たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

清く正しく美しく、朗らかに・・・

2023年10月08日 01時27分06秒 | 宝塚

2023年10月7日日刊スポーツ、

現役団員急死の宝塚歌劇団、外部弁護士招き第三者の調査チーム立ち上げ 宙組公演22日まで中止 - 宝塚 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)

「宝塚歌劇団宙組に所属する現役団員が9月30日に転落死し、宝塚大劇場での上演を取りやめている宝塚歌劇団の木場健之理事長が7日、兵庫県宝塚市の同劇団で取材に応じ、外部の弁護士を招いた調査チームを立ち上げると発表した。

調査チームは、外部の弁護士が複数入り、劇団スタッフは関与しない。医師やカウンセラーがバックアップに入り、劇団員のヒアリングは弁護士が担う。急死した生徒が所属していた宙組へのヒアリングはすでに始めているという。

将来的に、必要があった場合、他組へも調査チームの調べが及ぶ可能性はあるが、現時点では未定。また、生徒の心身ケアについては、以前からの常駐医療スタッフ、今回新たに招いた精神カウンセラーへの相談は同時に受け付けている。

木場理事長は「なぜこのような事態が起こったのか、今回の(週刊誌)報道と関係があるのか」を中心に調べるといい、調査結果の発表については「しかるべきタイミングで報告する」とした。

「生徒の周辺で何があったのか、きちんと調べるべきだと思っています。実際どこまで迫れるのか、ご本人の気持ちを聞くことができない中で、それでも日々を過ごす中で、ここはこうあるべきではなかったか-など。予見を持たずに調査してほしいので、我々もそこには立ち入りません」

今後、出演者が「安心、安全に公演できることができるのか」を第一に、調査を進めてもらうとした。

この日、冒頭で、木場理事長は「このたびの生徒の急逝につきまして、謹んで心より哀悼の意を表します」とし、「大切な仲間の命が失われ、極めて厳粛に受け止め、無念でなりません」と続け、調査チーム発足を明らかにした。

宙組所属は認めたものの、生徒名を公表していないことには「ご遺族の強い意向を尊重することが大事」と理解を求め、「ご家族の深い悲しみにご理解をいただきたい」とした。

劇団では、生徒が急死した後、心身ケアの専門家を招き、生徒への対応を強化しており「1人1人のケアに努めていきたい」とした。すでに、公演が停止していた宝塚大劇場での宙組公演出演者を中心に、聞き取りを始めており「まずは宙組生全員に、順次行っている」とした。

宙組の宝塚公演については、22日まで中止を決定。「時期は22日までとは考えているが、状況によって考えたい」とも加えた。現時点で、演出の変更も「検討はしている」とし、具体的には「まだ決まっておりません」とも話した。

劇団では24時間対応できる団員の悩みなどを聞き取る相談窓口を設けており、問い合わせもあるという。

木場理事長は「常日頃、稽古や公演をともにし、家族的なつながり、一体感も強く、若いこともありますし、加えて少子化で、身近な人の死への向き合い方が分からない生徒もいる」とし、すでに、苦しい思いを訴えている生徒もいるといい「しっかりとケアに努めていきたい」とした。

調査チームの報告を受け、是正の必要にあれば、「ひとつひとつ、どう取り入れていけばいいか検討する」と語った。」

 

 お父さん、お母さん、一緒に舞台に立ってきた宙組生たちの心情を考えて、最後のお別れして荼毘にふし法要も終えての、要請に応じたかたちでの会見ということだったでしょうか。第三者による調査チームを立ち上げたとのこと、少し安心しました。そうであってほしくないところに辿りつくかもしれませんがまた宙組生たちに会えることを信じながら結果を待ちたいと思います。過去生徒さんたちが外部の専門家に相談した内容を理事長が把握していたらそりゃ専門家の守秘義務違反、安心して相談できる環境ではないことになってしまいます。

 

 残念ながら戦後の高度経済成長期を経て、30年間衰退の一途を辿ってきたことが露わとなった日本は3年余りも過剰な感染症対策を続けてきたことで、社会全体がひずみを抱えきれなくなり噴出している状況なのだと思います。長く続いてきている伝統ある大きな組織ほどそのひずみは露わとならざるを得ず、今までと同じやり方では効かなくなってきているということだと思います。それがたまたま新生宙組の大劇場お披露目公演が始まったばかりで起こったということは非常に辛いですが、いつどこで起こってもおかしくないことだったのかもしれません。世襲制の歌舞伎とも、ひとつの作品を創り上げるために20~40代を中心に役者さんたちが数か月集まる東宝などのカンパニーとも違う、中卒から高卒までの女性が集団生活を送るなかで唯一無二の男役芸、娘役芸が先輩から後輩へと受け継がれてきている世界。その芸やお化粧、アクセサリーづくりまで生徒さん同士のつながりによって続いてきている世界。宝塚は稽古場では生徒さんたちはマスクしていなかったみたいですが人数制限をしていたようだし、稽古場と本番以外マスクで口元の表情がみえず、連れ立って食事にいくことも息抜きに旅行にでることも許されず、スカイステージの番組収録ではアクリル板、ほとんど意味がないどころが人と人とのつながりを隔てた感染症対策が、成長段階にある若い女性たちの心身に影響を及ぼさなかったはずないと思います。

 

 日本社会全体がおかしい、すごくおかしい。健康な若い人たちがマスク外せなくなり、ずっと下向いてスマホばっかりみながら半病人のように歩いている社会が健全であるはずはなく、夢と希望にあふれる明るい未来を描くことはかなり難しいでしょう。人口ピラミッドゆがみすぎて社会を支える生産人口は減少するばかり。子どもはさらに生まれなくなってきています。もう逆三角形のさらなるゆがみを日本社会は避けることができません。宝塚のみならず、社会全体が変わっていかざるを得ないという現実がどんどん露わになってきていると思います。

 

「小林一三生誕一五〇年展」開催!!(9/21更新) | 日比谷シャンテ (hibiya-chanter.com)

 宝塚歌劇団、東宝の生みの親、小林一三翁の理念は、清く正しく美しく、そして朗らかに・・・。2019年10月に退団した紅ゆずるさんの東京宝塚劇場千穐楽の挨拶の中でお話がでたことを思い出します。一三翁がめざしたのは家族そろって安価に安心して楽しめる大衆娯楽。社会全体がギスギスの中で宝塚も東宝もコロナ騒動により原点が忘れ去られてしまったように思います。

 辛い時苦しい時舞台から数えきれないほど心のエネルギーをもらってきました。宝塚から現実にはない夢の時間をたくさんいただきました。生きていてよかった、終演後の余韻に浸りながら劇場でなんどもそう思いました。いつだって劇場にあるのは夢と希望。どの作品だったか、オンデマンド配信されたナウオンステージで咲ちゃんが「宝塚っていいなあ~」と話していた声がとても耳に残っています。宝塚に憧れ、雪組トップスターとなった咲ちゃんの心からの言葉だったと思います。こうして公演が続いていることの方が奇跡、舞台に立ち続けている生徒さんたとは本当に宝塚が舞台が好きで一回一回命をかけているのだろうと思います。唯一無二の世界は無事に生き延びていってほしいです。小林一三翁、どうぞお守りください。

 

 理事長が生徒さんたちの矢面に立つのは当然ですが、立場上警察から発見時の状況など詳細にきいているだろうからご自身も相当お辛いと思います。かなり叩かれていますが心身共に疲弊していると思います。どうぞ御身大切になさってください。

 

 

 一度希死念慮を抱いてしまうと実行しないではいられなくなる、誰にも言わない、前の日まで笑っていても、たとえば恋人どうし、夫婦どうしでベッドを共にしていても言わないで実行するとは自死遺族がお話されたシンポジウムで自死遺族のケアをしているNPO法人の方の話。嫁さんも中学生の子供も自死で亡くした男性のお話は壮絶でした。それでもその方は生きて支援活動されていました。日本の10代~30代の死因の第一位は断トツで自殺。

 

 急逝された生徒さんが今は空の上でゆっくりと休めていますように・・・。

  

 オンデマンドプレミアムプランで配信中の『群盗』、ナウオンステージ、終演後インタビューと共にタブレット端末で繰り返し流し続けています。すでに退団している生徒さんも多いですが、シラ―の処女作である原作自体の青臭さと生徒さんたちの若さが相俟ってエネルギー溢れる舞台になっています。若いってそれだけで素晴らしいです。若いチームをひっぱったりんきらさんとキキちゃん素晴らしい、峰里ちゃんのヒロイン役者としての力量も大きく舞台を支えていると思います。

 宙組の東京宝塚劇場公演、友の会でもB席一回だけ当選、阪急交通社の貸切当選してチケット代決済したし、また会えるよね。なんとかまだ杖使って劇場に行きたい。生きるよすががなくなってしまったら生きる意味ほんとになくなってしまいます。それは辛すぎ。

 

 


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