カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第三十九夜・古い歌にあるように

2017-07-27 23:52:38 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『雲の通い路』と『桃色』を使って創作してください。

 ふと見上げた黄昏時の空の薄紅色が凄く奇麗で、あんな上品な色彩と軽い質感の衣を纏うのはどれだけ美しい乙女なら相応しいのだろうなどと考えてしまった僕に、傍らの友人がぽつりと「乙女の姿暫し留めん」と呟いてきて、何だか凄く納得した僕は無言のまま、友人と二人で昏くなるまで空を眺めていた。
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