アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

モーツァルトの仕掛けたパズル

2011年10月30日 | バイオリン
モーツァルトのカノン(K. Anh. C10.16:No.4)という曲は、1stバイオリンがふつうに弾き、2ndバイオリンが逆さから見て弾くとなぜか合うというデュオ。

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昨日のアンサンブルレッスンでは、前回からの続きのリュリのガボットをやったあと、このモーツァルトのカノンをやってみた。

私は一度このカノンを弾いたことがあった。アンサンブルレッスンではなくて、ふだんのレッスンで先生と…。そのときには、なにしろ先生となので、いぃ~感じに先生がリードしてくれて、それに乗っかって弾くと、なんとなくうまくまとまったような気がしてた。

この楽譜には一切、フォルテとかピアノとかクレッシェンドとか、そういった強弱記号というものがついていないんだけれども、それは別に平板に弾けという意味ではないらしい。弾いてみるとなんとなく、ここは強くしたい弱くしたいということが浮かび上がってきて、曲が見えてくるような仕組みになっている。

原則はというと
・同じことを二回繰り返すなら、一回目が強く二回目は弱く
・音が高くなると強く低くなると弱く
ということになるだろうか。先生と合わせたときは、あまり分析的に考えなくても、リアルタイム「まね」能力を生かせば自然にできたんだけれども。

今回は、ちゃんと打ち合わせしておかないと弾けないわけだ。それで、前述の二項目を確認して、だーっと強弱を書き込み、それで合わせてみると…

何もしないよりは曲らしくなった。でも、ちょっとところどころ違和感がある。

そもそも、この曲は、二段の楽譜になっているふつうのデュエットと違って、どう合うのかがわかりにくい。それで、合わせてみてようやく「おぉ」となるんだけど、片方だけ見ていたら「くり返し」だと思っていたフレーズが、実は相手のパートが微妙に違っていて繰り返しではないとか、いろんな仕掛けがあって、楽譜の見た目はめちゃくちゃシンプルなんだけれども、そんなに簡単ではない。

「あぁ、そうだったのか」

合わせてどうなるのかということに気づいて、それを生かしてニュアンスをつけていかないと、ちっとも「いかさない」感じになるので、結局、モーツァルトの仕掛けたパズルを解かされているようなものだ。

それで、なんかそう思うと燃えてしまうというか…

すると結局すべてモーツァルトに仕組まれていたのか!! という気が…

だんだん謎が解けてくると、「あれー、けっこういい曲だなぁ」。単に、トリックのためだけじゃなくて、曲の味わいがあって、それがまた、「回文」であることと密接に結びついているのだ。中央に盛り上がりがあって、1stと2ndはそこですれ違って去っていく。

リズムは、1stと2ndで重なっていることが多いのだが、それでまた、リズムが違う部分におもしろみがある。

一筋縄じゃいかないってことで、次回続きをやることになりました。

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コメント
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