バイデンのシリア攻撃が極めて陰険に、姑息に展開されている。このことについて「マスコミに載らない外信記事」サイトにこのところ何本かの報道ニュースが載って来たが、8日の「イランとイラクを仲違いさせ損ねたバイデン」がとても興味深い。他国の「民主化」とやらにはここのところ、ことのほか熱意を示して来たアメリカだが、不法戦争を仕掛けるというのは「国内弾圧」よりもはるかに罪の重い国際犯罪であると、こんな事は十分に分かっているはずだろうに。
記事の書き出しはこうなっていた。
『 2月25日、イラクと国境を接するシリア地域で米空軍が行った空爆と、ジョー・バイデン大統領による、これら行動が招いた影響は世界の多くの国で多くの議論を引き起こしている。
2月26日、ジョン・カービー国防総省報道官は、記者会見で、特に「アメリカ合州国のイラクとクルドのパートナーがシリアの親イラン派集団のインフラ空爆に必要な情報を集めるのを支援した」ことを指摘した。
「分割して、支配せよ」という古来の原則に沿って行動し、主権国家シリアの領域に、この明確な攻撃行為の準備をする上で、イラク諜報機関とクルド人の協力とされることを述べ、バイデン政権が、テヘランとバグダッド間の争いを強め、・・・・・
アメリカの声明と、シリアの親イラン派集団に対する空爆を背景に、2月27日、イラクのフアド・フセイン外務大臣は、突然生じた問題を緊急に解決するためテヘランに飛び、イラン最高国家安全保障会議のアリ・シャムハニ事務局長と会談を行った。「シリアでの残忍なアメリカ攻撃は、組織的テロを蘇らせる取り組みの一環だ。イランと、過激派と戦っている他の国々は、イスラム原理主義テロが地域に再度出現するのを阻止する」とアリ・シャムハニ事務局長が述べた。イラン最高国家安全保障会議事務局長は、イラク外務大臣に、外国軍隊を国から追い出すという、イラク議会に採択された法律を想起させた。』
イラク国会は、イランのスレイマニ司令官暗殺事件から、「外国軍はすぐにイラクから出て行け」という決議を採択した。スレイマニをイラクに招待させておいて、イラク空港に到着したばかりのスレイマニをアメリカがドローンで暗殺するという暴挙を敢行したからである。ここからイランへの接近を強めたイラク政府をまたなんとかイランから切り離そうとした下手な猿芝居だったのである。シリアはもちろん、イラクといいアフガンといい、米国不信は既に取り返せないものになっている。それにしても、こんな猿芝居って、またまた米軍の信用を無くすだけで、ますます米軍隊による暴力統治に頼るしかなくなってしまったということだろう。
中東米軍の「いつまで続く戦場ぬかるみぞ」。当事国に承認されていない外国軍駐留というのは、国際法上は戦争である。アメリカは、イラクとも戦争をしているだ。こんな国が「酷い非民主主義国には制裁」って、どの口で言うのか。