境内 杉並木の参道を進むと
塩野川を渡る「神橋」がある。
太鼓の一部のような曲線を帯びているため
「太鼓橋」の名が付いている。
この塩野川は 独鈷山から湧き出しているが
この水も信仰対象になっている。
塩田平地方は雨が少ないため独鈷山は水源でもあり
独鈷山の山岳信仰から生まれた神社と言われている。
戦国時代には武田信玄や真田昌幸・信之らが信仰を寄せ
それらの古文書や 六十年に一度の「甲子祭」で
舞われる「前山三頭獅子」等 多くの文化財を伝えている。
拝殿の奥は本殿 左奥は流造社殿の勅使殿。
神橋を渡る奥に楼門形式の拝殿が建つ。
その建築は 棟札により江戸中期の1743(寛保3)年とある。
この拝殿は 各所に雲や天女・虎・牡丹・竜等の彫刻が施され
この時代の地方作としては彫刻が多く用いられた初期の作品であり
当時の様式を伝えているという。
長野県内では 諏訪大社と本件が確認されるのみで
建築史上貴重な物件で最寄りもある。