フル代表は3対0で韓国に勝ったが、アルゼンチンとやったアンダー24は0対1で破れた。こちらは、すぐにもう一度やることになっているが、願わくば0対0であらんことを。このチームがアルゼンチンに勝つのは難しいと思う。
さて、フル代表の相手韓国はソンフンミンこそ居なかったが、けっして弱いチームなんかではない。むしろ逆に、昨日の3-0は日本がそれだけ強くなったということを示していると言いたい。ザック監督の下のブラジル大会前後から強くなってきて海外日本人選手が急増し、それがロシア大会ベルギー戦に現れたように結実したわけだが、どう強くなったのか。昨日のゲームでは、それが鮮やかに分かるのである。
勝利の立役者はまず何と言っても、「替えの効かない」大迫。初め2得点はいずれも彼のトリッキーでさえあるアシストによるもの。一本は、相手2名ほどを背負ったままポストとしてボールを受けに走り戻ったその体勢のままからヒールでのスルーパス、もう一点は、一回転のやはり戻りドリブルで背負った相手DFたちを外して振り向きざまのスルーパスからの得点だった。2本とも、凄く難度の高い、ポストプレーの一種。あんなプレーを、警戒されている中で2回もできるのは、日本人FWだからではないかと、しみじみ思っていたところである。
日本の守備も強くなったものだ。アジア勢相手では、ほぼ0点に抑えられるというほどに。吉田が居るのが大きいのだろうが、その前の遠藤、守田が攻守に凄く効いていたゲームだった。遠藤が、彼の3得点目がなくともこのゲームのMVPなのではないか。
その点、U-24は見るべきものが少なかった。アルゼンチンはたしかに強豪だったが、攻守とも球際で負け過ぎていたと思う。なんせ、ドリブルでも抜けず、パス先を観る余裕も無かったという感じで、得に相手プレスに後れを取っていたことは明らかだった。強豪国との国際ゲームというものがよく学べたはずだ。これでは、日本の10対アルゼンチン4というシュートも、余裕を持って打てなくなる。
ただ一つ希望が見いだせたのが、三苫に代わって入った後半21分に入った相馬。彼の緩急つけてかつスピードに乗ったドリブル突破はほとんど成功して、良いクロスになっていたと思う。A代表でも伊東なみのスピードなのではないか。サッカーでスピード、スピードに乗ったクロスが、いつもいつもいかに貴重であるかということを、示してくれたと思う。守備ではアルゼンチンが特に中央を固めていたから、そしてそれが普通だから、優れたクロッサーが大事なのである。ちなみに、史上最強と言われたブラジル大会日本代表が惨敗したのは、ザックの指示に反して中央突破にばかり拘っていたからだ。日本が強豪相手にそんな攻撃を中心にやるのは10年早いと、ザックが本田や遠藤に教えてくれたことになる・・・。