宙組『NEVER SAY GOODBYE』-宝塚大劇場千穐楽ライブ配信
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/86e64faa83a6fee4e9cb5c17bd7f552e
2022年4月7日(木)13時30分~、東京宝塚劇場公演、なんとか無事に観劇することができました。B席最前列の真ん中あたり、指揮の西野先生の背中と舞台全体がよくみえました。初演時のトップコンビ退団公演というファンタジー要素が取り払われ、現実世界で起こっている事態と重ね合わせずにはいられない、リリカルに平和への祈りを歌い上げた全編歌で綴られる、オリジナルミュージカル作品となりました。宙組コーラス、厚みがありました。なかなかソロ歌唱の場面がいつもはない生徒さんたちにも歌があたえられ、メインキャストから下級生ひとりひとりまで、それぞれ魂で役を生きているのだと感じました。
ヴィセント@キキちゃん(芹香斗亜さん)のソロ、
「俺には出来ない~♪
人生の全てを闘牛に懸けてきた
血と汗と涙にまみれた青春の日々
もう俺は二度とは
マタドールと呼ばれることは
ないとしても 俺は残る
この愛する町と 愛する人たち
守る為なら 何も惜しくなどない
例え闘牛を捨てることになっても
悔やまない
あの懐かしい人たちが
嘆き苦しみ悲しみの淵に流されるのを
見捨てることは
俺には出来ない」
プロサッカー選手の死が報じられましたが、名もなき無数のヴィセントが現実にいるのだと思うと胸に迫ってくるものがありました。こんな気持ちなのでしょうか、こんな気持ちで守るべきものを守るためには銃を手にするという道を選ばざるをないという現実があるということなのでしょうか。キキちゃん、心で歌う力がさらにあがりました。
テーマ曲となっている「NEVER SAY GOODBYE」、写真家のジョルジュ@真風涼帆さんが、カメラを置いて銃を手にすることを決意し、命である真実を伝える写真をキャサリンに託し、死を覚悟した歌なのだとわかり、万感胸に迫る思いとなったことはまたあらためます。毎回魂でこの役を生きていたらこわれてしまうのではないかと心配になるぐらい、静かに熱い思いが伝わってくるジョルジュ。
二幕のセンチュリア・オリンピアーダのメンバーたちが、故郷に帰りたい思いからすれ違う場面、端の男役さんが涙を流していました。どなたかとプログラムで確認すると、ハンス@風色日向くん(ノルウェーのフェンシング選手)。登場人物たちがそれぞれどこの生まれなのかを意識すると、より作品世界が深まるのでしょう。
人民オリンピックの開会式のリハーサルでヴィセント率いる闘牛士たちがもっている旗の色、それぞれに意味があるのだろうと思います。調べられるかな。背景のスペイン語の文字も気になります。バルセロナと英語ならVictoryはたぶんわかったかな、他には何が書かれているのかも、とっても気になります。
座席がリニューアルされた東京宝塚劇場、とっても座り心地がよくて、せまいことにかわりはないですが足腰に負担なく体が楽でした。背もたれにも座席番号が表示されるようになったのも、席がみつけやすくなり、ありがたいかぎりです。3500円でこのホスピタリティはすごいです。
たしかに直接命をとられるわけではありませんが、生まれる前からの右足股関節脱臼により必死でかばってきた左足がもうダメっぽい。二幕が始まる前と、日比谷シャンテを歩いた後と、痛み止めを二錠飲まざるを得ませんでした。今日は友の会の当選席、阪急交通社貸切公演でもう一回チケットがあるので、必ずまた無事にくると心の中でひとり誓いました。
歩いた後でそってしまっている左の足先に痛みが走りましたが、久しぶりのシャンテ、歩かずにはいられませんでした。
宝塚のキャトルレーヴが5月7日にオープン予定の日比谷コテージあと、東宝作品のポスターが並んでいました。『ガイズ&ドールズ』は、帝国劇場が東京ドームぐらいのキャパシティでないとチケット無理、あきらめるしかなさそうです。
地下1階のキャトルレーヴにもいってしまいます。そして散財、いや宝塚のプログラムと舞台写真は生きていくための必要経費。