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憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

どの顔で? 河村たかしが出馬!  文科系

2021年03月06日 15時55分36秒 | 国内政治・経済・社会問題

   名古屋市長選挙は4月11日に告示、25日に投開票されるが、河村たかし名古屋市長がとうとう出馬表明をしたとCBCが報じた。こう述べたのだそうだ。
「いま市長選への出馬を断念すると、大村知事のリコール活動の偽造署名疑惑で関与を認めたことになる」

「関与を認めたことになる」もなにも、事実関与しているではないか。維新が中心だったらしい政治家集団に担ぎ出されたかして、この会会長・高須院長と2人してこの運動の顔になっていたのだから。また、こんな低劣な「運動」に顔を出すことになった経過に彼のネトウヨ的超保守日本主義思想が働いていたのも事実なのだから。
 天皇制批判者には即「日本人の心を踏みにじった」と猛反発、論難するような考えをお持ちなのである。南京大虐殺は否定するし、慰安婦問題でもすぐに頭に血が上るという性向をお持ちのようだから、自民党清和会とどこが違うかというお方なのだ。清和会は言うまでもなく、「日本は神の国」の森喜朗、日本会議の名誉顧問・安倍晋三という、日本右傾化の大元だ。ちなみに、日本会議については当ブログに「日本会議がめざすもの」全文がエントリーしてありますから、興味のある方はそちらもどうぞ。
 春日一幸の秘書から始まった河村が、今どうして清和会、日本会議に媚びを売ることしきりなのか。この点については、信長、秀吉、家康に習ったようで「尾張から天下を取る政治家」という彼のキャッチコピーよろしく、主義主張かなぐり捨てて権力欲だけの政治家になりおおせるに至った、そういうことと理解して来た。

 こんな政治家をまた当選させたら、尾張名古屋の恥になる。トリエンナーレ、表現の不自由展へのネトウヨ的反応、リコール署名の大々的偽造、こんな醜態言動はなんとしても、もう御免被りたい。

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忘れないこと「自民党政治=嘘つき政治」  文科系

2021年03月05日 14時56分50秒 | 国内政治・経済・社会問題

 モリカケ、桜、幻の黒川検事総長、学術会議員任命拒否、首相愚息の賄賂に総務省ぐるみの嘘などなど、ここ数年自民党政権はどれだけの嘘をつき、それを、どれだけ国会多数を頼みにして押し通してきたことか。これらの事件の一つ一つにまた、それぞれ50とか100とか無数の嘘が絡んでいるのである。政治家が嘘の常習犯というのは、その言葉など何も信じられないということ。だからこそ、その政治主導から官僚も嘘の常習犯になってきたのだ。
 こういう政治を言い換えれば、政治家の公約など空約束も良いところで、ただ政治権力目指して政治をやっているだけと証明されたも同じなのである。安倍の名がありさえすれば何でも通ってしまうというモリカケ両事件が、何よりもこの事を示していた。

 自民党の中でも特に、森・安倍派、清和会が悪い。ここのところ絶対多数派で、小泉以来政権を握り続けてきたのだから、国会議員立候補者とそれへの金の配分および大臣の決定権を握っていたようなものだった。こんな清和会に投票することこそ嘘つき政治、嘘つき官僚にお墨付きを与えるようなもの。もっとも自公政権を承認するのが災いの元だったのだ。自民だけなら、清和会議員でさえ到底こんな大きな勢力にはならなかったのだから。

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書評 『人新世の「資本論」』、その概要  文科系

2021年03月04日 11時11分54秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 このベストセラー本の内容紹介を3回にわたってやって来たが、最後に標記の通り、全体の概要を粗い箇条書きにしておきたい。

①今までのマルクス解釈は生産力至上主義であった。いわゆる生産力が生産関係を換え、この経済転換が上部構造を変えていくという命題を絶対視して、資本主義生産関係の様々な政経的諸悪現象などを指摘、批判する政党が政権も取ることができて、まともな生産関係も生みだすことができるというように。こういう考え方からは、(現に生産力が発展していた)西欧中心主義や、政治主義という特徴も出てくることになる。

②人類による地球破壊、地球環境問題、これに対するグリーンニューディール政策への期待などにも、世界的な需要拡大という形で生産力至上主義が顕れている。左翼やリベラルの間にさえ、気候ケインズ主義があるのではないか。資本主義のままで地球破壊が止められるというのは、幻想である。いまでも、地球荒廃のしわ寄せが南部に行き、先進国には見えにくくなっているだけだ。

③晩期マルクスは、資本論2、3巻の研究・構想途中で亡くなったが、世界中の農村共同体などの研究を通じて、生産力至上主義から脱皮しつつあった。その考え方によれば、今の「人新世」世界を止められるという意味で求められている方向は、脱成長コミュニズム(コモン、社会的共有財を、資本所有に抗してそれらしく確立し直していくこと)である。これには、五つの柱がある。①使用価値経済への転換、②労働時間の短縮、③画一的な分業の廃止、④生産過程の民主化、⑤エッセンシャルワークの重視。具体的なこれの形は、今世界に広がり、結びつきつつある地産地消の生産消費共同体とその世界的結合、およびそれが作る政治である。

④この典型例は、バルセロナ市。リーマンショックのあおりをまともに受けて失業率25%というスペインの苦境から、労働者協同組合を中心にしてこんな形で復興している。生協、共済、有機農産品グループなど無数の協同組合がこれと結びついて政党を作り、その政党が2016年に市長選挙に勝利した。そして同時に、「人新世」の被害をまともに受けている地球南部(アフリカ、南米など)の77諸都市と世界的連携を取りあっている。これらの諸都市は特に、グローバル企業によって民営化されてしまった水道事業を公営化する運動などに知恵を寄せ合っている。他にも、1993年から中南米に打ち立てられて来た国際農民組織、ヴィア・カンペシーナは全世界約2億人と関わりを持っている。これらの運動は、食糧主権と気候正義を柱としているが、南ア食糧主権運動もその典型の一つだ。飢餓率26%である上に、ポルトガル一国と同じ量のCO2を出すあるエネルギー資源企業を持った国だから、食料輸出が問題になっているのである。

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大村リコール署名、いくつかの事実から  文科系

2021年03月02日 22時05分08秒 | 国内政治・経済・社会問題

 標記について、いくつかの新事実が出てきた。

①高須氏、河村氏は、それぞれ相手が運動を持ちかけてきたと言っている。高須氏は田中事務局長には面識がなかったと言っている。河村氏が紹介したと考えている模様。

②署名偽造を請け負った広告会社との契約書の事務局記名者は、①の3名の誰でもない。もう1人の事務局人物だ。常滑市の市議の名前が出てきたが、その人物が500万円近い契約の記名者だからだろう。この出鱈目行為に500万円を出したのは誰か。そこがこの出鱈目事件の震源地ということになる。現実の金のことだから、必ず出所は分かるはずだ。

③市長選を前にした河村氏は、田中氏やこの常滑市議らに「神輿を担がれ、その上で突き落とされた」という結果になっている(それでももちろん、運動の先頭に立った、河村氏の責任は重大であることにはかわりない)。500万円とか1000万円を出してまで、こんなことをした背景は何だったのか。バックには意外に大きなものがあると考える。県議会議員である田中事務局長は維新の国会議員候補だったのだし、国会野党が強い名古屋、愛知は自民党から見たら重点対策区だったことでもあるし。

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書評『人新世の「資本論」』(3)  文科系

2021年03月01日 19時10分58秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 第6章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム

 コロナショック下の2020年春、アメリカは62兆円儲けた。というように、需要の多さに対する供給の少なさ(相対的希少性)があれば資本は儲けられる。その歴史的原初は、共有地に対する囲い込み(運動)とか、資本の本源的蓄積とか。これらによって私有財産(の増大)が公的富を減らす事を通じて(人工的)希少性を作り出し、資本は成長してきた。
 今や、食とエネルギーに次ぐ第3位の産業が広告業界であるが、ブランド化と広告はこの相対的希少性を作り出すのを狙いとするものだ。このような人工的希少性に対する思想こそ脱成長コミュニズムである。これが第3章で述べている4つの未来選択肢のうちの最後の第4番目、Xなのである。

 脱成長コミュニズムの旗手、ワーカーズコープが今世界に広がっているが、生産手段を公富、共有財産にする動きである。スペインで7万人の組合員を擁するモンドラゴン協同組合、米クリーブランドのエバーグリーン協同組合、ニューヨーク州のバッファロー協同組合。これらは、住宅、エネルギー、食糧、清掃などに関わりつつ、脱成長コミュニズムを広げている。協同組合が社会全体を変えていく基盤になっていくのである。 

第7章  脱成長コミュニズムが世界を救う

 人類の未来選択肢のうち、気候ファシズム、気候毛沢東主義に対する脱成長コミュニズムこそ、世界を救うものだ。今の商品化世界では、困った人々は国家に頼るしかないが、コロナ下のような強い危機には今の国家は機能できない。
 そんなことから、ピケティも企業の労働者所有を言い出して、社会主義者になったという。これに対してスティグリッツらリベラル左派は空想主義と言える。資本主義の下では民主主義など求めても得られないからである。肝腎なことは労働と生産の変革であって、従来の脱成長は消費の次元のそれでしかなかった。資本が見放して荒廃著しい破綻都市デトロイトで都市農業が始まったことに、人類の将来が示されている。

第8章 気候正義という「梃子」

 気候正義の「南」の運動から学び、これと連帯する脱成長コミュニズム運動が、世界の大都市で起こっている。典型は、スペインのバルセロナ。リーマンショックの大被害国スペインの25%失業率のなかから地産地消型経済を主張するバルセロナ・イン・コモンという政党が生まれて、2015年に市長選で勝利した。資本主義の利潤競走と過剰消費に対抗する労働者協同組合の伝統がもともと強い都市だったが、生協、共済組合、有機農業運動などとも結びついた運動をバルセロナ市が活用しているのである。
 このバルセロナの脱成長コミュニズム運動は「南」の諸都市と連帯する運動体にもなっていて、アフリカ、中南米、アジアにまで広がる77の提携拠点都市が存在している。これらの拠点では、水道事業の民営化に対する公営化運動(水をコモン、社会的共有財産にし直す運動)が特に重視されている。水を囲い込んで儲けの対象に換えた人工的希少性を認めず、共有の富として再生していくのである。

 こういう、生産の場の変革と結びついた革新自治体ネットワーク精神をミュニシパリズムと呼ぶが、この連帯の輪が食糧主権と気候正義とを柱にしつつ、世界的に広がっている。メキシコ・チアパス州の先住民サパティスタの運動など中南米を中心とした国際農民組織・ヴィア・カンペシーナの運動は、食糧主権を掲げて世界2億人の農業従事者に関わりつつ、新自由主義にノーを突きつけて来た。食料を輸出しながら飢餓率26%などと言われる南アの食糧主権運動も有名だ。この運動の一つの主張「(我々は)息ができない!」は、アメリカのブラック・ライブズ・マターの象徴「(私は)息ができない」から取ったものである。

 このような脱成長コミュニズム運動に対して、制度変革だけを求める運動は政治主義というものであって、これは容易にソ連のような国家資本主義、気候毛沢東主義に陥っていくものだ。生産の場の変革、その社会的所有によってこそ、脱成長コミュニズムが実現可能となる。

 

(終わりです)

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