行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

格差社会の象徴?豪華寝台列車「ななつ星in九州」

2013-10-15 21:52:31 | Weblog

30億円をかけた車両は高級ホテルにも負けない仕上がりで、客室は14室、定員30人豪華な食堂車つき。博多駅発着3泊4日で大分や宮崎、鹿児島、熊本を巡る。最も高価な部屋は2人利用で110万円だが、国内予約は来年6月出発分まで完売。申し込みの半数を60代以上が占め、抽選倍率は7~9倍という。

かつて、バブルの時にシーマ現象という言葉が流行ったが、今度はななつ星現象か?北海道のJRでは特急列車も脱線が怖くて乗れない状態、北と南で大きな格差が出てしまった。一方、先日厚生労働省が2011年 所得再分配調査」の結果を発表した。それによると、当初所得(社会保険料などを支払う前の所得)の「ジニ係数」は前回調査(2008年)より0.0218ポイント悪化して0.5536となり、過去最大を更新した。ジニ係数は1に近いほど所得格差が大きいことを示している。

当初所得のジニ係数を世帯別に見ると、一般世帯は0.4369、高齢者世帯は0.8091、母子世帯は0.4070となった。高齢者世帯の格差は1に近く、ななつ星を乗れる裕福な高齢者とそれ以外の高齢者との凄まじい格差を示している。幸い、我が国の年金医療などの社会保障が現在は機能しているため所得再配分後のジニ係数は、一般世帯はジニ係数0.3590(改善率17.8%)、高齢者世帯はジニ係数0.3728(改善率53.9%)母子世帯はジニ係数0.2754(改善率32.3%)となり、再分配後の年間平均所得は一般世帯は545万円、高齢者世帯は348万円、母子世帯は258万2,000円となり、高齢者世帯は何とか生活できる。問題は母子家庭で、母子家庭にはななつ星豪華寝台列車は夢の中の出来事だろう。

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