たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『ゴールデン・リバティ』『PHOENIX RISINGフェニックス・ライジング』-東京宝塚劇場

2025年03月10日 17時59分57秒 | 宝塚
2025年3月2日(日)15時30分~東京宝塚劇場

 体が動くか不安でたまりませんでしたがなんとか無事に往復しました。外国人だらけにぞっとするようなことの連続でしたが劇場の中はまだ侵略されておらず、現実を忘れて楽しむことができました。純粋な気持ちで観劇することも難しくなってきてはいますが客電が消えている間は別の世界、ひととき絶望的な現実を忘れました。ちなつさん(鳳月杏さん)はいっちゃん(一路真輝さん)らが活躍した頃の雰囲気をもつトップスター、歌もダンスも芝居もできてコートを着こなす姿はたしかにたーたん(香寿たつきさん)の再来のようです。2時間半を心から委ねられる安定感と安心感。終演後周りの方々も楽しかったあと心が軽くなったような雰囲気で最近の中ではちょっとなかったかなあと。キキちゃんの退団記念特集で2017年花組『金色の砂漠』オンデマンド配信中ですがここから8年の歳月を経てトップスターになったんだと思うと、せり上がってくるたびに、ひときわ豪華な衣装に羽根をつけて登場するたびに胸がいっぱいになり、拍手をすることすらわたしのなかで拍手がとまることすらありました。ちなつさんの脚の長さが映えてどの場面も素敵でした。


(『TCA PRESS』2025年2月号より)

「ミュージカルは『ゴールデン・リバティ』。19世紀後半のアメリカ西部を舞台に、伝説の列車強盗犯が一つの出会いから国家が絡む重大事件に巻き込まれていく物語だ。
 駅のレストランに無法者たちが乱入、止めに入った店のウェイター・ジェシーに駆けつけた保安官が銃をつきつける迫力あるシーンで幕を開ける。
 ジェシー、鳳月演じる主人公。列車強盗団に拾われた仲間となるが、今は足意を洗って過ごしていたところ、過去を脅された金貨強盗計画に加わることになる。
 天紫は、謎の娘アナレアに。ジェシーが襲った列車に乗っていたが、奇兵隊との銃撃戦になりジェシーに助け出され行動を共にする。古い鞄を片時も離さない、銃が使える女だ。
 翳のある保安官ライマンに、風間柚乃。お調子者の無法者ディーンとリッキーには、礼華はると彩海せらが配された。
 突然、姿を消したアナレアを追うジェシーの前に現れたのは・・・、ライマンだった。「リバティ」(自由)の尊さをテーマに据え、真実が次々と明かされる展開に、最後まで目が離せないことだろう。」
 
 大野先生が宙組『エルハポン』でやろうとしたけどやらなかった?やれなかった?マカロニウエスタン。海外作品、コラボ作品はそれぞれ素晴らしいですが、宝塚でしかみることのできない、ショートの二本立ての、座付演出家による完全オリジナルのトンチキ作品ならではの楽しい舞台。タカスクで配信された大野先生出演の豆知識とみると、組子全員に役を配しつつ、マニアックなこだわりがつまりまくり、実在したアメリカ人と原住民とのハーフがモデルになっているとか、実在すると言われてきたけれど実在しなかった島の王女がいたとか、深くて面白いですね。大野先生、ご自宅に銃をもっていらっしゃる? 南北戦争のあとのアメリカが舞台。次へと次へとカタカナの名前が出てきて人間関係を頭の中で整理しきることはできませんでしたが物語としては複雑なものではなく全てがまた新たな月組のお披露目、トップスターのちなつさんをかっこよく素敵にひきたてるための舞台。インディアンの扮装をしたダンスの場面もあり、最後にはじゅりちゃんが裸足で華やかにフラダンス。もともと住んでいた民族を原住民として殺戮し追い出して出来上がったのがアメリカなのだと考えると複雑な心持ちになりましたが笑いもあり楽しい作品でした。梨花ますみさんが列車の窓からパジャマ姿で顔をだす場面が一瞬でしたが可愛いすぎました。おだちんの二番手、役者顔とベテランのような貫録。うまいですね。みちるちゃんがどこにいるか最初なかなか見つけられずでしたが白雪さち花さんと親子の役、今まで以上に可愛いですね。白雪さち花さんは安定の存在感。

「第7弾を数えるスペクタキュラー・シリーズは『PHOENIX RISING』。満月の夜に蘇った不死鳥が、人々の幸せのために天翔る姿を綴るダイナミックなレヴューだ。
 ピラミッドの大階段を背に、巨大な羽を広げたフェニックス(鳳月)が降臨、アジアを中心に6つの国々を巡る豪華なプロローグ。続いて風間扮するボリウッドのスーパースターが歌とダンスを賑やかに繰り広げる。場面は変わり、魔都上海の妖しいクラブでは情熱的なタンゴが。魅惑の微笑えみに誘われて足を踏み入れると、そこはめくるめく黄金の世界。客席下りしたスターと観客が“ポンポンスティック”を振りつつ一体となった。再びエジプトの砂漠に。新たな月の王が皆とエネルギッシュに歌い踊る。テーマは“EnjoytheNow“。そして、ドビュッシーの「♪月の光」に乗せ鳳月&天紫が匂い立つような優美なデュエットダンスを披露した。」

 フィナーレの前に披露されることが通例になっていたラインダンスがプロローグのあと、ちょっとヘンな感じでした。そしておだちんコーナー。特にロボととサタデーナイトフィーバーが楽しめました。全力で歌って踊って遊び心全開、大真面目にやっているタカラジェンヌ、すごいですね。これは稽古場も楽しかったことでしょう。客席下りでは下級生が2階席にきてくれました。みんなお顔小さくって手足長くって細くってきれいキラキラ。笑顔が素敵でした。振りを覚えることはしなかったので、手拍子して一緒に楽しみました。耳慣れた楽曲が多くて心地いいショーだったでしょうか。『応天の門』の業平と高子の恋人をもう一度みたいと多くの人がおもったちなみさんとじゅりちゃんのデュエットダンス、大人の色気と優雅さと妖しさがあふれて素敵でした。礼華はるくんの見せ場が格段に増え、一人一人見せ場を用意されて座付演出家による愛ある構成。 組長の梨花ますみさんを中心とした月組、盤石の安定感ですね。






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