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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

ちひろ美術館に行ってきました

2017年05月09日 23時15分26秒 | いわさきちひろさん
 朝からどんより曇り空、気分はあがりませんでしたが昨日決めていたとおり、ちひろ美術館に行ってきました。わたしの住まいからは、電車に2回乗り換え、大混雑の都心を通り抜けていかなければならないので遠いしこわくって、かなりエネルギーも要ります。なのでこんな収入は途絶えていますが時間はありますっていう時でないとなかなか足が向かずで、前回行ったのはいつかと振り返ってみると2015年11月、ずたずたにすり減った辛さを抱えているときでした。ずいぶんと時が流れたような気がします。曇り空ですがカフェでちひろさんが愛したお庭を眺めながら、お値段高めの体によさそうな食事をいただき、展示室をなんどもなんども行き来したりちひろさんが愛用したソファに体をしずめて本を読んだり、5時間ほどゆっくりとちひろさんとの対話の時間を過ごしました。なんとなく電話がかかってくるかどうか気が気ではなく食事しながらも落ち着かないところがありましたが、1時25分頃に電話がかかってきたのであとは少しずつ落ち着きました。

 テーマは「ちひろのアンデルセン」。「おやゆび姫」「マッチ売りの少女」「人魚姫」「あかいくつ」「錫の兵隊」「白鳥の王子」「おかあさんの話」など、展示室1ではお馴染みのアンデルセンの物語を絵本にした作品の原画。手持ちの本も何点かありますが、原画に出会うとなんど出会ってもにじんだ色の美しさに魅せられ、原画の手触りを感じ、これがちひろさんが描かれた絵なのだと思うと心の中に静かにこみあげてくるものがありました。デジタル化を進めているとのことで、デジタル化した絵も何点か展示されていました。ちひろさんの絵を語り継いでいくためにデジタル化は必須ですね。がんばっていただきたいです。展示室3は、「絵のない絵本」から、第一夜、第五夜、第二十四夜、第三十夜、第三十二夜の原画と「アンデルセンものがたり」のアンデルセン。手元には色あせて表紙ボロボロの「絵のない絵本」があるのですが、やはり何度みても原画の前でちひろさんと対話しているようなひとときは得難い時間です。アンデルセンの故郷、オーデンセを訪れた時のスケッチも。引き出しを開けると絵がみられるようになっていてなかなかの演出でした。お母様の旅行記も展示されていました。ちひろさんとお母様は滞在時間7時間の中で、アンデルセンの故郷の空気をしっかりと体に刻まれ、ちひろさんは何点ものスケッチを遺されています。すごいと言わざるを得ません。今日はちひろさんのアトリエが再現された部屋のとなりのソファでしばし読書も。ちひろさん、55歳での旅立ちは、自分がだんだん近づいてきてみるとあまりにも早すぎと思わざるを得ません。かえすがえすも惜しまれます。世界中の子供たちが平和でありますようにと願い続けたちひろさんの想いが世界のすみずみまで届きますようにと、昨今の世界のニュースをみるにつけ祈らずにはいられません。アンデルセンの生涯をたどった本をしばらく前から読み始めており、なかなか進んでいませんが極貧の家に生まれたアンデルセンが70歳で亡くなった時国葬にて祀られた生涯はほんとうに一編の童話のようであったのかもしれません。「マッチ売りの少女」のモデルが、貧しい家に生まれ物乞いに出されたアンデルセンの母であったこと、少女が神様のもとに召されていく最後、この物語に込められた哀しみ、神と人間への慈しみは年を重ねて色々なことを経験した今だから理解できるし、心に沁み込んできます。人はだれにも、その人だけの物語がある、まさに生きるとは固有の物語を紡いでいくことだとはこの4カ月の業務で学んだこと。人の数だけ物語があります。生きることは深いです。

 美術館でランチをいただいている時に電話がかかってきたので金曜日に9時45分から面接となりました。自分の役割なのかどうか揺れ動きながらの面接。役割なら妹の導きだし、役割でなければまたあらたな道をさがします。ほんの10日前まで8時45分に職場に着いていたわたしですが、朝ゆっくりの生活になっているので緊張します。明日と明後日をどう過ごそうか。断捨離は部屋にいないとできないし、出かけるとお金がかかりますが、この狭い部屋で誰にも会わずに一日中こもっているのは健康的ではなく、お金使う時は使ってカフェで食事をしたい、人の声がきこえるなかで、頭の中を整理しながらパソコンもやりたいです。平日だからなあ、ファーストフードカフェをふらふらしているのヘンだし、顔を覚えられている所には行きたくないし、普段いけない所に思い切っていってみるか。別に罪人じゃないんだから堂々としていればいいんですけどね、慣れませんね。斜め向かいおじさんずっといるみたいでなんだかいやだし、明日は明日の風が吹くで、起きてから決めましょう。話は尽きませんが、今日はこれにて失礼します。

画像は全てちひろ美術館公式HPよりお借りしました。