テロリストと呼んで腹を立てるのが現代から観ても正当ということになる。

 全く安倍政権はどういう外交論理を持ち、どういう神経をしているのだろう。相手の立場の尊重という一片の理性も見えず、言ってみるならば「人間関係はケンカ、対立が当たり前。こちらの論理を語るだけ」と述べているに等しい。社会ダーウィニズムを思い起こさせるような幼稚さだと思う。』】

 社会ダーウィニズムとはこういうもの。今の世を生きる実感、感性にも合致しやすい理論と言えると思う。既に誤りだと明らかになっているこんな理論なのだが。
 動物の進化は適者生存から起こった。弱肉強食世界を生き抜いていくための適応の必要から自分の身を上手く変えた動物が生き残り、また栄えてきたという理論である。それを人間社会にも適用したものが社会ダーウィニズム。人間やその社会、国家などでも、この競争と優勝劣敗法則、変身適者理論が支配すると説くものである。こういう理論からすれば、国家関係も対立か利用かしかないということになるはずだ。国の間の相互理解とか友情とかも、利用手段としてしか存在しないというように。
 過去に強者の立場だった者が、自らが虐げた弱者の立場だった者にこんな理論で対すれば、相手が怒るのは当たり前である。
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新聞の片隅に載ったニュースから(200)     大西五郎

2015年06月06日 19時13分06秒 | Weblog
合憲を唱える学者名挙げ(られ)ず 菅官房長官(15.6.6 中日新聞)

菅義偉官房長官は五日の記者会見で、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案を「合憲とする憲法学者が「たくさんいる」と発言したことに関し、具体的な学者名を記者団に問われ、挙げなかった。
菅氏は、行使容認を提言した安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)に言及して「有識者の中で憲法学者がいる。その報告を受け(集団的自衛権の行使容認を)決定した」と説明。安保法制懇に憲法学者が一人しかいないことを指摘されると「憲法学者全員が今回のことに見解を発表することはない。憲法の番人である最高裁が判断することだ」と述べた。
民主党の岡田克也代表は記者会見で「今の政府の説明で合憲だという憲法学者を、ぜひ衆院憲法審査会に参考人として出してほしい」と述べた。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

4日に衆院憲法審査会で参考人として参加した3人の憲法学者全員が「集団的自衛権の行使容認を含む安保法制は憲法9条に違反する」という見解を述べましたが、これに対して菅官房長官は同日の記者会見で「憲法解釈として法的安定性や論理的整合性が確保されている」とした上で、「まったく違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と述べました(5日毎日新聞)。
これがインターネット上などで論議を呼んだため、菅長官が5日に記者会見をして改めて説明したものですが、学者名を挙げることができませんでした。その上「ならその憲法学者の名前は?」と聞かれることを恐れ、最高裁に逃げ込んだのです。憲法審査会で意見を述べた小林節慶応大学名誉教授は「日本の憲法学者は何百人もいるが、違憲と見るのが学説上の常識であり、歴史的常識だ」述べました(5日朝日新聞)。
昨年安部内閣が「集団的自衛権の行使容認」の方針を閣議決定し、集団的自衛権の行使を可能にする新しい法律や幾つかの法律の改正案を国会に提出しました。政府が新しい法律や制度を設けようとする時、審議会や有識者懇談会を設けることが多いのですが、その委員の選び方が問題で、多くの場合政府の方針に批判的な委員も若干名加えますが、賛成してくれることがわかっている委員が過半数になるように委員を選んでいます。そしてその有識者会議の賛同という“お墨付き”を得て法案や制度をスタートさせようとします。
今度の場合も、菅官房長官が云うように「集団的自衛権の行使容認は安保法制懇の報告を受け決定した」と云いますが、懇談会で集団的自衛権行使容認の結論が出ることは初めから指摘されていました。永年のこういう習慣に政府・自民党も安心しきっていたところへ突然全参考人全員が「憲法違反」という見解を表明したために、大慌てになりました。佐藤勉国会対策委員長は「各委員会で参考人を選ぶ際には注意するよう」直ちに党や各府省に通達しました(6日中日新聞)。
政府と自民党、それに公明党は「国民の理解を得て政治を進める」という基本を大切にすることを、今回の教訓とすべきです。
                                       大西五郎
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