(日本経済新聞 2003/11/01)
2月19日は
小説家 尾崎士郎が亡くなった瓢々忌。
尾崎士郎は
1898(M31)年
現・愛知県西尾市生まれ。
中学時代から政治に関心を示し
社会主義運動にひかれ
堺利彦・山川均らと交わる。
早稲田大学在学中 売文社同人となり
1917(T6)年の早稲田騒動では指導者となる。
1921(T10)年
大逆事件を取材した「獄中より」が
時事新報の懸賞短編小説で2位入賞し
以後本格的に小説家として
身を立てるようになる。
1933(S8)年から
「人生劇場」を「都新聞」に連載し
「青春篇」をS10年に刊行
ベストセラーとなり、
以後 流行作家として活躍する。
その後「愛慾篇」「残俠篇」
などと続編7作を執筆
国民各層に熱烈なファンを
作り出す程の国民文学的長編となった。
この頃から社会主義を離れていき
小説家・宇野千代
(1897-1996)と同棲する。
1923(T12)年に出会った
川端康成(1899-1972)とは
以来変わらぬ親友であった。
また「石田三成」「真田幸村」「篝火」
などの歴史小説も書いたほか
相撲にも詳しく 長編小説「雷電」など
相撲関係の著作もあり
横綱審議委員を務めた。
太平洋戦争中は
中国やフィリッピンに派遣され
また大政翼賛会、文学報国会などを
通じて戦争に協力し
戦後公職追放された。
1949(S24)年「ホーデン侍従」で復帰し
1950(S25)年「天皇機関説」文芸春秋読者賞。
1964(S39)年2月19日
大田区山王の自宅で
直腸がんにより死去 享年66。
「人生劇場」の映画は
1936(S11)年
日活・内田吐夢監督をはじめとして
14回映画化され
日活 東映 東宝 大映 松竹と
すべての映画会社が手がけている。
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