アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

母の背中

2011年10月12日 | 生活
今日は、会社の女性技術者の会があって都心へ。

   にほんブログ村 教育ブログ 中高一貫教育へ←働きやすいってどんなこと

会自体は、たいしておもしろくない部分(エグゼクティブの話)も多かったのだが、会を主催する人たちのパネルディスカッションあたりはなかなか興味深かった。

その最後の話題が「ワーク・ライフ・バランス」だったんだけど、そこに座っている以上あんまり(世間で思うような)バランスはしてないと考えるのが妥当なので、感覚的にはズレがある。

そもそも、女性ならば「バランス」型の働き方を目指しているとも限らず、独身であれば特に男性と条件の違いはない。この会社は、「女性が働きやすい会社」とされることが多いが、その中身として必要と考えることは人によってそれなりに違っている。

女性でもどんどんややこしい仕事を任せる、処遇にほとんど差がない、とかいう点についてはかなり先進的な会社だったと思われる。また、セクハラがほとんどない、職場がタバコくさくなくて小奇麗、というあたりも女性に人気が出る(定着率が増える)要因だろうか。

しかし、「女性が働きやすい会社」といって雑誌などが取り上げるとき、その中にはもう一面として「ワーク・ライフ・バランス」が取りやすいという期待があるだろう。ぶっちゃけ、人間らしい生活ができる時間がとれるくらいで、仕事の時間が収まるのかどうかということである。

一人のパネリストは、三人の子どもがいるそうで(私と同じ)、しかも育児休業は一度取っただけで懲りて…つまり、赤ん坊と向き合って家にこもっていると煮詰まっちゃうタイプ…二度目、三度目は産休しか取らなかったというからそこまで私とお揃い。

その人が私と違うところは、「子どもが急に病気、怪我といって呼ばれても私は駆けつけることができない。逆に、一年365日24時間、お客様先でトラブルがあれば駆けつけなければいけない」といっていたところ。つまりは、そういう仕事をしているということなのだけれども、要するにバランスしているというよりは仕事優先の生活である。

時間的にはほんとにタイトだったけれど「母の背中を見て育ってくれれば」とのこと。今は末子でも10歳を越えているそうなので、そこまで大過なく過ごせたということなら確かに問題はなかった、というか今のところないのだろうけれども。

ここでいう「母の背中」ってなんだろう。一面の真実として、「子どもは、親の言ったようには育たない。やったように育つ」ということがあって、やたら向き合ってしつこく指図したって子どもはそのとおりに育たない。それよりは親が充実した人生を過ごしていることを態度で見せるほうが効くってことはあるとは思う。

けど、会社員だからね…八百屋さんとか、漫画家とかじゃあるまいし、どんなに親が真剣に仕事に打ち込んでいようが、それを子どもが直接見る機会はほとんどない。ある程度成長すれば、理屈ではわかる部分もあるだろうけれども、それはずいぶん抽象的な背中である。教育効果には疑問がある(^^;;

それと、もうひとつの問題として、少なくとも幼少時は、父も背中で母も背中じゃ子どもが育たないってこともある。おそらく、その人の場合は、そのだんなさんなり、親なりが背中だけじゃないものを提供していたということだろう。

その部分を話さないのは、あんまりフェアじゃないような気がする。子育て経験のない人をミスリーディングしようとしているのか?? 外人のエグゼクティブも、ワーク・ライフ・バランスについて質問をされたときに、「あっちもこっちも完璧を目指そうとしないこと」とか答えていて、例として、ハロウィーンの衣装は手作りしないで店で買う、とかいってたけど、ご存知のように、膨大な子育て関連業務の中で、そんなところくらいさぼったって(っつか、そんなことは、さぼるうちに入らないけど)焼け石に水。

なんか、話のポイントがずれてるのだ。たぶん、前に座ってる人と、これから子どもを産もうかどうしようか逡巡している下っ端社員とは、ワーク・ライフ・バランスといってイメージするものが違うんだろう。

にほんブログ村 中高一貫教育  ←ぽちっと応援お願いします
にほんブログ村 ピアノ←こちらでも
にほんブログ村 ヴァイオリン 
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする