あかない日記

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北海道旅行(26) 挽歌

2011-10-06 | 国内・北海道


    ロータリーからみる「幣舞公園」 
 ”出世坂”の上には ガラス張りの生涯学習センター「まなぼっと幣舞」が見える。

  「幣舞橋」で もう一つ忘れてはならないのが
 釧路出身の女流小説家・原田康子のディビュー作と
 なった「挽歌」の舞台になったことから 出版すると
 たちまち70万部が売れて空前の「挽歌」ブームが起り
  全校的にも有名になった。

  「挽歌」は 1955(昭和30)年6月~翌年の7月まで
 ガリ版刷りワラ半紙の同人雑誌「北海文学」に10回
 連載され 約800枚の長編小説

 あらすじは 太平洋戦争を体験し敗戦による失意を
 引きずりながら 戦後を生きようとする建築家桂木と
 偶然の縁で桂木と知り合い 彼と彼の家庭に好奇の
 心を注いで ”侵入者” となっていく主人公 ”兵藤怜子”
 との不倫の愛が 不毛と憂愁をたたえて広がる
 「釧路湿原」を背景に描かれる。

 その一節が記念碑として 正面の幣舞公園内にある。

        

            高台から見降すと
            下町には明かりがともっていた。
            しかし町の明かりの果ては、
            広い真暗な湿原地に呑みこまれているようだった。
                                      ─原田康子『挽歌』より─

  1957(昭和32)年には 監督:五所平之助 主演:久我美子
  森雅之
 高峰三枝子らにより映画化され 森英恵デザインの
  主人公のファッションが流行し 社会現象にもなった。
  その後も 1976(昭和51)年 秋吉久美子主演で再び
  映画化されている。